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202 4 年 9 月 6 日
日本銀行
高田 審議委員 記者会見
―― 202 4 年 9 月 5 日( 木 )午後 2 時 30 分 から約 35 分
於 金沢 市
(問)
二 点お伺いします。午前中の懇談会では、石川県の経済団体の方々から様々な意見
があったかと思いますが、その議論の中身を教えてください。
二 点目なのですけれども、石川県は、年初に能登半島地震という大きな地震があり
ましたが、現時点での経済状況について、どう考えているか教えてください。
(答)
今頂きました午前中の金融 経済 懇談会での議論と、それから石川県の経済の現状と
いうことなのですけれど、ちょっとまとめてお話させて頂きたいと思います。まず、
金融経済懇談会の挨拶のところでも申し上げたのです が 、この度の能登半島地震で
お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り致しますとともに、被災された方々、ま
だまだ非常に多い わけ ですけれども心からお見舞いを申し上げたい と思 い ます。今
日の懇談会ですけれども、石川県の行政、経済界、金融界を代表する方々から、地
域経済の現状、課題、それから日本銀行の金融政策運営に関して 、 様々な議論、意
見を頂いたということであります。また、 きわ めて有意義な意見交換 であ ったと私
は思います。この場を借りてご出席された方々に御礼を申し上げたいと思います。
今日の懇談会では、意見が多岐にわたったため 、 全部を網羅してご紹介することは
でき ないのですけれども、私なりに話題をちょっと整理して申し上げたいと思いま
す。まず、石川県の足 元 の景気については、全体としてみれば地震による影響が残
存する 中で も、回復に向けた動きが広がっているというのが基本的なことかと思い
ます。具体的には、生産については被災した設備の復旧が進んでおりますし、現時
点では電子部品、化学、繊維とこれまで主だった工場の生産が概ね震災前のレベル
に持ち直してきております。また、個人消費についても、当初、飲食・娯楽等の消
費を手控える動きも確かにあったのですけれども、その後、政府による北陸支援等
の効果もありましたので、被災前のレベルに大体持ち直してきているのではないか
と思います。また 、インバウンドの増加もありますし、北陸新幹線敦賀延伸に伴う
人流の活性化も背景にありますので、消費 [増加 ]に向けた動きが多少みられてきて
いると思います。また、今年度、国・県・市によって多額の復旧それから復興関連
の予算も組まれておりますので、公共投資による景気の下支えが効いてくる可能性
は結構あるのではないかと思っています。ただ、実は私自身も今週、実際に輪島、
和倉、 それから 能登を訪問してきたのですけれども、被災地を始めとして非常に地
域間のばらつきが 大きい なと感じています。一言で現状を表現するのも難しいとい
うのが、 率直な私のコメントです。実際問題として被災した能登地域においては、
今なお生活再建の途上にある方も非常に多い わけ ですし、それから実際に私も目に
しましたけれども、倒壊した家屋の解体、整理、それから道路や港湾の復旧 を 非常
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に頑張って進めて頂いているのですけれども、や はり 道半ばだと思います。こうし
た状況ですから、どの地域からも人口流出のスピードが早まっています 。 輪島塗、
それから珠洲焼といった伝統産業、農業・水産・観光において担い手不足による復
旧 ・ 復興の遅れが課題になっているのも事実かと思います。また、社会経済活動の
制 約 が 大きいものですから、復旧には時間がかかるとの印象も持ちました。そうい
う中で、原材料価格の上昇 を 販売価格になかなか十分転嫁が でき ないというお話 が
特に中小企業を中心に聞かれました 。 同時に人手不足が深刻な経営問題という声も
聞かれたということであります。金融面については、金融機関の方々から能登半島
の本格的な復旧 ・ 復興に向けて、取引先の資金ニーズの把握だけではなくて、被災
された事業者の状況に応じたサポートに取り組んでいるというお話も伺った次第で
あります。いろんな金融機関 から 被害に遭われた方々の取引先、それから住宅ロー
ンの債務者に対して職員による往訪でありますとか、相談受付、様々なチャネルを
活用して、資金繰り等の対応をしているということでありますし、また、こういう
復旧に向けまして、取引先の資金ニーズはもちろんなのですけれども、補助金申請
とか、各種のコンサルティングなんかも行われていまして、そういう意味でのサポ
ート、事業継続に対する様々な こと の大事さ と いうのでしょうか、これが金融機能
