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総裁記者会見(9月26日)要旨 [PDF 288KB]

SPEAKER記者会見(9月26日)要

PUBLISHED27/09/2022, 00:00:00
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2022年9月27日

日本銀 行

総 裁 記 者 会 見 要 旨

―― 2022年9月26日(月)

午後4時30分から約35分

於 大阪市

(問) 二点質問をお願いします。まず、本日の懇談会にて寄せられた意見や

要望に対する所感についてお願いします。もう一点、関西の景気の現状と先行

きに対する所見についてお願いします。

(答) 本日は、3 年ぶりに4団体共催懇談会で大阪を訪問しまして、関西経

済界を代表する方々と、直接お目にかかってお話しできたことを大変嬉しく

思っています。懇談会では、当地の経済・金融の現状と課題、あるいは日本銀

行の金融政策運営に関する率直なご意見、ご要望を数多く頂き、大変有意義な

意見交換ができました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。席上

で伺ったお話について、私なりに三点に整理しながら、印象・感想を申し上げ

ます。

第一に、足元の関西経済については、個人消費の持ち直しや設備投資

の増加に支えられて、持ち直しの基調を維持しているとのお話を頂きました。

コロナ禍前に関西経済をけん引してきたインバウンド需要についても、入国制

限の緩和や円安を受けて、回復が期待されるとのお話もありました。

一方で、感染症の消費者マインドへの影響、ウクライナ情勢等を受け

た原材料価格の高騰、中国のゼロコロナ政策や欧米の利上げを受けた世界経済

の減速などを背景とする景気の下振れリスクを懸念する声も聞かれました。特

に、原材料価格の高騰については、円安の進行も相まって、中小企業をはじめ

多くの企業で製品価格への転嫁が追い付かず、収益への下押し圧力が強まって

いるとのお話がありました。同時に、「消費者物価が上昇するもとで持続的な

成長を実現するためには、賃上げが重要」とのご指摘や、「そのためには、生

産性の向上などが重要」とのご意見も聞かれました。

日本銀行に対しては、海外経済の不確実性が高まる中で、企業経営の

安定に資する政策運営を期待するご意見や、コロナ禍の影響を受けた企業の再

生や事業承継への金融面での支援強化に対するご要望を頂きました。いずれも

大変重要なご意見であり、日本銀行としては、関西およびわが国の金融経済情

勢を丁寧に点検しつつ、適切な政策運営に努めていきたいと考えています。

第二に、中長期的な成長力強化に向けた取り組みについても多くのご

意見を頂きました。脱炭素化関連では、水素やアンモニアのサプライチェーン

構築に向けた具体的な動きについてお話がありました。国際的に地政学的リス

クが高まるもとで、エネルギーや繊維などの安定調達に向けた対応についての

お話もありました。また、産学官が連携したスタートアップ支援の強化や、規

制緩和、インバウンド需要の回復を見据えた広域観光ルートの策定やデジタル

技術を活用したMaaSの構築などのお話もありました。こうした中長期的な

視点に立った取り組みは、当地経済の成長力強化につながるものであり、大変

心強く感じました。

第三に、大阪・関西万博について期待する声が多くありました。2025

年の開催まで 1,000 日を切り、脱炭素化やデジタル技術、次世代モビリティな

ど様々な分野で、最先端技術の実証実験や実装に向けた取り組みが着実に進ん

でいるとの印象を持ちました。日本銀行としても、イノベーションを通じた新

しい産業やビジネスの創出は、日本経済の成長力を高めていくうえで、大変重

要であると考えており、大阪・関西万博がその大きな契機となることを期待し

ています。

関西経済の現状については、先ほど申し上げた ところですけれども、

「供給制約や感染症の影響がみられるものの、全体として持ち直している」と

判断しています。すなわち、輸出や生産は、世界的なデジタル需要や設備投資

の持ち直し等を背景に、半導体製造装置や建機・農機などの一般機械を中心に

増加基調を維持しています。足元では、半導体不足の影響等がみられています

が、設備投資は、成長投資を中心に増加しています。個人消費は、感染症の再

拡大による影響が一部にみられていますが、全体として持ち直しています。

