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高田審議委員記者会見(7月3日) [PDF 177KB]

SPEAKER記者会見(7月3日) [

PUBLISHED04/07/2025, 00:00:00
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2025年7月4日

日本銀行

高田審議委員記者会見

――2025年7月3日(木)午後2時から約40分

於 津市

(問)

二問ございます。本日の懇談会では、どのような議論が行われたのでしょうか。

二問目が三重県経済の現状についてどのように認識されていますでしょうか。

(答)

今日の金融経済懇談会での議論というご質問ですけれども、懇談会の方では、こち

らの経済界、それから金融界を代表する方々から、地域経済が直面する貴重なお話、

それから日本銀行の金融政策運営に関する貴重なご意見を承った次第であります。

大変有益かつ示唆に富む意見交換ができたかなと思っておりまして、ご出席頂いた

方々に改めて感謝の意を申し上げたいと思っています。なかなか網羅することはで

きないですけれども、席上で聞かれた話をちょっと整理して申し上げたいと思いま

す。まず県内の企業が抱える課題として、やはりこれいろんなところで聞こえるん

ですけれども、仕入価格上昇や、それから人手不足への対応を迫られているという

ことでありまして、特に中小企業においては、価格転嫁、それから賃上げの難しさ

を指摘する声が多く聞かれております。また賃上げにおいても、賃上げはしている

んだけれども、やっぱり防衛的な賃上げなんだというようなご指摘も頂いた次第で

す。こうした経営課題の対応に対して、生産性向上に向けた投資ですとか、事業計

画の見直しといったことも必要になるということで、同時に事業承継なども含めた

対応というものも必要になるんじゃないかと。それから、金融機関の方では、伴走

支援強化といった取り組みについても、この重要性というものが聞かれまして、特

にやっぱり一緒にですね、経営支援を行っていくんだということ、それから、地域

社会の課題の解決をしていくと、そのためにもやっぱり投資を促進していきたいと

いうような声が聞かれたということであります。それから、アメリカの関税政策を

含めて、やはりこの不透明感が強いと。この不透明感が強いというのは、やはり随

分大きなキーワードかなというふうに認識しました。また、金利上昇による調達コ

ストの上昇を指摘する声も聞かれましたし、日本銀行に対しては、地域経済の実情

などに目配りをして、予見可能性を確保しつつ、適切な運営を行ってほしい、また

急な対応を避けてほしいというようなお声を頂いたということであります。私ども

と致しましては、こうした中で、中央銀行の立場から、物価安定のもとでの経済の

持続的成長を実現していくこと、それから金融システムの安定を確保することを通

じて、こちらの地域の方々のご努力が、より大きな実りとなるようにサポートして

いきたいと思いますし、またお声の中で、より分かりやすくというようなお声も聞

こえましたので、そういうようなメッセージを出していくことも重要なんだなとい

うふうに感じた次第であります。

2

それから二番目に頂いたご質問の中で、三重県経済の現状についてどういうふうに

考えるのかということなんですけれども、私も今週こちらの三重県に入らせて頂き

まして、いろいろ三重県の方々と意見交換をさせて頂いたということなんですけれ

ども、現状について言いますと、やはり人口が減少していると、特に全国を上回る

ペースで減少しているというようなことが、やはり大きな問題意識として語られて

いたということでありました。成長率自体は、これまで均してみれば全国を上回る

傾向にあるということではあるんですけれども、やはり人口減少といったところに

ついては、これからどうしていったらいいかといったことは、いろんな方々の声か

らも聞こえたということであります。実際の製造業につきましては、出荷ベースで

全国 9 位というようなことで、特に輸送用機械ですとか電子部品・デバイスなど、

こうした製造業が非常にその成長を牽引しているということで、これは非常に特筆

されることなんだろうと思います。それから非製造業につきましても、百貨店・ス

ーパー・ドラッグストアにおける販売量が足元増加を続けているほか、自動車の販

売も、これまでの生産停止の影響が剥落したという、持ち直しが続いていることも

ありまして、緩やかな回復がみられております。ただ、先行きについては、先ほど

申し上げました通り、各国の通商政策の今後の展開、それからそれを受けた海外の

動向等を巡る意味での不確実性が強い、不透明感が強いというようなこともありま

すので、そういう点も踏まえたうえでこちらの経済・物価への影響について注視す

る必要があるのかなというふうに感じた次第でございます。

(問)