と同時に求められているということではないかと思っているところであります。ま
た、地方公共団体の方々を 始め各種業界の方々が 、 被災された事業者の状況把握、
補助金の申請、それからいろんな求職者のマッチング と いうのでしょうか、や はり
復旧においては人の問題が非常に重要になって まい りますので、こうした取り組み
を一段と強めているというようなところ、この大事さを感じました。ただ、課題と
しては、や はり 復興に向けて時間軸を早めた取り組みがどうしても大事なんじゃな
いかと思います。また、こういう状況になって地域におけるコミュニティ の 連携と
いう課題も伺ったところであります。私ども日本銀行の金融政策運営についても、
能登半島地震からの 復旧に向け、非常に留意していかなければいけないということ
でもあります。また、 [懇談会での ]お声としても今後の政策運営については、こう
した地域経済への影響を踏まえた上で行って ほ しいというようなご意見も頂いた次
第であります。 われわれ としても 中央銀行の立場から、物価安定のもと、経済の持
続的成長を実現していくこと、また、こうした自然災害等があった中で 、 金融シス
テムの安定性を確保するということを通じまして、当地の関係者のご尽力、 ご 努力
に つな げていき、サポートしていきたいなと思っている次第であります。今のとこ
ろ私の思ったところは以上ですが、実際問題として、現地に赴かせて頂いて改めて
その思いを強くしたというのが実感でございました。
(問)
高田委員にお伺いしたいんですけれども、今回の講演の中でも株式市場などの大幅
な変動についてのお話があったと思いますが、現在 、 金融資本市場は不安定だとい
う認識でいらっしゃるのかご見解を教えてください。
また 、 政策金利の引き上げについてもお伺いしたいです。十分な時間をかけるとい
うご発言もありましたが、具体的なイメージ は ありますでしょうか 。
そして 、 政策金利 の 引き上げについて、経済・物価 や 金融 の 情勢を検証しながら対
応 するの が現実的だというお話 が ありました。 7 月に利上げしたとき 、 検証が不足
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していたという意味、そういった認識はあるのでしょうか 。 こちらも 併せて 教えて
ください。
(答)
不安定ということについて み ると、特に 8 月以降ということになりますか 、 海外な
かんずくアメリカ経済のところに対する見通しというんでしょうか 、 これがグロー
バルにも 随分と 意見が 分かれたと いうことじゃないかと思うんです 。 そうしたとこ
ろが世界的な市場のボラティリティ を 高めたわけで 、 そういう意味からすると月 毎
に、経済指標が大体出てくるのが主でありますので、今 二 巡目が始まって い るよう
な状況だと思うんです。もちろん 8 月の頭ほどではありませんけれども 、やや ボラ
ティリティが高まりやすい動きが生じて います。 同じような モノ の見方 というか、
アメリカ経済の減速に関していうと 、やや 8 月ほど高まっているわけではありませ
んけれども、それに類する動きが足元も生じているということは確かなんだろうと
思って い ます。そういう意味では多少収まってきているとは言いながらも 、 少しず
つ 変動 が という 動きはあるかと思って い ます 。
それから政策金利の引き上げのところ については 、 十分な時間ということで申し上
げましたけれども 、 この 十分 というところに関しては 、 別に特定の時間を指してい
るわけで は ございません。私 が 今日の金融経済懇談会のところで 申し上げたのは 、
政策金利 、 特に中立金利と言われているところに例えば目標みたい なものがあって
そこにポンというようなことではなくて 、 や はり 毎回毎回の経済の状況を み ながら
対応していくということに尽きるということだと思っておりますので 、 そういう意
味で十分な時間をと申し上げたということ で す 。
検証をしながらというような状況であるとすれば、 7 月にも私どもは調整したわけ
でありますけれども、そこの段階でも当然のことながら様々な検証をしながら 調整
を 行ったということであります 。 決して 検証が 不足して い たということではありま
せん。当然のことながら今後に関しても毎回毎回 、 検証活動をしながら、最善を尽
くして対応していきたいと思っているところであります。
(問)
先ほどの質問にも関連するのですが、 8 月前半に大きなマーケットの変動が生じた
影響を当面は見極める必要があるということですが、確認なんですけれども、やっ
ぱり市場が不安定な間は再利上げっていうのは更なるボラティリティを生じてしま
うので難しい、っていうことなのかという点が一点目 です。
