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中村審議委員記者会見(12月5日) [PDF 289KB]

SPEAKER記者会見(12月5日)

PUBLISHED06/12/2024, 00:00:00
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2024年12月6日

日本銀行

中村審議委員記者会見

――2024年12月5日(木)午後2時30分から約40分

於 広島市

(問)

質問二点です。一点目は、今日の懇談会で、地場の財界や自治体 トップとどのよう

な意見交換がなされ、財界や自治体 トップからの発言で印象に残ったことがあれば

お願いします。特に委員が重視されている地場中小の賃上げやコロナ禍以上の稼ぐ

力という観点から印象に残った発言があればよろしくお願いします。

二点目は今日の懇談会を踏まえて広島県の経済情勢の見通し、あと 18・19 日と金融

政策決定会合がありますが、金融政策を検討する上で踏まえたいと思ったことをお

願いします。

(答)

ありがとうございます。今日のミーティングの内容ですけれども、広島県の金融経

済界を代表する方々がお越しになりまして、 いろいろな話を頂戴することができま

した。皆さま方には、お忙しい中、お越し頂きましたので、御礼を申し上げたとこ

ろでありますが、[ご意見は]非常に多岐にわたる内容でした。全部というわけには

いきませんので、印象に残ったところをご紹介しますと、まず広島県の景気は、全

国の評価と同様に「緩やかな回復基調にある」ということでございました。皆 さま

からは、企業の景況感や収益が改善しているということ、G7広島サミットの開催

効果も相まってインバウンド需要はかなり回復しているということ、それから次世

代半導体や電池といった企業の投資も拡大しているということがございました。一

方で、やはり物価高騰や人手不足により、依然として厳しい経営環境にあるという

こともございまして、やはり資金繰り [の厳しさ]に直面しているというような企業

も少なくないということでございました。来年度の賃上げですけども、相応の企業

がアンケート結果によりますと、今年度と同等以上の賃上げを行うという考えを持

っているということでございましたが、中小企業の今年度の設備投資は、前年から

減少する見込みであるということなので、 企業体力に劣る中小企業にとって、防衛

的賃上げと設備投資の両立は容易ではないというようなお話もございました。日 本

銀行に対しては、為替動向や、地域の景気動向、それから地域が抱えている人口流

出などの課題、こういったものに十分注視して金融政策を実施して ほしいというご

意見や、地域の賃金動向、価格転嫁の状況等に資する情報を提供して ほしいという

ご要望も頂戴致しました。本日お伺いした話を踏まえて、中央銀行の立場から金融

システムの安定を確保するとともに、2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実

現するために、適切な金融政策を運営し 、当地経済の持続的な成長を引き続きサポ

ートしていきたいということを申し上げました。

それから、広島の[経済]見通しにつきましては、先ほど申し上げたように、一方で、

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自動車、それから造船、鉄鋼といった製造業の生産拠点が集積する工業県でありま

して、世界経済が少しスローだということで、やはりそういう点については懸念も

あるということでありましたが、二つの世界遺産とか豊富な観光資源を有していま

すので、それに国際平和拠点として世界的に高い知名度を有するという利点もあり

ますので、そういった非常に高いポテンシャルを有してい る地域であるという印象

を持ちました。いろいろなスポーツ施設だとか、都市開発といったところもどんど

ん進んでいますので、相乗効果は高まっていくのではないかなというふうに思いま

す。「緩やかな回復基調にある」とは いえ、やはり自動車は弱めの動きだという点

もございますので、設備投資計画は今のところ増加しているという計画ではありま

すが、それがそのままいくかどうかは注意してみ ていかないといけないなと思いま

す。それから先行きにつきましては、海外経済の動向、それが輸出産業に与える影

響については注意が必要だということでございました。

それから、今度の金融政策決定会合に何を活かすのかというようなご質問でござい

ますが、今日の懇談会でいいますと、やはり日本銀行に対しては、為替の動向、そ

れから地域の景気動向、地域が抱えている人口流出の課題、これをよくみ て、そし

て金融政策を実施してほしいというようなご意見を頂戴致しました。私の立場と致

しましては、今日、直接お伺いした話ですとか、支店を通じて寄せられた企業や金

融機関の声も踏まえながら、引き続き、実態に 即して適切な金融政策運営をしてい

きたいと考えております。今後出てくるいろいろなデータがありますので、それを

みながら判断していきたいと思います。

(問)