関西経済の先行きについては、感染症や供給制約の影響が和らぐもと

で、 外需の増加などを背景に、 全体として持ち直しを続けていくとみています。

関西経済に影響の大きいインバウンド消費も、入国制限の緩和に伴い、一段と

持ち直していくことが期待されます。もっとも、引き続き、内外の感染症の動

向やその影響、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外の経済・物価動

向など、経済・金融を巡る不確実性はきわめて高く、留意が必要と考えていま

す。

更に、やや長い目でみますと、将来の成長に向けて、関西経済のポテ

ンシャルが発揮されやすい環境が整いつつあると評価しています。これは、第

一に、 感染症や地政学的リスクの高まりを受けて、 グローバル・サプライチェー

ンの見直しの動きがみられるもとで、関西は、企業の高い技術力と創造力、ア

ジア太平洋地域における立地などの観点から、今後、重要性を高めていく余地

が大きいこと、第二に、成長が期待されるデジタル化・脱炭素化・ライフサイ

エンス関連分野において、関西には、世界的にみても優れた学術・産業基盤が

集積し、発展を続けていること、第三に、懇談会でもお話がありましたけれど

も、2025 年には、これらの成長分野をテーマとする大阪・関西万博の開催が予

定されており、最先端の技術力を世界に発信する機会に恵まれていること、な

どが背景です。感染症の収束後のインバウンド回復や万博開催を見据えた都市

再開発、交通インフラ整備、高級ホテルの建設なども進んでいます。また、新

たな成長分野を育成する観点から、産学官の連携により、スタートアップ支援

の動きも強まっています。

こうした取り組みが関西経済の 更なる発展につながっていくことを

期待しています。

(問) 為替介入についてお伺いします。政府は先週、円買い介入に踏み切

りました。円相場はその後一時 140 円程度まで円高が進みましたが、その後

は円安圧力が強い状況となっています。今回の政府の介入について、どのよ

うな評価をされているのかを教えてください。また併せて、黒田総裁の会見

では、現在の大規模な金融緩和を継続すると公言されています。この結果、

為替介入の効果を阻害するのではないかという市場関係者の見方があります

が、これに対するご所見をお願いします。

(答) まず最近の円安の進行については、急速かつ一方的なものであり、こ

うした円安の進行は、企業の事業計画策定を困難にするなど、先行きの不確実

性を高め、わが国経済にとってマイナスであり、望ましくないというのは申し

上げてきた通りです。今回の為替介入は、財務大臣のご判断により、過度な変

動に対する必要な対応として実施されたものと理解しており、適切なものであ

ると考えています。日本銀行としては、政府と緊密に連携しつつ、金融・為替

市場の動向やそのわが国の経済・物価への影響を十分注視してまいる所存です。

これまで繰り返し申し上げてきた通り、為替相場は経済と金融のファンダメン

タルズに沿って安定的に推移することが望ましく、これまでの急速かつ一方的

な動きはわが国経済にとってマイナスと考えています。今回の為替介入は、過

度な変動に対する必要な対応として実施されたものであり、適切であると考え

ております。

わが国経済は、コロナ禍からの回復途上にあるうえ、ウクライナ情勢

を背景とした資源高は、海外への所得流失に つながり、景気の下押し圧力と

なっています。海外の経済・物価情勢や金融・為替市場の動向など、わが国経

済を巡る不確実性はきわめて高い状況にあります。こうしたことを踏まえ、現

在は経済を支え、賃金上昇を伴う形で 2%の「物価安定の目標」を持続的・安

定的に実現することが必要であり、先週の決定会合において金融緩和の継続を

決定したところです。日本銀行としては、今後とも政府と緊密に連携しつつ、

金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を十分注視していく所

存です。

(問) 先ほどの為替介入の関連で、今回の政府の為替介入は、急速に進んで

いる円安を円高方向に進める目的で行われたわけですが、その観点からみると、

現在進められている金融緩和は、政策の方向性が異なっている、矛盾している

という指摘がマーケットから聞かれます。これについて総裁の見解をお伺いし

ます。

(答) そのようには全く考えていません。財政政策と金融政策のポリシーミ

クスについて、財政政策と金融政策とは、それぞれ目的や政策の効果が異なっ

ており、だからこそポリシーミックスが可能となり、効果を上げているわけで