二点目は、こうした市場変動はやはり経済には下振れリスクになると思われますが、
一方で、ご講演では値上げの波がまた再燃して、今年度の下期には、そちらが到来
するのではと、どちらかというと、物価の上振れリスクになり得る点についても述
べられています。政策運営上、どちらが 、 より今大きいリスクというふうに認識さ
れているのか、ご見解をお願いします。
(答)
こういう変動が 8 月以降生じたという中で言えば、今日の文言の中でも申し上げた
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んですけれども、 きわ めて高い緊張感を持って注視していくということに尽きると
思うんです。ですか ら、当然のことながら、基本的な考え方としては、物価それか
ら経済の見通しが実現していくということであれば、金融緩和の度合いをその時々
に応じて調節していくというのが基本姿勢であることは間違いないです 。 ただ一方
で、金融とか資本市場の動向というものが、当然その前提である大目的である物価
それから経済の見通しのリスク等に及ぼす影響が生じるということであるとすれば、
当然、そこのところを考えざるを得ないということになるわけです 。 あくまでも、
基本的な姿勢として われわれ は考えているわけでありますが、条件付きであるとい
うことはも う間違いないというふうに思っていますので、そういう意味で毎回毎回
検証していくということになると思っています。
それから当然のことながら、いろんなリスクがあるわけでありまして、例えば、物
価においても、 4 月とか 10 月 の タイミングにおいて値上げがあるということは、当
然のことながらリスクであります 。 また、 われわれ もいろいろヒアリング等をして
おりますと、 10 月のところにいろんな品目の値上げがもう既に予定されているとか、
これも完全に決まったわけではないんでしょうけれども、ある程度こうしたものが
あるというのはリストとして上がっているのは確かであります。ただ、こういう動
きというのは、 われわれ もずっと考えておりましたけれども、為替のところが円安
に振れている中で、上振れしやすい部分もあったと思いますから、そういう面でコ
ストプッシュの要因で、下期に向けてもというところもあったと思います 。 為替の
ところもこの 1 か 月間で変動もしており ますから、そういう面も受けた中で、どう
いう方向になるのかというところに関しては、また新たな目で見る必要も出てくる
んだろうなと思っています。ですから、物価ですとか、リスク要因とか、その辺の
ところについては、必ずしも上か下かという、白か黒かというものではないと思う
んですけれども、多少この 1 か 月間で変動があった部分、もしくは環境の変化があ
った部分もあるので、その部分をもう一回見極めながら考えていきたいと思ってい
るところです。
(問)
二つ伺いたいと思います。一つは、 7 月会合時点と比べた賃金と物価の好循環の強
まり 度合いは、今、いかがでしょうか。そして、今後それを確認するために、どう
いう指標をご覧になるのか伺えたらと思います。
二点目は、今朝の講演で、まだ緩和的な金融環境はなお継続しているとおっしゃっ
たんですけれども、高田さんがお考えの中立金利の水準は、数値として、今どれく
らいでしょうか。
(答)
7 月会合の時の物価と賃金の好循環というところに関しては、今日私の金融経済懇
談会の中での議論というんでしょうか、 そこのところも 企業のバランスシートです
とか、それから損益計算書、こうしたところの好循環、もしくは前向きな動きとい
うふうに言ってもいいかもしれませんね 、 そうしたところを中心に申し上げました
ので、そういう点で、私はあまり変化があるとも思っていません。そういう意味で
は、着実にそういう前向きな動きになってきているんじゃないかなと思っていると
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ころであります。ただ、先ほど 頂 いた質問の中の議論の繰り返しにはなってしまう
んですけれども、こういう中で物価、それから経済の見通しというところに関して、
当然、様々なリスク要因が与える影響も出てま いります 。 先ほど申し上げた損益計
算書、バランスシートというところにも出てまいりますので、その辺のところにつ
いては予断なくというか、丹念にみていきたい。特に、こういう変化の時期におい
ては、高い緊張感を持って注視していきたいなと思うところであります。
二番目のご質問ですけれども、緩和的な状況ということで今日の懇談会の中でも、
実質金利が相当低いというような話をさせて 頂 きましたし、また一方で、中立金利
という概念を考えた場合に低いのではないかということを申し上げました。ただ、
この議論は、いろんな方からご質問を 頂 くことになるんですが、中立金利 という概