二点お願いしたいんですが、一点目は中小の稼ぐ力がなかなかまだ強まらない中、

金融緩和の度合いを調整することは慎重に行うべきだと いう講演でのご発言なんで

すけれども、そう考えると、市場の一部でみられている年内の追加利上げは拙速な

ことなのかというのが一点目です。

二点目は、最近出た法人季報では、設備投資意欲は旺盛なんですが、大企業を含め

て、製造業の収益にちょっと頭打ち感が出ているように思われます。トランプ新大

統領が 1 月に誕生しますが、そういう不確実性とか、海外経済の減速で大企業の賃

上げが今後落ちてしまうのではという見方もあると思うのですが、世界経済のそう

した不確実性が企業に及ぼす影響、 大企業も含めて、更には日本経済への影響につ

いて、先ほどの法人季報からみえる視点からお願いします。

(答)

中小の稼ぐ力が弱いっていうことで、 [金融]政策は慎重にということではあります

が、私は以前から申し上げているんですけど、利上げに反対しているわけではない

ので、経済の回復の状況に応じて変えていくべきだと。それはデータに基づいて、

公表されたデータやヒアリング情報がありますので、それに応じて判断をしていく

べきであるという考えで、期待、 こうなってほしい、こうなるはずだというところ

に基づいての判断よりも、それを確認するデータをみ て判断をしたいということで

あります。年内の利上げという点については、これから結構たくさんのデータがま

だまだ出てきますし、短観もこれから出てきますので、そういった点でいうと、そ

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こをよくみて判断をしたいというふうに考えています。それは、その 後言われた法

人季報の話でもあるんですけれども、今、私はコロナ禍からの回復軌道にある、そ

れは成長軌道に再び乗ったのかっていうと、まだ乗っていないと判断しています。

例えば、今ご質問頂いた法人季報でみると、4 月から 9 月の上期をみると、1 人当た

りの営業利益は全体でみると+3 割、90 年[度]の上期と 24 年[度]の上期は+3 割で

して、大手企業というのはものすごく伸びています。118%ぐらいプラスになってい

たかと思うんですけども。90 年[度]上期に比べると 2.2 倍(注)になっていまして、

そのうちの中小企業は実は 4 割減っています。大手と中堅は 90 年[度]上期の 1 人当

たり営業利益をみますと成長しています。過去最高を超えたということになるんで

すが、中小企業は残念ながら 4 割減です。これは、前年比でみれば▲4%ぐらいなの

でまあまあではあるが、やはり中小企業が減っている。しかしながら、給与と賞与

の人件費でみると、みんな増えている。それは大手も中堅も中小企業も。従って、

中小のところはまだ防衛的な賃上げというのが、全体 でいうと窺える状況です。 1

人当たりの設備投資はどうかと、ソフトウェアも含めていますけども、これは全体

でみると、90 年[度]上期に対して 3 割減っており、これは大企業も 1 割減っていて、

中小企業は 5 割減っています。大企業の場合はサプライチェーンを海外にシフト、

過去の円高局面のときにずっと移してきましたので、グローバルでみると、 おそら

く増加していると思います。ただ、中小の場合はグローバル展開をあまりしていま

せんので、そうすると、この 5 割の減少は、中小の全体でみてもちょっと弱いって

いうことがあって、この点、私としては少し懸 念を持っていまして、生産性を向上

させる力がまだ中小企業の場合には、全体でみると、平均するとちょっとまだ低下

しているのかなと。ただその中に、成長志向の中小企業も当然ありますので、私と

しては、3 割ぐらいは中小企業の中で成長志向の企業があると認識をしているんで

すけども、そういったところは前向きな賃上げをやれる状況になっていて、日商の

アンケート調査でもそういう結果が出ていますから、改善方向にはあると。従って、

まだこれからいろいろなデータが出てくるので、年内の利上げがどうかと言われて

も、もうちょっとデータをみないとさすがに。とにかくデータ・ディペンデントで

判断をしたいというふうに考えています。

大幅な賃上げが大企業もちょっと難しくなるのではないかっていうようなご意見も

ございましたけれども、企業によって違うのかなというふうに思います。今、大手

の企業は、ここ 10 年以上にわたって通年採用という、俗にいうキャリア採用をやっ

ていまして、それは自分達のいた企業のグリッドの中に収まっていると満足がいか

ないと。従って、もうちょっと年収の高いところへ移ろうということで移っている

人が多いと思うんですけど、そういう人達が大手企業の中に、若年層だと思います

けども、かなり入ってきて、新規採用と通年採用が 5 分 5 分ぐらいになっています

から、そうするとその企業の中の賃金のグリッドに収まらない人達が結構増えて、

企業としてもそこは埋めなければいけない。埋めなければいけない ときに、他社、

G7の大企業、それからアジアの大企業、上場企業を比較すると私のこのグラフの

何ページかちょっと忘れちゃいましたが、日本の場合は少しずつは賃金カーブが上

がっているんですけど、主要国と比べると寝過ぎていて、特にマネージャー以上に

なるとギャップが大きい。従って、ここは埋めなきゃいけないということで、大企

業は、おそらく高めの賃上げをするのではないかなというふうに思います。それは

労働分配率も低いので、賃上げ余力があるということからやるのではないかと思い

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ますが、その点で中小企業が、前向きな賃上げをやれるところは持続的にできます