まず今日講演の中でお話しされていました、利上げいったん休止局面で、一定期間

の様子見の後、再びギアシフトという点について、少し詳しく聞かせて頂きたいと

思っています。関税措置の中でも堅調な企業の賃上げですとか、価格設定行動につ

いて述べられていまして、 90 年前後と比較しても賃金抑制のような縮小均衡につな

がりにくいとも話されていました。この一定期間の様子見とは、この一時停止して

いる米国の相互関税の再延長ですとか、日米交渉の妥結などが達すれば、この様子

見の期間というのは達成するというふうな見方なのか、それともそうではないのか、

まず教えて頂けたらと思います。

(答)

様子見というふうなことで申し上げたんですけれども、これまでを考えてまいりま

すと、 1970 年代以降の変動相場制への移行後ですね、これまで過去 5 回の利上げ局

面があるんですけれども、これまでアメリカの利下げの後に、日本も利下げに転ず

るという状況でありました。ただし今回の状況というのは、私自身は従来のような

アメリカの深刻な景気の後退が想定されるという状況ではないというふうに思って

おりますので、そういう意味では、 2000 年のITバブル崩壊や、 2000 年代後半の世

界の金融危機とは異なって、足元はあくまでも利上げのいったんの休止局面であっ

て、一定の様子見期間の後、再びギアシフトを行える状況だと私は思っています。

アメリカでは相互関税賦課に伴って、インフレ率が反転する観測なんかも一部には

あるということもありますし、そういう意味ではちょうどこれからの夏場の状況と

いうんでしょうか、この辺についてはよくわれわれもみていきたいなというふうに

思います。それから、一時停止というような状況ではございますけれども、これな

かなかどのくらいの期間かというところを予断を持って申し上げられるような状況

3

でもないというふうに思ってます。ただ今回、私どもも 4 月の展望レポートも含め

て、見通しを下方修正させてきたわけなんですけれども、私どもだけじゃなくて、

この春からみると、IMFなどいろんな各市場参加者、各研究機関というんでしょ

うか、足元の見通しを下げているわけなんでありますけれども、いずれも現在の経

済状況は大きく悪化はしてなくてもですね、これから経済の下押しがあるんじゃな

いかというような観測のもとで対応するというんでしょうか。ですから、私は懇談

会でも申し上げたんですけれども、ある面でいうと、公共交通機関における「計画

運休」のようにですね、いわば「相互関税台風」が到来するんだというような見込

みに対して、事前に見通しの引き下げを行ったというような状況でもあるので、そ

ういう意味からしますと、この事前の想定なり、ある面ではその「相互関税台風」

の天気予報が変わるということであれば、おのずと経済の見通しも変わってくると

いうことになりますので、そういう意味では今後のその辺の動向をよく見守ってい

きたいなというふうに思います。これも日々変わる状況でもありますし、またこの

7 月というのは、非常にそういう意味では非常にそういうところが押し迫っている

といいましょうか、いろんなメニューが揃ってるというところでもありますので、

この辺をみていきたいとは思っておりますけれども、ただ目先のそういうアナウン

スメントだけに引きずられることなく、いろんな意味で、実際の海外の経済状況と

か、こうしたものなんかを見極めていきたいなというふうに思っているところであ

ります。特に米国なんかにつきましては、先ほども申し上げたところと重なる部分

もあるんですけれども、経済の状況の見込みが、最初の関税のところから、場合に

よっては、これまで、これからあり得るというんでしょうか、減税でありますとか、

こうしたものも含めたところにも、最近も関心も移ってきておりますので、そうし

たものなど両面を踏まえたうえで、みていきたいなというふうに思っているところ

であります。

(問)

もう一問なんですけれども、ギアシフトする必要性を述べられつつ、緩和的な金融

環境の継続が大事だということもおっしゃっていました。その意味するところなん

ですけれども、政策金利を 0.75%まで引き上げても、この緩和的な環境というのは

続くというふうな考え方なのか、はたまたこの今日の講演でもその物価安定目標の

実現まで目前に迫っているという話もありました。これはこの 0.75%というのを中

立金利というようなお考えということもあるんでしょうか。お考えについてお聞か

せください。

(答)

