CBWCENTRAL BANK WATCHEROFFICIAL COMMUNICATION MONITOR
← BACK TO LIVE WIRE
Bank of JapanPress conferenceJAPDF

高田審議委員記者会見(9月6日) [PDF 338KB]

SPEAKER記者会見(9月6日) [

PUBLISHED07/09/2023, 00:00:00
EVENT / LOCATIONNot stated
OFFICIAL DOCUMENTPDF VIEW
OPEN IN NEW TAB ↗

This browser cannot display the PDF here. Open the official document ↗

READ EXTRACTED TEXT SEARCHABLE / ACCESSIBLE VERSION

1

2023年9月7日

日本銀行

高田審議委員記者会見

――2023年9月6日(水)午後2時00分から約40分

於 下関市

(問)

今日の懇談会ではどんな意見が出されたのかと、それについての感想をお聞かせく

ださい。

二点目が山口県の金融経済情勢をどうみていらっしゃるのか。現状と見通しについ

てお聞かせください。以上二点、よろしくお願いします。

(答)

今日の金融経済懇談会でどんな話題が出たかということなんですけれども、行政や

経済、金融の各界を代表する方々から、山口県経済の現状、課題、それから産業振

興に向けた取り組みなど、いろんなご意見を頂きまして、私にとっても、非常に有

益かつ示唆に富むお話だったと思っています。また、日本銀行の政策運営について

もご意見を頂きまして、有意義だったと思っております。そういう意味では、ご指

摘頂きました多くの方々に改めて御礼を申し上げたいと思いますし、その辺につい

ていくつか整理して申し上げたいと思います。

まず、山口県の景気についてなんですけれども、全体としては持ち直しているとい

う主旨の話が多く聞かれております。やはり新型コロナウイルスに対する警戒感が

後退しておりますので、特に飲食や観光などのサービスっていうんでしょうか、こ

の需要が回復しているという点は、一様にあったということだと思います。ただ、

原材料や光熱費といったコスト高の影響を懸念する声は、やはり根強くて、価格転

嫁に対する手応えは多少出てきてはいるんですけれども、やはりなかなか価格転嫁

の状況、特に中堅中小になるほど、厳しいという感じ、ばらつきが大きいなという

ところかと思います。企業収益を転嫁によってそれなりに下支えしてきているとい

うものがあるにしても、やはりまだまだその辺のところは、実情は厳しいという感

じを、私も改めて受けたというふうに思っています。その中で、一番大きな議論と

しては、労働需給が非常にタイトだ、人手不足だっていう点ですね。山口県の場合、

全国と比較しても、例えば有効求人倍率も、労働需給がタイトであるんですけれど

も、やはり現地の企業の方々が、成長を続けるうえでも人手不足がボトルネックと

なるということを懸念しているという声が多く聞かれました。そんな背景もありま

して、この春、春闘での賃金引き上げについても伺ったわけでもありますけども、

やはり人材を確保するための様々な取り組みというところに課題があるなと、非常

に多くの方々が様々なかたちでの取り組みのご苦労をしていらっしゃるというのを

改めて感じました。

それから、懇談会のところでも申し上げた部分でもあるんですけれども、地域経済

2

に大きな影響を及ぼしたものとして、国内における設備投資、それからコスト削減