けども、防衛的な賃上げのところはちょっと難しくなる局面がいずれ出てくるかも

しれない。ということで、それを続けるのであれば、成長志向の中小企業が中心と

なって、もう一回り大きくなる改革を進めて、今のうちに戦える企業としての経営

リソースを増やすということをやっていけば、持続的な賃上げは期待ができ るし、

その方向感はかなり出てきているかなと 思います。M&Aとか第三者事業承継が増

えてきていますから、その方向感としては良いと。大きな芽が出て いるかなと言っ

ているんですけど、そういう方向感で思っています。私は超ハト派と言われている

ようですが、決してそういうつもり はない。経済のデータに沿って改革をしていけ

ば良い。ただ今、中小企業がまだちょっと弱い感じだなっていう印象を持っていま

すけど、今後いろいろ出てくるデータで判断をしたいと思っています。

(問)

年内の利上げについては、データ次第というお話を今伺いましたけども、講演では

経済の回復度合いに応じて緩和度合いを調節していく べきだというお話をされまし

て、今の回復状況というものをみた場合、足 元までのデータ等からですね、やはり

年内利上げというもの、もしくは市場が織り込んでいる 1 月の利上げですね、時間

軸でみた場合、いわゆる利上げは否定されるものではないというお考 えでよろしい

のか。データ次第ということですけども、ちょっとそこのお考えを お聞きしたいと

いうのが一点。

もう一点は、講演で産業構造と経済構造の変化の重要性を指摘されていましたけれ

ど、金融緩和の長期化によって、今の産業構造の変化が遅れるような懸念はないの

か、その点について何かお考えがあるのか、この二点です。

(答)

データ次第っていうことですが、私の場合、平均の中央値の見通しよりちょっと弱

気と言いますか、ちょっと低めですので、考え方としては先ほど申し上げたように、

経済は、いま成長軌道に乗っているというよりも、回復軌道に乗っている、回復局

面であるという認識です。それは、先ほど申し上げた中小企業が、まだコロナ前よ

りも、1 人当たりの利益は超えてないし、90 年[度]上期のバブル期の絶頂期の頃に

比べてもかなり低いということなので 、そこのところが大企業、中堅企業と おかれ

ている環境が中小企業はちょっと違うなというふうに思います。 ただ、全ての中小

企業が駄目ということではない。従 って、その変化度合いがどう出てくるのかは、

データでみたい。だからそのデータで私がみ たいっていうのは、まだ回復過程だと

いう認識でいるもんですから、回復状況次第っていう私は文言を使っているんです

けども、それによっていつ利上げかっていうのは なかなか予断をもって申し上げる

にはさすがにまだデータが少な過ぎて、法人季報とGDPの 1 次速報は出ましたけ

ども、まだ毎勤統計ですとか、GDPの 2 次速報だとか、それからその他のいろい

ろなデータがたくさんありますし、私がみ たいというのは[挨拶要旨の]5 ページ目

の中段ぐらい、多くのデータやヒアリング情報によって いろいろみたいのは、具体

的には六つほど書きましたけども、それ以外でも いろんなデータで確認をしながら、

成長軌道に近づいていけるのかなということをみ たいというふうに考えていますの

で、いつ利上げかとそう急がずに、もうちょっと様子をみさせて頂きたい。

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それから産業構造の変化っていうのが利上げによって影響があったっていうことで

良かったですかね。

(問)

緩和の長期化が逆に構造変化を遅らせてしまったのではないか。

(答)