念 にはなかなか幅があって、ピンポイントでということでもないんです。今日の私
の資料の中にも、これだけの幅みたいなところでの議論はありますけれども、逆に
言えば、相当幅があるんだよということを皆さんに申し上げたかったという ところ
が趣旨でありまして、あまり明確に水準といいましょうか、それから私もこの半世
紀ぐらい市場をみておりますが、正直申し上げて、この中立金利という概念をこれ
まで議論してきて、理論的にはある概念ではあるんですが、実務的にはなかなか難
しい概念だなというのも実感して いるところであります。ですから特に日本のよう
に 、今日の私の懇談会の中でのテーマでもあるのですが、過去という中で この 30 年
間ぐらいの [金利が ]もうほとんどゼロもしくはマイナスのような状況の中で、いろ
んな試算をしてもですね、パッとした議論というの に なかなかなりにくいというの
が現実の問題で す。 海外のように比較的アップダウンというか、シクリカルに変動
がある状況であれば、一定の水準というところにある程度、この 10 年、 20 年の中で
線を引くことも、一つの対応としてはあり 得 るということかもしれませんが、残念
ながら日本の場合 は、今申し上げたような 30 年間、こうした状況の中での対応とい
うことからしますと、その水準というのは相当慎重に、もしくは幅を持って考えて
いかないといけない概念であるし、実務的にこれということにはなかなかなりづら
いというのが一つの考え方なんではないかと思っておりま す。 今のお答えのところ
もそれが趣旨だということで申し上げればというふうに思っています。
(問)
今ご質問にありました賃上げのところに少し関連してお伺いをしたいんですけれど
も、前向きな企業行動という高田さんのご講演の中でも賃上げの部分に触れられて
いらっ しゃったと思うんですが、 足元 24 年の春闘の結果っていうのは徐々に反映さ
れてきているところと思いますけれども、この次の 25 年の春闘でしたりとか、こう
いったところを利上げ判断に関して、どの程度重視されていくのか、それを例えば
中間決算の結果だったりですとか、業界団体の要望だったりですとか、そういった
具体的な指標になるものはどういうものを念頭に お かれているのか教えて 頂 けます
でしょうか。
(答)
賃上げについてということになるんですけれども、私も今日の午前の懇談会の中で
はそこのところを重視させてもらいました。それは バランスシートの運営、それか
ら損益計算書のところの前向きさというところの、一つの重要なバロメーターとし
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てこの賃上げというところがあるというふうに考えたからであります。これはもう
今回だけではなくて、これまでずっと私が申し上げてきた点ということでもあるわ
けです。もちろん、賃金の動向がどうかということで、春闘というものもあります
し、日本の場合は比較的年に 1 回、 1 回だけではないんですけれども、そういうサイ
クルというところがありますから、その動きを見極めながら、各種の指標をみると
いうことでもあります。ただ、この問題は 、単にハードデータのところだけで全て
が決まるということだけではなくて、われわれはその動きを理解する上で、バラン
スシート、それから 損益計算書 の中での企業の動きをみていたわけですけれども、
そういうもの全体の 動きの 中で企業が例えば価格を上げ 得 るもしくは賃金を上げ 得
るというようなことも含めた全体の中で、企業の動きをみていきたいということで
あります 。 私はあくまでもその関連の中でこの賃上げの動きをみていきたいという
ことになります。ですからご指摘 頂 きましたように、当然のことながら企業収益み
たいなものも重要になってくると思います。それから場合によっては、その年々の
経済の動き、これは外部環境というか、日本だけではなくて海外のところの動きと
いうことも当然あるでしょうし、また一方で物価の動きとかそういうものを総合的
にみていかないといけないですから、単にこの数字をということだけで判断できる
ものではないと申し上げたいと思います。
(問)
国債買入れの減額計画でちょっとお伺いしたい の ですけども、午前の講演でバブル
崩壊後の国債発行増は企業のバランスシート調整の 「身 代わり地蔵」 だと、そうい
うお話 を されましたけれども、バランス シート 調整の局面が終わっても高水準の国
債発行が続いて い ます 。 日銀の国債買入れ減額は、事実上の市中への国債発行増と
も指摘されました。現在のような財政状況の中では 、 やっぱり国債減額というのは
進みづらい 、 今後も慎重に進めざるを得ない、そういうふうに高田委員はお考えな
のか 、 その辺をちょっとご 所見 を お願いします。
(答)