に向けた、バブル崩壊以降の企業行動の消極化というんでしょうか、それから、人

口減少を指摘する声っていうのはやはり大きかったなというふうに思います。この

点は、今回私の方でも金融政策関連で多角的レビューに関してのご意見を頂いたわ

けなんですけれども、こういう中でも、その辺のところがやはり大きな議論として

あったというふうに思いますし、中でもこの多角的レビューという中では、過去 25

年間に実施してきた様々な政策というのが、景気を下支えするうえで一定の効果が

あったという、全体として評価できるということでのご意見を頂いたわけでありま

す。一方で、この 10 年間、大規模な金融緩和の中での、特に金融機関収益のところ

に対する下押しというんでしょうか、それからそういう環境もありましたから、非

常に多様化をしていくというようなことでのご意見を頂いたということであります。

一方で、企業の方としてみると、やはり金融緩和の中での企業センチメントの改善

や国内回帰の動きが出てきたということ、その辺は、一つプラスの面が大きいのか

なというふうに思います。いずれにしても、こうしたご意見を伺いながら、引き続

き多角的レビューの作業をわれわれとしても進めていきたいなというふうに思った

次第です。

それから、山口県の経済についての現状認識、それから今後の動向ということでも

あるんですけれども、先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、持ち直して

いるのは間違いないと思います。特に、個人消費については、物価の上昇を受けつ

つも、サービス関連を中心にやはりそれなりにマインドの改善、それからペントア

ップ需要の顕現化というようなものも出てきておりますので、底堅さが出ていると

いうことだと思います。それから、設備投資については、企業収益が高水準である

ということもありますので、そういう中で脱炭素化ですとか、成長分野に関する投

資などを中心に緩やかながらも増加しているということ、また、労働需給、これは

人手不足という厳しい部分はあるんですけれども、そんな部分もあるもんですから、

やはり賃金も改善している部分があります。そうした状況の中で、先行きも山口県

の景気は持ち直しを続けると私もみておるんですけれども、山口県の場合、製造業

の占めるウエイトが結構高いということでもありますので、主力の化学は、特に海

外経済の回復ペースの鈍化が一部のところで現実にみられているということもござ

いますので、こうしたところに対しての懸念があります。それから、物価上昇によ

る消費者の生活防衛的な意識もあるものですから、そういう意味では、リスク要因

というところに注意が必要なのかなと、そんなふうにみているということでござい

ます。

(問)

講演の中で、物価目標の達成に向けた芽が出てきたりと、対してまだそこには距離

があるというお話でした。そこの部分の距離についてお伺いしたいんですけれども、

物価目標を達成したと判断できる時期ですね、判断し得る時期というんですかね、

それについて、どれくらいの時期をみていらっしゃるのかと。例えば、春闘がみえ

てくる来年の 1 月から 3 月という声もありますけども、その辺り、おっしゃる距離

っていうのがどの程度あるのかというのをお伺いしたいのが一つ。

もう一つは為替についてなんですけども、足元ではちょっとまた円安が進んでいて

3

ですね、水準について言及されることはないとは思いますけども、それがちゃんと

ファンダメンタルズを反映したものであるというふうに考えていらっしゃるのか、

その辺りの評価も併せてお伺いできればと思います。

(答)