中立金利というようなことについては、もちろん概念として私は非常に重要だと思

ってるんですけれども、よく申し上げているのは、中立金利っていう概念は重要だ

けども、虹みたいなもので、だんだん近づいていくと、よく分かんなくなっちゃう

というような言い方をさせて頂いているんですけれども、これまでのように非常に

長い、日本みたいな状況で、いわゆるシクリカルなものもなかなか描けていないと

いうような状況が何十年も続いたという中でのところから申し上げますと、この中

立金利というようなものを一定水準のもので考えながら、そこに近づけていくとい

うようなことでもなかなかないのかなと。そういう意味では一定の対応をしながら、

その段階をもって、今が緩和的状況なのか、そうしたものを 1 回 1 回検証しながら

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対応していくという感じになっていくんじゃないかなというふうに思ってます。で

すから、必ずしも例えば利上げをした場合に、その水準が中立金利かどうかという

のは、繰り返しになりますけれども、そのときの状況というんでしょうか、という

ところをもう 1 回精査しながらというかたちにならざるを得ないかというふうに思

ってます。そういう面から言いますと、私も今回申し上げたところというのは物価

の目標への動きというものが、ようやく目の前に迫ってきたというような状況と考

えておりますけれども、ただ一方で足元の状況は、いろんな意味での不確実性とい

うものもあるわけでありますので、また一方で目の前に迫っているといっても、完

全にそれが達成されたという状況でもまだないということからすれば、当面そこま

でのところについては、ある程度緩和のところで、そこにより近づくためにもです

ね、緩和的な状況を続けながら対応していく。また今どうしても、世の中的に、グ

ローバルにもということだと思うんですけれども、やや悲観の方に振れやすい部分

というものもあるわけでありますから、そうした面で過度に悲観に振れないような

ためにも、目先のところはある程度緩和的なところで、今の状況をサポートしなが

ら、ようやくここまできた状況というものが遠ざかってしまうようなことがないよ

うに、心掛けていきたいなと、そんな感じでみているところであります。

(問)

二点お伺いさせてください。一点目は、アメリカの動向を注視するというお話があ

りまして、そのFRBの金融政策に加えて、減税ですとか規制緩和といったもの、

こちらは需要を支える方に働くものと思いますが、こういったものを総合的に判断

したときに、日銀としては年内に利上げが可能になる、そういう状況になる可能性

はあるのかどうかというのが一点目です。

二点目は、国債買入れについて、年限別の扱いの考え方を伺いたいんですけれども、

7 月の日銀の金融市場局が発表した、年限別の国債の買入額をみますと、買入れ比

率が、 10 から 25 年というところが発行額に対して 50%買い入れるというかたちに

なっています。これは超長期債の需給悪化に配慮したものと思うんですけれども、

これまで予見可能性の観点から、金融市場局としては、この買入れ比率を重視して、

比率の高いものから買入れ額を減らすということをやってきました。市場では、次

回 10~ 12 月の買入計画では、この 10 年から 25 年っていうゾーンが、今度減額の対

象になるのではないかという見方がありますが、この辺について高田委員はどうい

うふうにお考えでしょうか。

(答)

アメリカの動向なんですけれども、これも日々変化する状況でもありますので、な

かなかわれわれも予断を持って何か申し上げられる状況でもないとは思っておりま

す。今日の懇談会で申し上げた点でもあるんですけれども、どうしてもわれわれも

見通しを行うときも、多分IMFにしても他の研究機関にしてもそうだと思うんで

すけれども、取りあえずこの関税の影響が主になってきましたので、そこのところ

をまずベースに対応するということになっていたと思います。ただ一方で足元なん

かもそうでありますけれども、もちろん関税もまだ引き続き現在進行形ではあるわ

けでありますけれども、減税であったりとかまた規制緩和であったりといったよう

なところのメニューというんでしょうか、こうしたこともあるわけでありますから、

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そうしたものも踏まえたうえで、当然のことながら、この今不透明というか、そう