この話は非常にもう長くなるというか 、 過去 ・ 現在 ・ 未来という中で 、 このバラン
スシート調整が 90 年代以降始まって、 30 年かけて大きな調整を経 てきた と いうのが
今の 実情だと思う ん です。その局面の中で国債の残高もどんどん膨らんできたとい
う状況の中で 、 このバランスシート調整 、 先ほどバランスシートとそれから 損益計
算書 の動きと申し上げましたけれども、企業活動の前向きさというような状況の中
で 、 この国債というものを使いながら、ある程度その金利を引き下げ、 バランスシ
ート全体 を、 もしくは イールドカーブ全体 のところ を引き下げながら対応してきた 。
その結果 、 ようやく少し経済の中での動きが出てきたということな の だろうと思う
ん です。ですから 、 もちろんその中でいろんな意味での課題が残った一つとして国
債残高が非常に大きいという部分もあるでしょう 。 それからサポートしてきた過程
の中で日本銀行のバランスシート の 問題も当然課題としてはあると思う ん です 。 た
だ 、 その目的は何かと言えば企業セクターのところの前向きさというものをいろん
な意味で円滑に対応していくためのものだったということな の だと思う ん です 。 そ
うしますと 、 もちろん正常化ということの中で国債残高そのもの、それからその中
で日本銀行が保有しているものという部分もある の だろうと思う ん です が 、 一方で
その動きの中で、これだけ長い間かけて対応してきた わけ ですから、それを一気に
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というのもなかなか現実的には難しい部分があると 思います。 また 、 それを一気に
やるということが、他の課題 が 生じてしまうリスクも当然出てくる わけ であります 。
先ほどご指摘もあり ましたが、 私も今回の懇談会の中で申し上げた の ですけれども、
減額していくということは ある 面で新たに国債を発行して民間のところに保有して
もら う 、受け入れてもらう ものにならな ければ いけない わけ でありますから 、 そう
いうものとの関係の中で慎重に対応していく必要がある の だろう なと思って い ます 。
そういう意味である程度時間をかけながら一歩一歩進めていくということになる。
ですから 、 これは単に国債だけ、もしくは 財政、 日本銀行だけの問題ではなく、日
本経済全体のバランスシート調整というところを円滑に進める の だという発想が必
要な の だということをちょっと申し上げたかったということであります。
(問)
為替が物価に与える影響について一点お聞きします。 7 月の追加利上げの理由には
円安の上振れ、物価の上振れリスクに言及されていたと思うんですけども、足元で
はアメリカの利下げ幅の拡大観測で円高に進んでい ます。今後の為替の方向性が物
価に与える影響をどのようにみられているのか、お考えを教えてください。
(答)
為替そのものについて われわれ がどう対応しようとか、どういう方向であるとか、
もしくはそれに対してどう反応するかということ自体はあまり意識していないとい
うことなんですけど、ただ、当然のことながらそれが様々なルートを通じて経済や
物価に影響していくというのは確かです。これも繰り返しになるんですけれども、
私どもの政策反応関数として、物価、それから経済の見通しが実現していくとすれ
ば、それに応じてというふうに申し上 げているわけですけど、ただ、それは当然の
ことながら、金融、それから資本市場の動向 に 影響する、もしくはリスク要因とし
て生じるかどうかというところになりますから、そういう意味で為替のところが影
響し 得 る部分というのはあると思います。また、 7 月のときの私どもの対応という
のは、物価見通しのところはこれまで オン トラック であったということと、同時に
上振れリスクがあるということは申し上げてきたわけです。ですから、今後につき
ましても、同じような かたち でそこのリスクがどうであるのかということは、当然、
毎回毎回、今後も考えていきたいと思っています 。 その流れの中で、今の時点でど
うかということではございませんけれども、当然、変動し 得 るものでありますから、
その時々で対応していかなきゃいけないと思っているところです。
(問)
今後の利上げについて伺いたいんですけれども、午前中の講演の中でも物価動向が
見通し通りに推移するという前提の中で、その都度もう一段ギアシフトを進める必
要性に言及されておられます。一方で中立金利の具体的水準というのをなかなか示
すのは難しいという 話もありましたけど、おっしゃったのは 26 年までの見通し期間
中に 1 回ではなくてやはり段階的に複数回の利上げが必要だというふうにお考えに
なっているかどうかっていうのを確認させてください。毎回の経済・物価情勢を み