金融緩和によって、産業構造の変化が遅れて いるのかっていうと、それをデータで

確認するようなものは、この前の多角的レビュー[のワークショップ]でも確か出て

こなかったと思うんですけど、やはり産業構造を変えるには、私はね、成長を続け

ている企業が、憧れの存在であり、そこでは賃金も上がり、どんどん成長して自分

のやりたいことが、そこで実現できるっていうような、夢のあるような企業が各地

域に生まれ、それが成長していくことによって企業は大きく成長するんだと思うん

です。それが昭和の時代には起きて、高度経済成長の時代があったわけですけれど

も、その後、経済環境が変わってしまって、生産性の高かった大手の企業がサプラ

イチェーンを海外に移したことによって、以前は国内にあった 産業クラスターがグ

ローバル化してしまい、その結果、中小企業の中で海外には行けず、結局海外で で

きたサプライチェーンに攻撃を受けると いいますかね、輸入品によって、低成長・

低収益化してしまったっていう産業構造の変化があった。それは、金融政策によっ

て出たものではないんではないかなというふうに思います。やはり、経済の構造自

体が、企業の行動が変わってしまったので、それに対応して、本来変わっていかな

ければいけなかった。そのときに、日本の大手企業も、これは私の個人的な感想で

すけれども、日本が先進国になったということをつい忘 れてしまって、足元の業績

をいかに改善するか、そして成長のために海外に出て行ったということは良いんで

すけれども、そのときに日本は先進国であるので、世界のイノベーションをリード

する活動、事業展開をすべきだったと思うんですけれども、コストカットを中心と

したコスト構造の改革をかなり注力してしまったので、そこが遅れてしまった。そ

ういうことから起きていることだというふうに理解をしていますので、金融政策の

問題とはちょっと私は違う意見を持っております。ただ、これからは変わる芽が出

てきましたんで、私としては、将来に対する見通 しは少し明るさを持っているんで

すけども、なかなかそれが皆さまに伝わってないということで、今ちょっと追加で

申し上げました。

(問)

度々利上げの話で恐縮なんですが、中村委員、データ次第で慎重に検討していくと

いうお話をされましたけども、一方で、今日の講演では、賃上げと投資が牽引する

成長型経済への大きな変化の芽が出ているというふうにおっしゃいました。これま

でのご発言より、やや前向きな利上げに対しての印象を受けたのですが、やはりこ

れまでよりも利上げに向けた環境としては整ってきているというふうに考えられま

すでしょうか。

(答)

私自身は昔から変わってないんですけど、皆 さまが私の発言をとらえて超ハト派と

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言われるもんだから、そういうレッテルが貼ら れたのかなという気がしております

が、前から芽は出ているということは申し上げています。非常にそういう面で、私

は、日本経済の将来においては明るい希望を持っている。ただ、中小企業の状態が、

全体としてはまだコロナ前もちょっと超えてないので、そこのところをリードする

成長志向の中小企業のところがもうちょっと拡大しないかというところを期待して

待っているというところであります。

(問)

これまでの質問と被りますが、多くのデータに関心があるとおっしゃっていて、講

演の中でもいくつか指標について挙げられていますけれども、再来週 のMPMまで

に出てくるもので特に確認したいもの、データ次第では 12 月にでも利上げできるの

か、教えてください。

(答)

先ほどの 5 ページのところに書いてあるようなことを確認したいとなると、毎勤統

計ですとか、それから消費動向指数、GDPの 2 次速報、建設工事受注動態統計と

か、もうちょっとしたら出てくる私どもの短観、それから鉱工業指数とか、機械受

注統計、貿易統計、資金循環統計とか、こういうデータがこれから MPMまでに出

てきますので、そういった中からどう変化がみ えるかを私としては注視していくと

いうことです。

(問)

市場では 12 月の利上げを含む観測というところが後退して来ていますが、こういっ

た市場の見方と中村委員の考えに開きはありますでしょうか。

(答)

別に何というか、まだ 12 月とか 1 月とかもっと先かとかいうことを決めているわけ

ではないので、データ次第と先ほどから申し上げているんですけど、どちらかとい

うと市場がボラタイルになっていて、上がったり下がったりして いるんですけど、

それはアメリカでも同じようなことが起きているので、決して 私と大きな変化が出

ているのかどうかはちょっと分かりませんけど、もう少しきちんとデ ータをみてフ

ァクトに基づいて意思決定をしたいと考えているので、今の状況は別に 12 月でなく

なったというわけではないし、12 月でやるということでもないし、もうちょっと時

間が経って、経済データのファクトを確認しながら、 いろいろ市場も動いて来るの

ではないかなと思いますので、私としてはまだニュートラルに いるということです。

(問)

細かいところなんですけど、一番最後の図表 16、家計のダイナミズムのページで勤

労所得と金融収入から矢印が出ている消費拡大が前回 6 月の講演資料から新たに加

わったような気がしてるんですけど、実際そういう動きがみ えているのか、何かそ

の辺りについてご見解をお願いします。

(答)

