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2018年2月 9 日
日 本 銀 行
鈴 木 審 議 委 員 記 者 会 見 要 旨
―― 2018年2月8日(木)
午後2時から約30分
於 和歌山市
(問) 2点伺います。まず 1点目は、本日の懇談会で寄せられた話に対する
印象や感想をお聞かせ下さい。2点目は、和歌山県の景気の現状と先行きにつ
いてのご見解をお聞かせ下さい。
(答) 本日の懇談会では、和歌山県の行政、経済界、金融界を代表する方々
から当地の経済、金融の現状と課題についてのお話、あるいは日本銀行の金融
政策運営に関する率直なご意見、ご要望を数多く頂きまして、大変有意義な会
合となりました。この場をお借りしまして、皆様に改めて御礼申し上げたいと
思います。席上では多岐にわたるお話を伺いましたので、私なりに3 つに整理
して印象・感想を申し上げます。
第1に、当地の景気については、緩やかに持ち直しているといったご
意見を伺いました。県内製造業における付加価値額は、主力産業の化学、 鉄鋼、
機械で7 割程を占めていると思いますが、これらの生産が堅調であるとのお話
があり、 それから世界遺産あるいは温泉を目的とした外国人観光客が増加して
いるとのお話を伺いました。一方で、人口減少に伴う人手不足の深刻化や市場
の縮小、そして中小企業を巡る経営環境の厳しさといったことについても多く
のご意見がありました。こうして伺いましたご意見を踏まえつつ、 経済・物価・
金融情勢をしっかりと点検していきたいと改めて確認致しました。
第2に、観光振興、農産物輸出の促進、市街地の再開発、官民連携と
いった地域活性化に向けた取り組みの進展について多くのお話を伺いました。
「京奈和自動車道」の県内全線開通をはじめとする道路網の整備や、それに伴
う企業立地の増加についてのお話も伺いました。これらは、和歌山県経済の活
性化と同時に、日本経済の成長力強化に繋がる話ですので、今後の進展に期待
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しています。
最後に、日本銀行の政策運営については、2%の「物価安定の目標」
の実現に向けて粘り強く金融緩和政策を進めて ほしいといった声を伺いまし
た。また、地域活性化に資する企業の取り組みに資金が行き渡るように後押し
してほしいといったご要望も頂きました。日本銀行としては、こうしたご意見
も踏まえつつ、 適切な政策運営を行っていく方針であることを申し上げました。
次に、和歌山県の景気は、現在、緩やかに回復をしているとみられま
す。鉱工業生産は、主力産業であります化学や鉄鋼を中心に増加基調にありま
す。そのもとで、労働需給が改善を続けるとともに雇用者数は増加し、雇用者
所得も緩やかに増加しています。このような雇用・所得環境の改善を背景に、
個人消費は底堅く推移しています。この間、公共投資や住宅投資は減少傾向に
ありますが、観光需要は外国人観光客の増加等を背景に好調です。
先行きについても、緩やかな回復を続けるだろうとみています。この
点、本日の懇談会で申し上げた内容と重複する部分もありますが、特徴的な動
きを2点申し上げます。1 点目は、 「水の国、わかやま。 」をキーワードとする
世界遺産ブランドを活用したキャンペーンなど、 官民を挙げた取り組みが奏功
するもとで、外国人観光客が大幅に増加していることです。今後も、アジア諸
国でお金持ちになった方々の海外旅行の増加が見込まれることから、 豊富な観
光資源を活かした外国人観光客の獲得は有望であろうと思います。 このような
取り組みによって、人口減少がもたらす内需への下押し圧力は緩和されて、県
内景気の足取りは一段としっかりしたものになっていくと考えられます。2 点
目は、 中長期的な成長力の強化に向けた取り組みが着実に進んでいることです。
昨年は和歌山県「長期総合計画」が策定されて、10 年後の将来像とそれに向
けた施策が示されました。こうした取り組みは、持続的な成長の実現に資する
だけではなく、企業・家計の将来見通しを明るくし、支出スタンスをより前向
きなものとすることから、和歌山県経済の活性化に有効ではないかと考えられ
ます。
日本銀行としましては、和歌山県の金融経済情勢について、大阪支店