物価目標のところの芽ということに関しては、いろんな見方があると思うんですけ

れども、私自身は、今日の講演の中において、三つのステージみたいなかたちで申

し上げました。一つは、ビッグ・プッシュという言い方を申し上げたんですけれど

も、一つは去年から、原材料、海外を主因にという状況の中で、こちらが上がって

きたというコストプッシュという部分があるということ。それから、今年、特に今

年度、この春以降といった方が良いと思うんですけれども、賃金上昇、特にこの春

の春闘から、ある程度、サービス価格のところに少し変動が出てきたというところ

が、第二段階なのかなと。ただ、問題はやはり、持続性っていう点だと思うんです。

そういう意味からすると、ちょうど三段階、三つのステージと申し上げているんで

すけれども、やはり予想物価上昇率が持続的に上がっていくかどうかというところ、

この段階については、やはりまだ課題が残るなということなんだと思います。そう

いう意味からすると、やはりまだ距離があるというふうに私は判断しているという、

そういうかたちでこちらの懇談会でも申し上げています。今のご指摘の中で、どう

いう時期なのかと、どういう判断なのかということになるんですけれども、なかな

かこの予想物価上昇率のところの持続性っていうのは、これは結構難しい議論だと

私は思っています。ただ、予想物価上昇に影響を与えるというところは、やはり賃

金上昇っていう部分が大きいというふうに私はみてます。そういう意味からすると、

先ほどの二段階目のところも賃金上昇ということがきっかけだったわけですけれど

も、やはり相応の持続性っていうようなこと、また、逆に戻らないというようなこ

とも含めた持続性ということを考えると、やはりその賃金環境のところ、もしくは

場合によってはそれを巡る企業環境というか、そういうところ辺りがやはり重要に

なってくるということなんだと思います。そうすると、時期はどうかっていうこと

になるんですけれども、私は特定の、例えば、何月から何月っていう時期にという

議論ではないと思います。ただ、一つ言えるのは、これからこの 1 年間でしょうか、

そういう意味では、よくみておかなければいけない時期なのかなと。すなわち、先

ほど申し上げました三つの段階の中での、ある程度、第一段階、第二段階のところ

は変化が出てきたけれども、本当に第三段階のところの持続性ができるかどうかと

いうのを見極めるにはこれからの 1 年間というのがやはり重要になってくるだろう

し、とりわけ、来年の春闘のところ辺りをベースに、どうでしょう、この半年間と

いうところはよくみておかなければいけない時期なんじゃないかなというふうには

思っています。そこには、まだまだ今日の先ほどの懇談会での議論でも、不確実性

は大きいかなというふうには認識しています。

それから為替についてですけども、ご承知の通り、水準についてはわれわれ全く申

し上げることはないということかと思います。それから、ファンダメンタルズが何

かっていうこと自体も、為替においての理論的にも何が影響を与えているのかって

いうところに関しては、これがっていうのもなかなかない、様々な要因が絡んでい

るということになると思います。そういう意味からすると、今の状況というところ

は、やはり私は海外から、特にアメリカでの景気が非常に強いなと、思ったよりも

4

強いなというようなところが、影響を及ぼしている部分が大きいのかなとは思いま

す。ファンダメンタルズというところで申し上げると、どれがというところに関し

ては、為替の場合なかなか難しいなっていうのをかねがね感じているというふうに

私は思っています。

(問)

高田審議委員は講演の中で、経済・物価情勢に応じて、不確実性に対応した機動的

な対応をとることも考えられるというようなお話をされてました。先ほど、1~3 月

というお話がありましたけれども、例えば年末の段階でも、例えば海外経済が想定

より強いですとか、あるいは企業経営者の方から持続的な賃金上昇に向けた前向き

なメッセージが目立つようになるとか、そういったことがあれば、年内でも政策修

正の可能性があるっていうふうにお考えでしょうかというのが一点目です。

二つ目は中国経済なんですけれども、足元で減速感が強まっていたり、不動産大手

の債務危機など問題が出ているんですけども、この一連の問題の日本経済への影響

ですとか、日銀の金融政策運営への影響についてどうお考えかをお聞かせください。

とりわけ、海外経済の帰趨というのは、企業マインドとか賃上げの動向にも影響す

るかなと思いますので、この点も含めてよろしくお願い致します。

(答)