す。同様に、金融政策と為替政策も目的や効果が違っており、だからこそ組み

合わせということが可能となっているわけであり、先ほど来申し上げている通

り、これまでのような急速かつ一方的な為替の変動は日本経済にとって好まし

くないというのは事実であるため、そうした観点から政府が介入されたことは

適切であったと思います。一方、日本銀行の金融政策は、あくまでも物価の安

定、それは単に輸入物価が上昇したということではなくて、あくまでも企業収

益が改善し、賃金が上昇する中で、緩やかに物価も上昇していく、そういった

かたちで 2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に達成されることを目的

に行っています。足元では、ご承知の通り、GDPは、第2 四半期は非常に大

きく伸びましたが、レベルとしては 2019 年のGDPのレベルをまだ下回って

います。従って、コロナ禍からの回復の途上にまだあります。そのうえ、資源

価格の高騰は、交易条件の悪化を通じて、国民所得の海外への流出を招いてお

り、景気の下押し圧力になっています。そうしたことを踏まえると、金融政策

は、あくまでも経済の回復、成長を支援するための緩和を続けて、それを通じ

て、先ほど申し上げた通り、企業収益の好調な状況、そして賃上げが進むもと

で、 物価が安定的に上昇していくことを目的としているわけです。 今のところ、

足元で 2.8%の消費者物価の上昇になっており、年末に向けて更に上昇する可

能性がありますけれども、年明け以降は物価の押し上げ要因がフェードアウト

し、来年度には物価上昇率が 2%を割るという見通しです。これは、当方だけ

ではなく、IMFとかその他の機関でもそうした見通しです。従って、現時点

の金融政策としては、あくまでも経済の回復、そして交易条件の悪化に伴う下

押し圧力によって経済が下押しされるのを防ぐという意味で 金融緩和を続け、

これによって企業収益が改善し、賃金が上昇していく中で、物価が安定的・持

続的に2%の上昇を達成するようにしていくということに尽きます。

(問) 二問お伺いします。為替相場の変動は望ましくないということですが、

実際に起こったことは、先週木曜日の総裁会見での利上げはしばらくないとい

う発言を受けて急速に円安が進み、その直後に為替介入で円高方向に急速に進

んだということです。これは、それぞれの事情は分かるのですが、海外からみ

ると、政府と日銀の政策の方向性や対応の違いによって、却って為替の変動を

高めてしまったのではないか、ボラティリティを惹起したのではないかという

見方があると思います。それについての見解を頂きたいというのが一点目です。

二点目は、やはり急速な変動には為替の介入をしつつ、景気を支える

ために日銀は緩和政策を続けるという理解だと思うのですが、仮に円安の進行

によって、日本の物価が 2%を下回らない状態が来年起こった場合、消費者物

価が 2%を超えた状態が続いても、賃金が然程上がらないとか、企業収益への

悪影響が懸念されるような経済環境であれば、現行の 低金利政策、あるいは

フォワードガイダンスは一切変える必要がない、という理解でよろしいでしょ

うか。

(答) まず、前段の質問については、それが海外で主流の意見だとは思いま

せん。為替の一方的、急速な変動というのは、わが国の経済にとってマイナス

であるということは従来申し上げている通りであり、財務省が、それを是正す

るために介入したことは適切であると考えています。一方、日本銀行の金融政

策は、先ほど来申し上げている通りであり、日本経済の回復を支援し、資源価

格の上昇による交易条件の悪化が経済を下押しすることを防止する 観点から

緩和を続けています。先ほど申し上げた通り、財政政策と金融政策は目的も経

済効果も異なりますが、そういうものが組み合わされてポリシーミックスとな

るように、為替介入と金融政策でも目的も効果も違いますが、それらが組み合

わされてより適切な状況が実現されるというポリシーミックスで、相互補完的

だと思っています。なんら矛盾するとか、方向が違うとか思いませんし、国際

機関でもそう言っていません。

二番目の点については、来年には、物価を押し上げている要因が剥落

する、ないし弱くなることで、2%を割ることが確実だと思っており、そういう

意味で、賃金の上昇も含めて、2%目標が来年に実現するとはみていません。

従って、当然、2%の「物価安定の目標」が安定的・持続的に達成されるまで量

的・質的金融緩和を続けるという考え方に変わりはありません。