を通じて今後もきめ細かくモニタリングを続け、 中央銀行の立場から経済の持
続的な成長の実現や金融システムの安定性の確保を図りながら、 関係者の皆様
のご努力がより大きな成果に 繋がっていくようサポートを継続させて頂きた
いと考えています。
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(問) 2 点伺います。1 つ目は、本日の挨拶でも言及していらっしゃいまし
たが、先週末からの米国発の市場激変については、どういうふうに分析してい
らっしゃるのか、今後、物価のモメンタムに影響を及ぼし得るのかどうか、現
時点での分析を教えて下さい。2 つ目は、今後の政策対応についてですが、現
時点で、 物価のモメンタムは維持されているということだと思うのですけれど
も、仮に物価上昇のモメンタムもやや危ういとなってきた時、今ボードの中で
は片岡委員が先取りして色々提案していらっしゃいますが、 そういう非常に危
機的な状況では、 鈴木委員としてはどういう政策対応が現時点では望ましいと
考えておられるのか、お聞かせ下さい。
(答) まずは、日本銀行の審議委員として、日々の株価の動き、水準につい
て、具体的にコメントすることは差し控えさせて頂きます。そのうえで、皆様
もご案内の通り、株価は短期的には様々な要因で変動しているものであり、こ
こ数日のわが国の株価の下落は、市場では、米国等の株価下落につられている
といったような指摘もあるようですが、 わが国および欧米では良好な実体経済
を背景に企業収益が業種の拡がりを伴いつつ改善してきていますし、 先行き増
益基調が見込まれる状況であろうと思います。このように、企業収益の見通し
や経済のファンダメンタルズは、内外ともにしっかりとしていますので、足許
の株価動向によって色々なモメンタムとい ったものが影響を受けることはな
いのではないかと思っています。
更にもう少し付け加えて申し上げると、 「過度の期待の強気化」では
ないかという見方もあり ますけれども、市場参加者の中には今年でちょうど
10 年となるリーマン・ショックの痛みを経験している方も多いので、全体と
してそうしたリスクがないかを警戒する気持ちがいつもある中にあって、 やや
一方向に続いた楽観から少し悲観という形 へセンチメントが変化したことに
伴い、今回の株価変動が生じたということであって、経済のファンダメンタル
ズが変調を来しているということではないのではないかと考えていますので、
日本銀行の金融政策に対しての影響というのはあまりないのではないかと考
えています。
それから、 今後、 何かあった場合の追加緩和云々ということに関して、
他の委員のご意見やお考えは「主な意見」あるいは「議事要旨」に具体的に出
ていますので、 それ以上にコメントすることは差し控えさせて頂きたいと思い
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ます。一般論としては、追加緩和の必要性という点では、わが国で2%の「物
価安定の目標」に向けたモメンタムは引き続き維持されており、そして、足許
進みつつある景気拡大とも相俟って、 物価上昇の動きが今後強化されていくた
めの環境は整いつつあると考えています。ご案内の通り、一昨年9 月の「長短
金利操作付き量的・質的金融緩和」導入時には、生鮮食品を除く消費者物価は
マイナス 0.5%ぐらいでしたが、足許では、途半ばとは言え 0.9%と、17 か月
連続で横ばいないし改善が続いています。こうした中、企業における賃上げあ
るいは値上げの動きも今後拡がっていく可能性が高まってきていると考えて
いますので、今は、それを見守っていく段階ではないかと考えています。従っ
て、現状の強力な金融緩和政策を、引き続き粘り強く継続していくことが重要
ですので、現段階においては、追加緩和の必要性はないと考えています。
(問) 現状、日本の物価に関してなのですけれども、コアが 0.9%でコアコ
アが 0.3%で、2%の物価目標にはまだ結構時間がかかると思うのですけれど
も、委員も講演の中で述べられていた累積的な影響、現状の金融緩和が相当続
くということになると累積的な効果も積み上がると思うのですけれど、 そのコ
ストとベネフィットで考えて、2%の目標の達成前であっても、現状の政策の
歪みというか弊害が大きい場合には見直すことも考えられるということでよ