不確実性で機動的というようなご指摘で、私もこちらの今回の挨拶要旨の中にもそ

ういうことも申し上げているんですけれども、基本的に私自身、念頭に置いていま

すのは、金融政策におけるリスクマネジメントっていう観点だと思うんです。そう

いう意味からすると、当然のことながら、様々なリスクに対応したやり方をこれか

ら考えていくということが、やはり必要になってくると思いますので、そういう意

味から常に、様々な選択肢の中での対応というのはあると思います。例えば、7 月

の時にYCCの弾力化を行ったわけでありますけども、これもある面で言えばリス

ク管理ということだと思います。そういう意味では、これから場合によっては、物

価の上振れみたいなことがあるリスクがあって、例えば予想物価上昇率が上がりや

すいというような状況の中で、備えをしておくというようなかたちで今回 7 月の対

応を行ったということだと思います。それは場合によっては逆に下振れの場合もあ

り得るわけなんですけれども、そういう意味での選択の幅を広げるために今回の対

応を行ったということでもあるんですけれども。当然のことながら、そういうこと

というのは、今後についても常に考えておかなければいけない論点であるというふ

うには思ってます。ですから、そういう中で言えば、時期をいつに限定するという

ようなことにはなかなか、一般的に申し上げにくいということだと思うんです。で

すから、常にこの金融政策ということからすれば、上振れも下振れも当然起こり得

るということなわけでありますから、そういう状況に応じて毎回毎回の決定会合の

段階で対応していくというかたちをとっていきたいなというふうに思っている次第

であります。

それに関連するということになりますと、例えば、二番目のご質問のところで、中

国経済にといったことがあったんですけれども、海外経済の状況ということですと、

なかなかわれわれも、データ、もしくは情報というものがどのくらいあるのかとい

5

った点はあろうかと思いますけれども、ただ、いろんなハードデータをみる限り、

中国経済で最近やや下振れている、特に不動産関係のところ辺りで、市場の関係者

もやはり不安視している部分というのもあるというところは確かなのかなというふ

うに思っています。一方で、日本銀行の金融政策に対する影響ということを考えた

場合には、常に世界経済は動いているわけでありますから、過去をみても、大きな

変動があってそれが日本経済に影響があったということもこの10年、20年を振り返

りますと当然あったわけであります。そういう中の一環として、それだけの世界的

な規模での影響を及ぼすのかどうかというところの広がりがどうかというところを

見極めるということなんだろうと思うんです。そういう意味からすると、まだそこ

までの状況というふうに私は感じておりません。ただし、常に過去あった教訓から

も海外経済のところですから、今回もこの懇談会の中でもですね、やはり一つのリ

スクケースとすると、海外経済のところの変調が日本経済にも及ぼすことにはかな

り注目しておかなければいけないなと思っております。一方で、それが今回ご指摘

頂いた中国の経済なのかどうかというところに関しては、世界全体の中での波及度

合い、それから金融システム全体であったりとかそういうものをよく見極めながら

判断していかないといけないところなのかなというふうに思っています。

(問)

一点目が、先ほど春闘をベースに今後の半年間というのをよくみていかなければな

らないというお話があったと思うんですけれども、金融政策決定会合後のステート

メントでも、2%の物価目標が見通せる状況に至っていないので緩和を続けるってい

うご説明をされていらっしゃると思いますが、この物価目標の達成が見通せるタイ

ミングになったら、これはもう、かなりすぐに引き締め的な対応に動くべきだとい

うふうにお考えでしょうか。オーバーシュート型コミットメントなどの関係もある

と思いますけれども、このタイミングについてまず一点目教えてください。

二点目が、債券市場の機能度の話なんですけれども、8 月の債券市場サーベイでも

機能度のDIは少し改善していると思うんですけれども、依然低水準での推移が続

いていると思います。委員ご自身、足元の市場の機能度をどのようにご判断されて

いらっしゃるのか、7 月の政策修正で、どの程度機能度が改善されたというふうに

お考えなのか、この点を教えてください。

(答)