いう環境というものがどうなるのかということをやっぱり考えていくということに

なろうかと思います。ただ、そこのところが踏まえたから、先ほどのご指摘の中で、

年内に利上げがどうかというご議論があったんですけれども、そこのところはなか

なか予断を持って語るべきというようなことではないのかなというふうに思います。

もちろんその可能性もあるのかもしれませんし、ないのかもしれないということで

はあるわけでありますけれども、今の段階で先ほど申し上げた、事前の天気予報と

いうかですね、「計画運休」というか、そういったような環境がすぐ解けるという

ような状況でもなかなかないということでもありますので、その辺は予断を持って

みることなく、その時々の状況に応じて、対応していかざるを得ないのかなという

ふうに思っているところであります。

それから長期国債の減額のご議論を頂いたわけなんでありますけれども、ここのと

ころについては、ある面で各ゾーンの国債の市場の動向ですとか、また場合によっ

ては、その背後にある需給状況であったりとか、こうしたものを判断しながら対応

していくということであります。もちろん、こうした国債の対応の動向ということ

については、あくまでも市場で形成をするのが基本でもありますし、また予見可能

性をということでもあるわけでありますけれども、しかしながら一方で、同時にで

すね、この安定というものに配慮して、柔軟性を確保していくというようなことも

重要なんで、この柔軟性とそれから予見可能性というんでしょうか、こうしたこと

のバランスの中から対応していきたいというふうに思っておりますので、やはりこ

れまでも、市場の安定に不測の状況が起きるようなことがあった場合には、やはり

いろんな意味で考えて [いかないと]いけない論点もありますので、そうした点を踏

まえたうえであくまでも考えていきたいなというふうに思っておりますので、あま

りに硬直的にというよりは、今申し上げた柔軟性というものも踏まえながら対応し

ていきたい。ただし原則としては予見可能性であり、市場でというようなことが中

心になろうかと思っております。

(問)

超長期債を考えるうえでは、その予見可能性っていう硬直さよりも、今は柔軟性と

いう方を重視すべきだという感じでしょうか。

(答)

いや、これはもう全てのところで一般論として申し上げられるところだろうと思い

ます。もちろん超長期のところも、その枠内に入るということだとは思いますけれ

ども、どちらかをより重視するというよりは、こうしたバランスというんでしょう

か、そういうようなものに配慮しながら対応していくということは、多分これから

も変わらないんじゃないかなというふうに思います。また一方で、かなり大きな変

動があったという場合、去年から申し上げておるわけでありますけれども、それな

りの対応をとっていくというようなことでもございますので、そうした点も踏まえ

たうえで対応していきたいというふうに思っております。

(問)

二点ございまして、一つ目が関税の影響なんですけれども、その 4月に、 5月ですか

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ね、皆さんが展望レポートを作られたときから、 2 か月ほど経ってますけれども、

そのときと比べて、不透明感というのが多少緩和されたり、あるいは米国経済に明

るい兆しがやっぱり残ってるよねということで、あまり関税を不安視しなくてもい

いんじゃないかっていうような方向でお考えになられてるのかどうかっていうこと

が一点目です。

二つ目が、日本国内の経済動向なんですけれども、午前中の講演でも設備投資とか

賃上げであるとか価格転嫁の状況の持続性っていうのがチェックポイントなんだろ

うなというふうに私は受けとめたんですけれども、先日の短観でもですね、設備投

資の意欲は高い水準だというふうに解釈できると思いますし、国内の動向だけみれ

ばですね、次の利上げができる環境っていうのが整いつつあるのではないかと思う

のですけれども、その辺りのご見解をお願いできればと思います。

(答)