ろしいでしょうか。
(答) まず、一昨年 9月の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」導入の
際に、生鮮食品を除く消費者物価の対前年比が安定的に 2%を超えるまでマネ
タリーベースの拡大方針を継続すると申し上げていまして、 強力な金融緩和を
粘り強く続けていく、この大きな方針は全く変わっていません。次に、それと
同時に、経済・物価・金融情勢を踏まえて、総合的な判断によって必要な政策
の調整を行うことが言われています。メディアの方々が、例えば「微修正」の
ような言葉を使われたりすることがあるかと思いますが、その微修正というの
は、 強力な金融緩和を粘り強く続けていくという大方針の中において微修正が
あり得るということであって、 大きな方針転換であるとか出口に向かうという
ことでは全くないのではないかと私は考えています。
そうした中で、経済・物価・金融情勢の現状をみますと、経済は改め
て中身を申し上げるまでもなく、 日本経済は非常に順調に拡大してきていると
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ころです。物価については先程も申し上げたように、17 か月連続で横ばいな
いし改善ということですが、 除く生鮮食品で 0.9%、コアコアでは 0.3%と 0%
台前半ということですので、 ここについては粘り強く緩和政策を続けて何とか
目標達成に向かっていこうと考えています。 金融情勢については色々な観点か
ら見ていく必要があるだろうと思いますが、イールドカーブが実体経済にどの
ように作用しているのか、歪みを生んでいないか、例えば金融機関における保
有有価証券利回りや貸出金利の低下に伴う収益の影響に加えて、 社債金利の低
下に伴う企業と投資家との間の資金フローへの影響、保険・年金の資産運用面
での影響、こういったところに注意を払っていく必要があります。
それから、金融機関は、大手および地域金融機関ともに収益の中心は
やはり資金収益にあり、 これが金利自体の低下および利ざやの縮小によって減
少しているわけですが、 現時点においては、 金融機関は磐石な財務基盤を有し、
流動性等についてもストレス耐性を有していますので、 金融システムあるいは
金融仲介機能に支障が出ていることはないと私どもは分析しています。 金融緩
和が非常に長期化する中では、 そうした影響というのは累積的に溜まっていく
ということですから、先々それが問題になってくるという可能性はあるわけで
す。将来的には調整することは十分に有り得るだろうと考えていますが、ご案
内の通りそうした意見はまだ一部に止まっているのではないかと思います。
(問) 2 点お伺いします。ファンダメンタルズは、現在、日本経済、米国を
含む世界経済ともしっかりしているという話だったのですが、リーマン・ショ
ックの時も、市場が動き始めた最初の時にはファンダメンタルズはしっかりし
ているという話があったと思うのですけれども、今回は当時と同様の点がある
のか、それとも今回は当時とは全然違う状況なのか、その辺りのご認識をお伺
いしたいのが 1 点目です。2 点目は、先程の金融機関に対する影響の部分なの
ですが、累積的な影響が現時点ではないということなのですけれども、それが
表面化してくるタイミングというのは、既にこれだけ緩和が長期化している中
で、メガバンクでの勤務経験がおありになる委員からみて、いつ、どのような
状況においてか、といったことについて何か想定されるものがあれば教えて下
さい。
(答) 現時点とリーマン・ショックの時点とを詳細に様々な観点で比較した
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形で申し上げられるだけの十分な材料はないのですが、例えばリーマン・ショ
ックの前には、証券化商品について、米国発で作られたものが全世界の金融機
関、特に欧州の金融機関等に非常に多く保有されるとか、あるいは証券化商品
を再証券化するとか、過度な金融の拡がりということがありました。また、い
わゆるハイイールド市場では、コベナンツがあまり付されていない取引が――
コベナンツ・ライトなどといわれていましたが――増えたとか、スプレッドが
非常に低下していたりしました。そうした観点からみると、本日の挨拶要旨の