先ほど頂いたご質問ともちょっと、前半部分は重なるところがあると思うんですけ

れども、物価目標のところに関しては先ほど申し上げたように、三つの段階という

ふうに申し上げました。非常に重要な段階としての物価予想の期待がやはりまだ、

確実にというか、自信を持ってというようなところになってないので、まだ達して

ないっていうような言い方を、われわれもしているし、実際そういうふうに思って

います。そういう中で、それが達成した場合にはどうかっていうような状況につい

ては、私はその場合の中でまたもう一回判断が必要になってくるんじゃないかなと

いうふうに思います。達成したかどうかっていうこと自体の判断もなかなか不確実

性があるといいましょうか、先ほど申し上げたように、また元に戻らない持続性が

どこまであるのかっていうようなところの、特に三段階目のところというのは、そ

の判断が非常に難しい状況でもあると思うんです。ですから、その判断っていうの

6

は、あまり機械的にどうできるかっていうところにはなりづらいし、それから、加

えて、先ほど、前のご質問の中にあったような、海外経済とも関係ありますから、

その方向性が、やはり非常に不確実性がそこでも強いということになった場合には、

そう機械的に対応できるっていうわけではないと思っています。それも含めて、毎

回毎回の決定会合毎での判断が必要になってくるのかなというふうには私自身は思

っているところであります。まだ、そんなにすぐに切迫化した状況っていうところ

でもないですから、そこまでの判断に至るところまでにはステップがいくつかある

かなという、そんな意識を私自身持っております。

それから、二番目のご指摘のところで、機能度というところなんですけれども、今

月に発表された機能度[判断DI]っていうところでみると、確かに若干改善はして

います。ただ、改善はしたけれども、やはり機能度に関してはまだ低いなっていう

のが多分普通の見方ではないかなと私は思います。その背景にあったところを考え

てみますと、私はもうちょっと改善するかなという意識もあったんですけれども、

多分、市場の関係者の方々も、ちょうどアンケートが行われた時期というのが、今

回の修正の直後だったものですから、非常にまだボラティリティ自体が高まってい

たっていう部分があると思います。そういう意味からすると、まだその辺のところ

での売買の動向等も含めた、安定性っていうものがなかなかできていなかったとい

う部分もあったりして、そういう意味からすると見極めに時間がかかっている部分

はあるんじゃないかなと思います。ただ、このYCCっていうものの一つの副作用

として、どうしても機能度のところっていうのは、制約があるというのは実際の状

況だと私は思っています。そういう意味では、今後についても、この機能度のとこ

ろをよく見極めていくということは必要だろうと思っていますし、また、次回も常

にモニタリングをいろんなかたちで行っているんですけれども、そうした中での、

機能度の評価っていうんでしょうか、こういうものは必要なんじゃないかなという

ふうには思っているところであります。

(問)

先ほどあった機能度のところなんですが、今回の講演でも、講演内容の中で副作用

に留意して政策運営を行うっていうかたちでご指摘されています。機能度を引き続

き十分注意深くみていかなきゃいけないとあったんですけれども、ちょっと抽象的

で恐縮なんですが、副作用、これ 10 年続いてですね、だんだんだんだん蓄積してい

ると思うんですが、副作用っていうのを現時点、今どういうふうに評価されている

のか、これが一つ目です。

物価の動向について、7 月の展望レポートで、中央値、だいぶ引き上がりましたけ

れども、7 月の段階から今に至るまでに、また先ほど上振れ下振れっていうお話が

ありましたが、今後その物価の動向、変化、上振れしそうなのか、それとも今のと

ころ今の見立てで特に変わりがないのか、その物価動向の先行きをどういうふうに

みていらっしゃるのか、お願いします。

(答)