(問) 先ほどの総裁の当面は利上げをしないという発言に絡んでのお尋ねで

す。長期金利の誘導目標は ゼロ%程度で、許容上限の目安は+ 0.25%程度と

なっています。この許容上限を日銀が引き上げることは、総裁がおっしゃる金

利引き上げ、あるいは金融引締めになるのか、改めて教えてください。

(答) それはなると思います。というのは、従来から、10 年物国債の金利を

ゼロ%程度としてイールドカーブ・コントロールを行ってきましたが、そうし

たもとで、当初は非常に狭い範囲でしか金利が動かないかたちになっていまし

た。もっとも、そうした必要はないため、どの程度の幅で金利が変動するかと

いう観点で、国債市場の機能度を維持しつつ、しかしゼロ%程度という適切な

イールドカーブのもとで金融緩和の効果を持続させるために、その両者のバラ

ンスがどの辺で取れるかを、かなり深く分析し、±0.25%の範囲内であれば、

その範囲内で変動しても金融緩和の効果は損なわれない、という結論に達しま

した。従って、±0.25%の幅をより広くしたら、仮にその上の方に行けば、明

らかに金融緩和の効果を阻害しますので、そういうことは考えていません。

(問) 為替介入に戻るのですが、その効果についてもう少し伺えればと思

います。日本の今回の介入は、単独介入とみられていて、実際に水準もまた

足元再び戻ってきています。そうした中では、なかなか効果が望めないとい

う指摘もあるのですが、そういう姿勢を見せることに意味があったのか、そ

の辺りの為替介入をしたという事実に対しての評価をお願いします。

(答) 為替介入の判断にしても効果にしても、これはあくまでも財務省の権

限・責任であり、私から申し上げることは致しません。ご案内の通り、145 円

の上の方から一気に 5 円くらい円高になったあと、この数日 142~143 円程度

で動いていますので、効果がなくなったということではありません。ただ、い

ずれにせよ、効果がどうであったとか、今後どういう時に介入するとか、そう

いうことは日本銀行の権限でも責任でもありませんので、財務省の考えをお聞

き頂いた方がよいと思います。

(問) 先週の総裁の会見の中で、フォワードガイダンスの修正の考え方につ

いて、当面数か月の話ではなくて、2~3 年の話と考えた方がいいとおっしゃい

ました。そうはいっても、経済・物価情勢に合わせて微調整はあるかもしれな

いともおっしゃいました。この点、現在、政策金利の見通しや新型コロナ感染

症の影響についての記載がありますが、総裁の考え方について改めてお伺いで

きますでしょうか。

(答) 対外公表文では、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を、「物

価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点ま

で継続するという点と、マネタリーベースは消費者物価の実績値が安定的に

2%を超えるまで拡大方針を継続するという点、この二つのことを示していま

す。

この点、 直近7月の展望レポートでは、 生鮮食品を除く消費者物価が、

2023年度でも、2024 年度でも+1%台半ばとなっており、2%の「物価安定の目

標」を持続的・安定的に実現する見通しとはなっていません。こうした期間に

ついては、金利・マネタリーベースの両面で、微調整はあるにしても、コミッ

トメントに沿って金融緩和を継続する方針です。なお、「現在の長短金利の水

準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」という政策金

利のフォワードガイダンスは、感染症に紐づいたものであり、ここでいう「当

面」は「新型コロナウイルス感染症の影響を注視」しつつ政策を行う期間であ

り、必ずしも「2~3 年」という長期ということではないと思います。

いずれにせよ、「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準

で推移することを想定している」という 政策金利のフォワードガイダンスは、

感染症に紐づいたものです。先行きの政策金利のフォワードガイダンスの取り

扱いについては、感染症の影響を含めた経済・物価情勢を踏まえて、それぞれ

の決定会合で適切に判断していくことに変わりはありません。

(問) 今まさに総裁は、経済の物価情勢に合わせて微調整も有り得るとおっ

しゃいましたが、微調整というのは具体的にどのような調整を想定しているの

かというのが一点目です。