最初に頂いたご質問で、 5 月の展望レポートと比べた変化っていうんでしょうか、

この関税の動向というんでしょうか、というところに関しては、ちょうど 7 月には

また新たな展望ということになりますので、今ちょうど、われわれも今の状況をみ

ながら考えたいなっていう、そういうことでもあるので、今の段階であまり明確な

ものを申し上げられる段階ではないということではございます。ただ、先ほども申

し上げたように、ちょうど 4 月 2 日の相互関税なんかを受けまして、世界的にもと

いうんでしょうか、先ほど申し上げたようにわれわれも見直しをした、それは先ほ

ど申し上げた例えで申し上げれば、「計画運休的」な対応をとったという、台風が

来るというような状況でもあったわけなんで、その状況のところで考えてまいりま

すと、差し迫ったものが、何かすごい影響が起きてるということではないと思いま

す。そういう意味では、そこまで悲観的な状況ではないという部分はあろうかとは

思いますけれども、ただそこにまだかなりの不確実性が残っているということでも

ありますので、その台風が過ぎ去っているというような判断までできる状況ではな

いということかと思います。そういう意味からすると、依然として、その中での不

確実性警戒モードっていうんでしょうか、それは少なくとも今の段階ではまだ残っ

てるというふうに言わざるを得ないと思います。ただ、もちろんその後に先ほども

ご議論にありましたけれども、また新たな動きというんでしょうか、減税にしたり

とか、規制緩和というような動きもありますので、そうしたものなんかも踏まえた

うえで、次のところのあれをわれわれなりに考えていきたいなというふうに思って

いるところであります。

それから二番目のところで、国内の動向について短観も踏まえたうえでというよう

なご質問もあったと思うんですけれども、今週発表された短観について申し上げれ

ば、やはり企業の業況感、価格転嫁の進捗を主因として、企業業績も結構高めでも

ありましたし、全体として良好な水準を維持してたんじゃないかなというふうに思

います。製造業を中心に懸念されたアメリカの通商政策というんでしょうか、これ

も現段階ではそんなに大きな影響はみられてないのかなという、そういう意味では

底堅い動きだったかなというふうに思ってますし、それから先行きの判断にしても、

価格転嫁ですとか、それから人件費への動向ですとか、それから販売価格による状

況とか、それについてはもちろん懸念の声は依然としてもちろんあるんですけれど

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も、ただ大きな下押しになっているというような状況でもないのかなというふうに

は思っているところであります。また設備投資なんかについても、比較的どうでし

ょうかね、製造業、今年度の計画なんですけれども、製造業・非製造業ともに、 3

月からやや上方修正されているということもありますので、そういう意味では緩や

かな増加傾向にあるという動きはやっぱり不変なのかなというふうに思います。や

っぱりそういう意味からしますと、DX関連でありますとか、AIだとか、人手不

足対応とか、こういうものの需要が引き続き強いということがやっぱり背景にある

んじゃないかというふうには思います。ただそうは言っても、やはりまだこの不確

実性というんでしょうか、それから不透明感というか、なかなか特にこれまでの計

画ということについては見極めきらないというような見方も結構出てきてはおりま

すので、そういう意味からすると、その辺の不透明感はまだ残した状況であるとい

うことは言えるんじゃないかと思います。ですから、そういう中からしますと、先

ほども申し上げた物価安定の目標が目の前にというふうには申し上げておりますけ

れども、そういうようなところの達成ということについては、やはりこうした投資

計画ですとか、企業行動というんでしょうか、こうしたものも踏まえたうえで、わ

れわれ判断をしなきゃいけないというふうに思ってますので、そういう意味からす

れば、もうちょっと今暫く見極めるということが必要なのかなというふうに思って

いる次第であります。

(問)

私も大きく二問ほど伺いたいと思います。一つは、先ほど出ましたけれども、午前

中の講演で物価目標の実現が目の前に迫っているというご発言なんですけれども、

これ 2 月に講演されたときは、物価安定の目標に近づいているとおっしゃってて、

それからすると前進したような印象も受けるんですけれども、一方で 5 月の展望レ

ポートでは関税の影響も踏まえてですね、全体として、中心的な見通しとしては、

物価目標の達成時期を 27 年度までの見通し期間の後半、 1 年程度後ずれさせたとい

うことがあったわけですけども、高田さんとしては、目標実現はそれよりも早まる

とみていらっしゃるのか、だとすればいつ頃を念頭に置いてらっしゃるのかってい

うのを伺えますでしょうか。

もう一つなんですけど、先ほども出ました一定の様子見期間なんですけれども、講

演の中で、夏場にかけてのFRBの動向に注目っていうふうにおっしゃってますけ

れども、もう少し具体的にどの辺のことに注目されているのかを伺いたいんですが、

例えば仮にアメリカ、米国が今月末の会合で利下げを見送るというようなことがあ

ればですね、日銀としても 9 月とか 10 月の会合で利上げが俎上に載ってくるという

こともあり得るという見方でしょうか。

(答)