機能度というところについては、先ほど頂いたご質問とも重なっていますけれども、

それなりに改善があったと思っているんです。ただ、思ったよりもという部分はも

7

ちろんありましたし、それから本源的な副作用っていいましょうか、どうしても、

イールドカーブ・コントロールを行っている中では、副作用が生じてしまう。それ

は、今回の中のいろんな議論でも行われましたけれども、一つについては、いろん

な市場の中での売買のところが、もしくは、ビット・アスク[・スプレッド]であっ

たりとか、市場の板という部分もあります。それから金融機関のところの収益の問

題等もあるでしょう。あとは、例えば、急な上昇の時にはなかなか売買が行われに

くい、もしくは社債市場のところに影響があることもありました。ただある程度、

その辺については戻ってきたところも出てきてはいるんですけれども、常にやはり

目配りをしていかなければいけないところであるのは間違いないというふうに思っ

ています。今後も、当然こういうオペレーションを行っていく中では、そうした副

作用というんでしょうか、目配りをしていくということは、みておかなければいけ

ないというところだと私は思っています。

それから、物価の動向ですけれども、これは、それぞれの[政策委員の]見方がある

ので、実際どうなっているのかというところは、なかなか、今の段階で先行きをど

う判断するのか、ある面でいえば、この先行きの判断っていうのは、展望レポート

でも示されておりますので、私自身もそれをどのように置きながら対応していこう

かなというふうには思っているところです。これは委員の中でも様々な議論がある

とは思っていますけれども、私の実感といいましょうか、見方とすると、若干、ま

だ上振れのリスクっていうのはあるのかなというのは思っていますので、そんな観

点からみていきたいと思います。また、そういう中で、今後も、展望レポート等で、

数字を私なりに置きながら示していきたいなというふうには思っています。先ほど

の見方というところでいえば、先ほどその前の何人かの方々とも重なってしまうん

ですけれども、三つの段階でというふうに申し上げました。その中で、一つ目二つ

目のところの影響が出てきてはいるけれども、三番目のところの、期待を伴った持

続的なというところがやはり問題なので、そこのところは、ある程度上昇というふ

うには思っている部分はありますけれども、まだまだ不確実性が大きいというのが、

実際のところなんじゃないかと思っています。そういう意味では、単なる方向性も

しくは予測っていうことに加えて、幅というんでしょうか、確度というんでしょう

か、その辺のところを本当は併せてみておかないといけないし、われわれもそうい

う意識で対応していかなければいけないなというふうに感じています。

(問)

今日、午前中も 1 ドル 147 円後半ということで、円安が進み続けているということ

について率直な受け止めと、金融政策を変更したのにも関わらず円安が止まらない

というこの現実についてどう受け止めていらっしゃるか、これを受けて今後対応と

か考えていらっしゃるか、その点をお伺いします。

(答)

為替については、特定の水準のところでわれわれ評価をどうするということは全く

考えていないので、その辺についてはそういうご理解をして頂ければというふうに

思います。それから、金融政策を変更したから為替のところがというご意見だった

んですけれども、為替のところっていうのは私も長年みていますけれども、非常に

大きな要因が、というか様々な要因が大きいと思っていますし、それから日本のと

8

いうよりは、海外のところの要因が、これまでもそうだったし、今もやはり大きい

のかなというふうに思っています。そういう観点からすると、今、金融政策をとい

うふうにおっしゃられたけれども、そこのところだけでというような状況ではもち

ろんないし、様々な影響がある、特に海外からの影響というものは大きいなという

のを私も過去からの感じで持っているという次第であります。

(問)

為替のボラティリティのところについてなんですが、7 月の柔軟化した時に、金融

市場のボラティリティに前もって対応するというのが一つの要素であったと思うん

ですけれども、日銀としてはもうそのボラティリティについてはある程度もう対応

した、為替のボラティリティも含めてある程度もう対応したというご理解でしょう

か。

あともう一つ、マイナス金利を解除できる条件についてお聞かせください。という

のも安定的・持続的な物価が見通せる段階で解除できるものなのか、それとももっ

とその後の景気・物価を抑制的にするという段階で解除できるものなのか、高田さ

んのご意見をお願いします。

(答)

ボラティリティという観点で申し上げると、特にこのYCCの関係の中で言います

と、いろんな市場にボラティリティを高めてしまうリスクがあるということもあり

まして、7 月の段階で弾力化を行ったということでもあります。そういう意味では、

様々な市場のところに対応してきており、もちろん為替のところも市場の中の一つ

ということだと思っています。

それから、マイナス金利というところになりますと、政策金利ということでもあり

ますから、そういう観点からしますと、単なるリスク管理上のところということで

言いますと、ある程度物価を抑制的にというか、物価が上振れするということの可

能性が高いというような状況の中で対応するということだと思っています。そうい

う意味からすると、それなりにまだ距離があるのかなという認識は持っていますけ

れども、今申し上げたような段階のところでいうと、ちょっとYCCの議論とは違

うのかなとそんなふうには思ってます。

(問)

今日は地方懇談会ということで、冒頭、高田委員の方から、人材確保とかそういう

意見が出たという話でしたが、最も印象に残った意見交換の中で、今後、金融政策

のうえとか、そういう地方の声が最もあったところのお話と、それから今日は要望

を聞く場ではないとは思うんですが、地方の方からこうしてもらいたいとか、こう

やってやられた方がいいんじゃないかと、そういうご意見がどういったかたちで出

たのか、あったらお聞かせください。

(答)