もう一点は、2~3 年、そうは言っても現在の金融緩和を続ける方針だ

という話だと思いますが、これは総裁の任期を考えたときに次期総裁のもとで

の政策変更の話になると思うのですけれども、次の体制になっても利上げをせ

ずに大規模緩和を維持して欲しいということでしょうか。

(答) 私の任期は来年の 4 月までですので、その後のことについては、私が

今考えているということではなくて、その後のことはその時の金融政策の決定

に関与する総裁、副総裁、審議委員の方々の考え方によります。2%の「物価安

定の目標」を安定的・持続的に実現することについては、私の任期が始まる前

の 2013 年 1 月に政策委員会で決定されたことであり、それを踏まえて、2013

年 4月以降、私が総裁のもとでの政策委員会で、現在の金融緩和政策を続けて

きました。2%の「物価安定の目標」は今や先進国の殆ど全てが採用している目

標であるため、それを変えようとは思いませんし、先ほど来申し上げている通

り、2023 年度も、2024 年度も消費者物価の上昇率は 1%台半ばという見通しで

あり、当然に金融緩和が続くと私は考えています。ただし、私が任期後の金融

政策を決める立場にはありません。

微調整は微調整であり、その時にそういうことがあるかもしれない、

ということだけであって、今からこのような調整とかあのような調整とかとい

うことは言えません。それは、まさにその時の経済・物価情勢に応じて、特に

新型コロナ感染症による影響にもよりますので、今から何か具体的なことを申

し上げることは致しません。

(問) 先ほどご発言の中にありました為替介入についてお伺いします。先ほ

どご発言の中に、財政政策と金融政策で目標が違うというお話をされていたと

思いますが、目標が違う中で財務省サイドとの調整というのは十分にできたう

えでの介入だったと考えますでしょうか。また、総裁は昔、財務官の経験もお

ありですが、ご自身が財務官だったとしても、現状のボラティリティが高いと

いわれる中で、為替介入というご判断を下したでしょうか。

(答) 先ほど財政政策と金融政策と申し上げましたが、例えば、経済を刺激

する、経済の回復を助けるために、財政支出を増やすとか、減税するとなると

財政赤字が拡大し、それだけだとすると国債金利というか長期金利が上がりま

す。 それに対して、 同じように景気の下支えをし、 経済の回復を助けるために、

金融政策を緩和すれば、それは金利を引き下げることになります。このように、

両者が相まって景気の拡大や経済の回復を助けるものであり、金利の引き上げ

と引き下げで矛盾しているかというと全く矛盾していないわけです。両者がま

さにポリシーミックスとして、経済の回復を助け合っていると考えるといいと

思います。金融政策と為替介入についても全く同じであり、両者の効果や目的

は異なりますが、それらが組み合わさって、適切な経済状況を作り出すという

ことだとご理解頂きたいと思います。ただし、財政政策は政府と国会が決める

ことであり、金融政策は日本銀行が決めることなので、その両者を自動的に調

整するようなメカニズムはありません。当然、必要な話し合い等は行いますが、

政府と国会が日本銀行に指示するとか、逆に日本銀行が政府や国会に要望する

とか、そういうことはありません。為替介入と金融政策においても、そういう

ことはありませんが、結果的に、ポリシーミックスとしてより適切な状況に

なっているという意味で介入は適切だったと判断しています。

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(問) 財務省との調整は十分に果たされたというお考えでしょうか。

(答) 先ほど来申し上げているように、財政政策と金融政策での調整という

ものはありません。連絡とか連携というのはありますが、調整というとどちら

かが要請したり命じたりするととらえられるもので、そういうものはありませ

ん。それと同じように、金融政策と為替介入という財務省が行ったこととの間

に調整があるかというと調整という仕組みは ありませんが、ご承知のように、

実際の介入は日本銀行が財務省の指示を得て、エージェントとして、金融機関

を通じて行うため当然十分に連絡は受けていますし、そういう面では齟齬はあ

りません。何か調整するかと言われると、財政政策と金融政策でも連絡・連携

はするが、そういうものはないとご理解頂きたいと思います。

以 上

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