中でハイイールド債のスプレッドがリーマン・ショック前に近づいているとい
ったようなことは申し上げましたけれども、 個別に色々な点を比較していくと、
リーマン・ショック直前のような状況にはまだ至ってはいないだろうと思われ
ます。日本の株価はだいぶ上がってきましたが、PER等で過去のピークと比
べれば企業収益に基づいた足取りの堅い動きであると考えています。
次に、 資金収益を主食のような形としている金融機関にとって累積的
な影響がどの時点でどうなるかというご質問については、 私どもが各金融機関
からお話を伺いつつ、それがどのような形で現れるのか、判断は非常に難しい
なかではありますが、注視していく必要があるだろうと思います。ただし、将
来どこかで、ということの前提において、例えば最近の最終利益は相応の水準
を得られていても、その背景として、与信費用が非常に安定的あるいは戻り益
がある状況であったり、また債券での含み益や株式関係等で益がある等といっ
たものであれば、ここ数日にみられたような大きな市場の変動によって利益が
減少する可能性もありますので、前提条件の変化がある場合にはそういったも
のの顕現化が近づく可能性があるということですから、こうした状況を注意深
くみていくことも中央銀行としての役割だと思っています。
(問) 本日の会見のここまでのお話を伺って、改めて経済・物価情勢の改善
が今後も続くと見込まれる場合には、金利水準の調整を検討することが必要に
なる可能性もあるというお考えでよろしいのかどうかというのが 1点と、 もう
1 つ、昨年 12 月そして 1 月の決定会合の「主な意見」の中で、ETFの副作
用について言及された委員がいらっしゃるようですけれども、 鈴木委員はご自
身として、 いつくるかわからないけれどもいつかあるかも知れないとおっしゃ
っている金利の調整と、ETFをこれまで年 6兆円積み増し続けているわけで
すけれども、その調整ということとでは、どちらがプライオリティが高いと考
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えておられるのか、その2点を伺います。
(答) 最初のご質問については、既にお答えしたところだと思いますので、
先行き経済・物価情勢の改善が続くと見込まれる場合に、経済・物価・金融情
勢の総合的な判断の中で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組み
のもとで金利水準の調整を検討することが必要になる可能性があるかという
観点でいきますと、 政策の持続性を強化するといった観点から将来的には十分
あり得ることだろうと考えています。
次にETFについては、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の
枠組みの中の1 つということで、 株式市場におけるリスクプレミアムに働きか
けることを通じて経済・物価にプラスの影響を及ぼしていく目的で行ってきて
いるわけですが、そうしたリスクプレミアムへの働きかけは、これまでのとこ
ろ大きな役割を果たしてきていると考えています。従って、現時点においては
2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するためには必要な措置で
あると考えています。ただ、ご案内の通りETFという資産は国債と違って満
期償還がありませんので、未来永劫にわたって買い続けるものではないという
ことかもしれませんので、 将来は議論していくことが大切であると思いますし、
ご指摘の通りそういったご意見も出ていると思います。 金利水準の調整とET
Fの見直しについてプライオリティがどちら にあるのかといった軸で考えた
ことはありませんので、全体として、政策の調整がある場合には、1 つ1 つの
点について検討したうえでその時々の決定会合における委員全体の意見の中
で決めていくということだろうと思います。
(問) 先程政策の持続性を強化する観点から将来的には金利水準の調整があ
り得るというお答えでしたが、 これは緩和環境を持続的にできるようにするた
めという理解でいいのかどうかという確認が 1 点目の質問です。次に、1 月 9
日の国債買入れ減額の後に、結果的に円高に振れまして、外国人主導の緩和縮
小観測というのが強まっているという分析が出ています。マーケットは今、ど