目の前に迫ってるというような言い方をさせて頂きまして、 2 月の段階では、何で

しょうか近づいてるという言い方をしましたんで、どうですかね、ちょっと少し前

に進んだかなっていう思いはございます。それはやはり 3 月のところにおいての、

賃上げ、ベア等の動き等を考えておりますと、今回この懇談会の中でも申し上げた

んですけれども、やはりもちろん輸入物価等の動きもあるわけでありますけれども、

国内のところの、懇談会の中では、デフレーターのところを挙げながら議論させて

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頂きましたけれども、いわゆる国内要因になってきた、ホームメイド化してきたと

いうような兆しもあるということでもありますので、そういう観点からすれば、目

の前にと申し上げたところは、もう一歩というところはあろうかと私自身は思って

いるということであります。ただ一方で、これがその完全にどの段階で達成できる

のかどうかというところについては、当然のことながらいろんな見方もございます

し、それからなかなかわれわれも予断を持って語ることは難しいなというふうに私

自身も思ってます。それはやはり国内要因としてはそういう動きにはなっておりま

すけれども、海外を巡る環境のところというのが、特に今回の場合は大きなストレ

スがかかる状況でもあると、先ほど「計画運休」ということも申し上げましたけれ

ども、というような状況でもあるわけでありますから、そこのところがやはり見極

めがつきませんと、なかなかこの段階で達成ができるというようなところまで明確

に申し上げられるというような状況では、私自身もないのかなと、そんなふうに思

っているところであります。ですから、まとめて申し上げれば、先ほど申し上げた

2 月のところよりも、もうちょっと判断を進めているのは確かなんですけれども、

しかしながら、その後にまたもう一段の不透明感というものが外部要因として出て

きてるという中での総合判断をしなきゃいけないなと、そんなふうに考えていると

いうことであります。

もう一つ、二番目のところがありましたよね。様子見の期間でということがあった

わけなんでありますけれども、夏場にかけてというふうに申し上げたのは、当然の

ことながら、今非常に関税交渉においても、それから場合によっては、減税であり

ますとか、そういう金融財政的な部分のところで大きな変化があるということでも

あります。またそういう中での判断というんでしょうか、実体経済のところ辺りも、

今週も雇用統計みたいなものもあるわけでありますけれども、ある程度減速をして

る兆しみたいなものもあるわけで、そこのところがかなり明確にといった場合には

ずいぶん変わった判断というものも出てくる可能性もあるということでもあります。

ちょうど 1 年前なんかを振り返りましても、夏の時期にいろんな見方に大きな変化

があったというようなことを振り返りますと、今年においてもですね、その辺のと

ころの動向はよく注目してみていきたいなというふうに思っているところでありま

して、特に上の方にも下の方にも不確実性が残ってるというのが、特に今年にかけ

ては強い動向だと思いますので、そういう面でみています。ただそれが日本銀行の

動きについて直接的にどうかということについては、あまりそこを一つ一つに明確

にひも付けをするようなことは、なかなか難しいかなというふうには思っておりま

すけれども、ただ重要な判断事項としてはみていきたいなというふうに思ってます。

(問)

前向きな企業行動が続いていけば、利上げ、ギアシフトっていうことをおっしゃっ

ていらっしゃるんですけれども、このいったん休止と、あとそのギアシフトってい

うところ、割と強調されていらっしゃるかなっていう印象を受けました。そういう

ところからすると、高田さん以前もおっしゃったように、不確実性ってのはいくら

でもあるんだっていうことをいつもおっしゃってたと思うんですけど、そういうこ

とを考えると、今の時点では、少なくとも前向きな企業行動が何か腰折れるとかそ

ういったことは想定されてないっていう理解でよろしいのかどうか。

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あともう一つなんですけど、どこまで見極めるべきかっていうところなんですが、

例えば関税のところが、ディールができてですね、その後やっぱりその後もまだハ

ードデータをしっかり見てから判断するべきなのか、その点についてですね、とい

うのも高田審議委員、以前、調整しないでいるリスク、要するに過度な緩和期待と

いうのが高まってしまうリスクについても言及されているので、その点ちょっと教

えて頂ければと思います。

(答)