ここは前回よりも新NISAによる投資のところが積み上がってきたということで、

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資金循環統計でも一気に増えましたので、そういうことをみると、 1 年間かけて可

処分所得に占める利子配当収入が 3.3[%]ポイントも増えたというところがあって、

そういうことからすると、日本経済が成長する、そのリーダー役である上場企業の

業績が家計に直接反映するパスも出てきたということで、期待としては消費拡大と

いう節約志向が少し軽減されるのではないか、そうなって ほしいということで、今

回は消費拡大というのを入れました。やはり、ここがないと賃金が増えても消費が

拡大しないと実はGDPは増えない。GDPの中の 55%は個人消費ですから、そこ

が増えないと、やはりGDPの成長は難しい。それは賃上げとともに、国のリーダ

ー役である上場企業が成長すると、今まではあまり家計の可処分所得に反映されな

かったけれども、株式投資、投資信託投資が増えて、米国型になったとは言いませ

んが、少し近い方向に動き出したということは、家計の稼ぐ力の多様化が進 みつつ

あるなということで、この項目を入れました。

(問)

一点、7 月の金融政策決定会合では、利上げについて反対票を投じていましたけれ

ども、そこから現在にかけては心境の変化があるのかどうか 。6 月の札幌市での講

演の際には、当面は現状維持が妥当というふうに伝えていましたけれども、今回は

慎重に金融政策度合いを調節する局面と示されていましたけども、その 辺り少し心

境の変化があったのか、教えてください。

(答)

心境の変化という点でというと、もともと 3 月のときも、それから 7 月のときも確

かに反対とは申し上げたんだけれども、利上げをする ことに反対とは言っていませ

ん。利上げの仕方に対して反対をしたということです。データをきち んと確認して、

あと一月待てば実績が出ましたねという、その確認をしてから上げるので十分良い

のではないかと。その方がマーケットプレーヤーも含めて、日 本銀行の政策変更に

対する憶測ばかりが先行してしまって、実態を示す経済データ、ファクトに対する

関心が衰えてしまうのは良くないということで申し上げたので、反対を申し上げた

というときとの心境の変化はない。その後、1 か月経ったら、経済は想定通りにな

りましたので、その段階だったら最初から反対しなかったということであります。

だから、心境の変化をしているわけではない。私の見通しに対して、オントラック

かといえば、自分としてはオントラックなので、ただ、そのオントラックが政策委

員平均見通しより低い。だから、レベルがちょっと違うっていうことではあります

が、心境の変化はないということであります。

(問)

広島県の経済についてお伺いをしたいんですけれども、今後、広島の経済が成長し

ていく上で、ポイントになることを具体的な業種などにも触れな がら、どういった

ご意見をお持ちなのか、お聞きしたいなと思います。

(答)

私としては、経済が成長をするということについては、憧れるような存在の中小企

業の成長であったり、スタートアップの成長であったりというようなことで、若い

人達が広島で働きたいというような企業がどんどん増えていく、そういうことが必

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要だと思います。それは、今、県や市で進めておられる政策でもありますし、それ

がきちっとつながるように、経済につながるように成果が早く出てくると良いなと

いうように思いますけども、そういうことが必要であろうと。今そのほか に、新し

いビジネスを創出する面では、都市 開発プロジェクトですかね、ああいうことで人

がどんどん流入をしてくるっていうようなことも期待が増えていますし、そういう

人が来る、そうするとお金も落ちる、すると経済が活性化する、活性化すると思え

ば若い人は大学を卒業したときに戻って来るかもしれない。というようなことで、

補助金によって、何とか事業を継続するというようなことではなくて、むしろ、経

済が魅力のある企業によってリードされ、それによって魅力度が高まり、そこで働

きたいというような人達が増える、こういうようなことを続けてい くことが大事で

はないかと。金融経済懇談会で他の都市に伺った ときに、当時参加された自治体の

方も、やはり補助金だけで人口流出は止められないというようなご意見もありまし

た。それを、内作化をすることによって、一つの企業が、少しずつ大きくなるとい

うことで成功を収めたという市もございましたので、地域創生の一つのモデルとし

て、そういう方向もあるのではないかなということを期待しています。痛みがある

かもしれませんけども、やはり小さい企業のままで、幾ら努力をしても、なかなか

賃金を上げ続けるというのは難しいので、少しずつでも大き くなることによって、

その余力を作るということが必要ではないかなと思います。

(注)会見では「1.2 倍」と発言しましたが、正しくは「2.2 倍」です。

以 上

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