ながら判断するということではあるんですけれども、そうするとなかなか複数回で
きないということもあり 得 るのか、今後 0.5%が壁になるんじゃないかという見方
もありますけれども、やはりそれ以上上げていかないと駄目だというふうに思って
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いらっしゃるのか、その辺の水準のイメージがあれば教えてください。
(答)
なかな か難しいご質問というか、 われわれ は別に複数回をどうだとかもしくは幅を
どうだとか、あまり予断を持って考えているような状況ではもちろんないというの
が今の状況です。これもこれまで 頂 いたご質問の中での議論の繰り返しになっちゃ
うんですけれども、基本的な われわれ のスタンスというか、ここは私の言葉で言え
ば企業の前向きな行動、特にバランスシートであり、それから損益計算書でありと
いうようなことでもあるし、また、 われわれ のよく使う言葉であれば、経済・物価
の見通しがある程度実現していくと、それに沿ってということになれば、それに応
じて段階的に調整をしていくということになるんですが、ただ、同時にこれも繰り
返しになっちゃいますけれども、あくまでもそれは条件付きのことでありまして、
当然、金融、それから資本市場の動向というものが今申し上げた要因のところ、私
の 表現 で言えば、バランスシートそれから 損益計算書 のところ の リスク等も含めた
影響を及ぼすかどうかというところでありますから、その動向というものを毎回毎
回チェックせざるを得ないということだと思っています。今おっしゃられたように、
その結果として複数回になることももちろんあるのかもしれませんけれども、それ
はあくまでも理屈上の問題でありまして、毎回毎回、丹念にそこの動きのところを
みていくということ、また、一方で幅のところを明確にこの辺が壁であるとかって
いうような議論も 頂 くこともありましたけれども、 われわれ はそこまで考えている
わけでもないですし、それも含めて虚心坦懐に今の動向 をみていきたいと思ってい
るところであります 。 先ほどから何回も 頂 きました中立金利の議論とも似通ったと
ころだろうと思うんですけれども、一定の中立金利を描いているものがあってそこ
に向かって何かやっていこうというような、機械的なものではないですし、そもそ
もその水準自体が先ほどから申し上げましたように、なかなか日本のようにこれだ
け長い期間 、 金利がゼロであった状況の中から、そこの水準をつかむ と いうのはそ
んなに簡単なことではございません。逆にそれをあまり強く抱いてしまうこと自体
がややミスリードしてしまうというか、ボラティ リティを高めてしまうリスクとい
うものもありますので 、 そういう意味からすると、毎回毎回、十分に時間をかけな
がら状況をみながら対応していくといったところが今の実態なんではないかとみて
おります。
(問)
日本銀行金沢支店の移転前の跡地について、まだ具体的な活用の方向性が決まって
いない状況で、金沢市が取得するのではないかというような報道がされているので
すけれども、こちらについて委員のご見解をお伺いしたい です。
それに関連致しまして、今回の懇談会の出席者の中に金沢市長ですとか、市の関係
者が出席されていないのですけれども、何か理由がありますか 。
(答)
今頂いたご質問は私というよりは、金沢支店の大川支店長の方が詳しいと思います
ので、支店長から回答させて頂ければと思います。
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( 大川支店長 )
それでは私の方からお答え致します。具体的な跡地の活用、金沢市が買うのではな
いかというような話ですけれども、ご案内の通り、 金沢支店の跡地について 、 基本
的に日本銀行は使用しなくなった所有不動産を処分することとしております。跡地
の建物と敷地も所要の手続きを経て売却することになると考えています。公的機関
として、その自治体が定める条例などがあればそれに従うとか、手続きの公平性と
か、適切性を担保するとか、そういうことが必要ですので、しっかりと対応してい
きたいと思います。まずは、公的機関に買う意思があるかどうかを聞いて、俗に言
う 90 日 公募ですけれども、それで希望がなければ民間団体等々に入札をかけていく
という手続きになります。今、その所要の手続きを進め始めています ので、もう少
し時間がかかるかと思います。
それから、今回の金懇について金沢市関係者が出席していないということなのです
けれども、今回の金懇は石川県経済という少しグローバルにとっておりまして、そ
ういう中でメンバーを 挙 げていったときに、時間的あるいは人数 の 制限から今回は
こういう結果に落ち着いた、というふうにご理解頂ければと思います。
以 上