前向きな企業行動というのを私も、どうでしょうかね、この 1 年 2 年というか、ず

っと繰り返して申し上げてきたという点であります。またその中でも今回の懇談会

の中でも使わせて頂いてるんですけれども、企業のバランスシートの前向きな動き、

それと損益計算書っていうんでしょうか、そこの中での、要は価格を上げない、賃

金を上げないとかですね、そういったところのリストラ的な動きがどう変わってく

るか、そういう面での両面の動きが前向きであれば、ギアシフトをしていくという

ようなことは、常々申し上げておりますし、今回もそこは変わってないということ

であります。ですからご質問があったところで、そこの中で今の時点でそういう腰

折れがあったりとかいうような状況ということは私自身は思っていないということ

であります。ただそこのリスクが当然あり得るわけでありまして、過去を見ても、

なぜ企業のバランスシート運営が収縮し、リストラになったかということを考える

と、やはり大きなストレスケースがありました。今回の場合も一つのテーマとして

過去半世紀ぐらいの通商摩擦のことを挙げたわけでありますけれども、バブル崩壊

後の段階と通商摩擦というようなものが一緒になって、先ほど申し上げたような企

業の前向きな動きが逆流してしまうような動きが出てきたということからすれば、

今回もそこまではいかないというかたちで私はみてはいるんですけれども、一方で

そのリスクというものがあるんだということも、やはり今回認めざるを得ない状況

にあるということでもあります。ですから、まだ崩れてはいないし、続いていると

いうような見方をしてるんですけれども、そこが本当に崩れないのかどうかという

ことの検証をしていきたいという点で、特に今回はそういう通商摩擦の問題も踏ま

えたうえで、歴史的な観点から、この金融懇談会の中でもですね、分析というんで

しょうか、私なりの見方を示させて頂いたということであります。

二番目にご指摘があった、じゃあどこまで見極めるのかというところ、正直言って

これ、きりないですよね、何があっても毎日何か起こっちゃってるわけですよね。

だからそれ言い出してたら、もうきりないよっていうことになっちゃうわけなんで

すけれども、ただやはり一つの動きとすれば、先ほどからもうこれも繰り返しにな

っちゃうんですけれども、企業の前向きな動きというんでしょうか、それが海外の

ところのそういう不透明感も踏まえたうえでも、やはりそれが強くなってくるとい

うような、確信がより高まるというんでしょうか、またそれに伴ってそれがまた当

然のことながら、企業行動のところで言えば賃金であり、また価格転嫁ということ

もあるわけでありますから、物価の動きにどう跳ね返ってくるかというところにも

影響するわけでありますから、その辺のところの物価の動向も踏まえたうえで、毎

回毎回の会合の中で、一つ一つ判断をしていくということでならざるを得ないんじ

ゃないかなというふうに思います。ですから、それがいつの時期かっていうことを、

今の段階で申し上げられるような状況でもありませんし、またそれは予断を持って

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申し上げるようなものではないんですけれども、ただ、今申し上げたようなところ

を私なりの時間軸、時間軸というか座標軸というか、いうところの中で持ちながら、

これからも判断をしていきたいなというふうに思います。

それから最後にご指摘があった、過度に、ということなんですけれども、当然のこ

とながら、今回の状況なんかもそうなんですけれども、この懇談会の中でも申し上

げたんですけれども、今世界的にも、ちょうど、世界中とまでは言いづらいですけ

れども、米欧にしても中国にしても、それから新興国にしてもですね、比較的揃っ

て金融緩和、それから財政拡大っていう方向に向かってるわけですね。そうします

と、今回、各地域毎に、こういういろんなストレスがある中で下振れした動きを見

込むわけなんでありますけれども、全体が合わさっちゃうと思いがけないような上

振れみたいなことが起こってしまうリスクというものも当然あるわけであります。

日本経済につきましても、特に 3、 4 年前のときのコロナのときっていうのは、世界

的には緩和があってもですね、なかなか日本の場合はそこまで、非常にまだノルム

が残っていたりとか、厳しい状況でありましたから、そう変化がでなかったわけで

すけれども、今回はそれなりに日本の状況というものも変化が出てきてるわけであ

りますから、そうした状況の中で海外も含めたところが、温度感が上がってくると

いった場合には、先ほど私はホームメイド化の兆しがというふうに申し上げました

けれども、そうした点のところもあるということではありますし、また一方で資産

価格のところ辺りも含めてよくよくみないといけない部分というものも当然出てき

ますので、そうしたところ総合判断しながら、これからもみていきたいなというふ

うに思っている次第であります。

以 上

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