今日は様々なご意見を頂いたということなんですけれども、私が印象に残ったとい

うところで言うと、やはり人手不足というのが結構厳しいなというところです。特

9

に、なかなか人を集めるのに難しいというようなご意見が結構強い。これは様々な

業種の中で共通にみられたお話かなというふうに思いました。そういうことをどう

いうかたちでこれから対応していったらいいのかというところ。要望のところ、こ

れは金融政策でというところではないのかもしれませんけれども、この人手不足に

対応して、どういう対応策が起こり得るのか、単に日本だけの問題なのか、海外か

らのところも含めた動きみたいなものも必要なのか、そういったようなところも含

めたお考えととらえています。それから、要望という点について申し上げれば、こ

ちらの地域、素材産業等も多い中で、脱炭素、カーボンニュートラルも多いわけで

す。そういう点からすると、こうした点に、これも金融政策という意味だけではな

いと思うんですけれども、どういうふうに取り組んでいくのかというところ辺りは、

行政も含めて、要望といいましょうか、課題があるというお声が多かったなと感じ

ました。

(問)

先ほどもちらっと触れられていましたけど、山口県はCO2の排出量の多い石油化

学産業が高いウエイトを占めているんですけど、ここにきて、周南とか宇部のエリ

アでだいぶそれについての脱炭素に向けた取り組みが動き始めているんですけれど、

こうした山口のコンビナート企業のこうした脱炭素に向けての取り組みについては

どうお考えでしょうか。

(答)

この問題というのは別に山口だけに限らず、日本全体というか、世界全体でという

ことなんだと思うんです。特に、山口県の場合には、瀬戸内海沿岸を中心に、生産

過程の段階でこのCO2排出量が多い産業が多いというのがあると思うので、当然

のことながら、脱炭素化に向けた対応が重要になってきているということだと思い

ます。山口県の場合、今年春公表した「地球温暖化対策実行計画」の中で、30 年度

までに温室効果ガス削減計画を改定前、確か-17.8%でしたか、それから-35.1%

に引き上げているということがあるわけです。特に、周南地域のコンビナート企業

群の方は関係諸団体と連携して、この懇談会の中でも議論したんですけど、燃やし

てもCO2を排出しないアンモニアを中心とした発電燃料、これを石炭に替えてと

いうこともやっていますし、また、石油化学の原料でナフサでなくバイオミクスを

利用することも入れていますので、そういう意味での構想が既に公表されていると

いうことで、こうした中で、先ほどの要望という点もありましたけれども、こうし

たところを行政を挙げて対応していく、また、それを含めて、新しい産業の育成に

という期待が強いと感じました。

(問)

補足の質問なんですけれども、機動的な対応について、どういった具体的なことを

おっしゃられるか。上振れの機動的対応なのか、物価の下振れの対応なのか、どち

らなのか。

(答)

機動的な対応ということで申し上げたのは、先ほどのリスク管理、リスクマネジメ

ント的な対応ということでも申し上げたところです。今回、7 月におけるYCCの

10

弾力化というのも、弾力化することによってある程度、例えば、上振れする場合、

期待物価上昇率が急に上がってしまうといった場合、それを止めようとすると、ど

うしても副作用が大きくなってしまうという点もありますので、それをしないため

にも事前にというか、前もって対応する予防的にというような対応、という意味で

の機動的なということです。それから一方で、下振れに対してもあり得るわけです。

それは先ほど、議論の中にもありましたけれども、海外経済も過去をみると、そろ

そろといった中で、海外経済のところがというので、なかなか道半ばでということ

も結構あったわけです。そうしますと、そういうものに対応した機動的な[対応]と

いうことができるようにということも含めて、今回の対応を行っているということ

でもあります。そういう意味からすると、それなりに変化の良い兆しの芽も出てき

たというところではありますけれども、やはり、不確実性というものを考えながら

の機動的な対応が取れるように、また、それを既に準備した対応というものが、今

回の 7 月の対応であったというふうに理解しています。当然のことながら、毎回毎

回の決定会合においては、そういう姿勢で臨む必要があるのかなというふうに考え

ているということです。

以 上

VIEW ORIGINAL OFFICIAL SOURCE ↗DOWNLOAD OFFICIAL PDF ↓