ちらかというと緩和縮小方向にとらえやすい雰囲気がありますけれども、 こう
いう時にどういうメッセージを発していくのか、かなり難しいと思 いますが、
日銀として続けますということをどういうふうに発していくのか、 何かお考え
があれば教えて下さい。それから、金融機関の収益に対する影響についてです
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が、まだ大丈夫ということですけれども、先程も出ましたが、あとどれくらい
続けると、これはかなり危機的状況になるのか、というのがあれば教えて下さ
い。
(答) 1つ目のご質問についてですが、強力な金融緩和を粘り強く続けてい
くということは申し上げたとおりですが、 その一方で強力な金融緩和が金融機
関に対して与える影響は累積的なものです。展望レポートでも、物価の見通し
に関して、 委員全体としては下振れのリスクファクターが多いことをお示しし
ています。従いまして、今後、「物価安定の目標」の達成までより時間がかか
るような場合に、更にこの金融緩和を長く続けていくことができる、そういっ
た意味で持続性を強化するために、 調整を行うことはあり得るだろうと考えて
います。
2つ目のご質問についてですが、これまでも色々とご説明させて頂い
ていますように、毎回の金融政策決定会合で金融市場の調節方針が決定され 、
それに沿ってオペは行われており、 買入れ額はその時々の市場環境に応じて変
わるものであり、先日は若干減少し、その翌週には若干増加したかと思います
が、そういった日々のオペが、先々の金融政策の変更を意図するものでは全く
ありません。そうしたことについて、海外投資家や金融市場参加者の中には誤
解された方もおられるかもしれないと思いますので、 そうした方々に対しての
説明も含めて、説明責任を果たしながら、ご理解を得ていく必要があるだろう
と思っています。
3つ目のご質問について、副作用のようなことが顕現化するまでにど
のくらいの時間がかかるのかを見定めるのは極めて難しいことです。金融界で
も、地域金融業界や大手金融業界により固有のリスクを持っていたり、個別金
融機関でも、非常に健全で前向きな取組みをしている場合もあれば、中にはや
や無理なリスクを取っている場合もありますので、これらを含めたトータルと
して、どれくらいの期間でどういうことが起きるかということは、答えが出て
いるわけではありませんが、 そういったことを注視していく必要があるのだろ
うと思っています。
(問) コインチェック社で起きた仮想通貨の流出がいま社会的に問題になっ
ていますけれども、 一方でブロックチェーン技術の活用というのは日銀をはじ
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め各国の中央銀行も研究をされていると思うのですが、 今回の問題を含めて仮
想通貨というものに対して、 例えば中央銀行が決済で使う時の安全性を含めて、
どういうふうにご覧になっているかご感想を伺います。
(答) 仮想通貨に関する規制監督は日本銀行の所掌ではありませんが、金融
庁では、仮想通貨交換業者についての登録制を導入したほか、仮想通貨を用い
る「ICO」と呼ばれる資金調達手段についての注意喚起も行っています。中
央銀行の立場からは、支払決済や金融はあくまでも「信頼」に支えられている
ものですので、安全性や安定性に対しての信頼をいかに確保していくかが非常
に重要なポイントであると思っています。そうした点からは、仮想通貨は裏付
け資産を持ちませんので、それに伴うリスクがしっかりと認識される必要があ
ると思いますし、 仮想通貨を巡る色々な動きが金融全般への信頼を失うことが
ないように注意深くみていきたいと考えています。
中央銀行の一部では、スウェーデンのようにデジタル通貨発行を検討
していると聞いていますが、同国の場合は、現金の利用が減っているというこ
とも背景にあるようです。
日本銀行では現時点ではデジタル通貨発行の計画は 持っていません
が、先般報道された通り、欧州中央銀行と「Project Stella」という名前でブ
ロックチェーン技術に関する共同調査を行っておりまして、この技術を色々な
インフラの改善に役立てられないかどうか、 継続的に研究を進めていきたいと
考えています。
以 上