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総裁記者会見(2月23日) [PDF 246KB]

SPEAKER記者会見(2月23日)

PUBLISHED24/02/2023, 00:00:00
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黒田総裁記者会見(2月23日)

――G7終了後の鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣、黒田総裁 G7議長国記者会見における総裁発

2023年2月24日

日本銀行

―― 於・ベンガルール(インド)

2023年2月23日(木)

午後6時40分から約38分間(現地時間)

【冒頭発言】

議論の内容につきましては、ただいま鈴木大臣から説明があったとおりであります。

今回の会議では、やはり、ロシアによる戦争や世界的な金融引締めのもとでの世界経済と、そのも

とでの財政金融政策等について議論がされました。私からは、世界および日本の経済動向、それから

金融政策について、簡単にお話ししました。

ご案内のとおり、世界経済については、最近の経済指標を踏まえますと、想定と比べると底堅いと

いう見方が示されましたが、依然として、世界的にインフレーションのレベルは非常に高いというこ

とで、やはりこれを物価安定の目標に向けて近づけていくために、引き続き、金融の引締めを維持す

る必要があるというお話がありました。

それから、日本経済については、私から、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進む

もとで、設備投資や個人消費の緩やかな増加を背景に持ち直しているということをご説明しました。

また、消費者物価については、輸入価格の上昇を背景に生鮮食品を除くベースで消費者物価が足元で

4%上昇までなっておりますけれども、2023 年度半ばにかけて 2%を下回る水準まで低下していくと

いうふうにみております。そのうえで、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を目指して、金融

緩和を継続するということをご説明しました。

【問】

黒田総裁に伺います。財務官時代からG7・G20への出席を重ねてきたかというふうに思います

けれども、今回が総裁として参加する最後のG7・G20になるかと思います。これまでのG7・G

20を振り返って、どのような実績を残されたというふうにお考えでしょうか。また、本日は議長国

としてG7を率いる形になりましたが、他国の参加者から何かお声をかけられたりとか、再度握手を

求められるだったり、そういったことはありましたでしょうか。差し支えない範囲で具体的に伺えれ

ばと思います。

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【答】

ご指摘のように、私、財務官として1999 年から 2003 年までG7に毎年 3、4 回参加致しました。

その頃の大きな議論のテーマというのは、一つはアジア通貨危機後のアジア経済、あるいは世界の金

融についての議論がありました。また、アフガニスタン支援の問題なども議論されました。

2013年から2023年までの10年間は、日本銀行の総裁として、これもまた毎年3回か4 回、参加し

てまいりました。そのときに議論されたことは、初めはいわゆるグローバル・ファイナンシャル・ク

ライシス、それのアフターマスというか、それが世界経済に大きな影響を与えていたわけですから、

それに対応する経済政策であれ、あるいは金融規制であれ、そういうことが議論されましたし、2020

年から最近までは、いわゆる COVID-19、コロナ感染症の世界経済に対する影響、経済に対する影響、

政策対応というのが議論されましたし、それからこの1年間は、ウクライナ戦争問題、それがG7の

みならず世界的な経済にマイナスの影響を与え、それからインフレーションを加速したということに

ついて、様々な議論がありました。

それぞれの時期において、課題、G7として対応しなければならない経済・金融の問題というのは

それぞれ違っていたわけですけれども、いずれの場合も、G7諸国の人々と議論することによって、

適切な対応が図られたというふうに思っておりまして、私自身も非常に学ぶところが大きかったとい

うことで感謝をしております。

【問】

黒田総裁にお願いします。先ほどの説明ですと、G7の中では、各国とも引き続き物価抑制のため

に金融の引締めの必要性が議論されたという一方で、 日本の場合は2023年度半ばに2%未満に下がっ

ていく見通しなので、 引き続き金融緩和が必要だということだったんですけれども、 ご承知のように、

黒田総裁の任期が迫っている中で、次の人員、日銀の新体制になったときに、ポリシーコンティニュ

エーション、どういうふうに今までの政策の継続性、移行というのがなされるべきなのかというとこ

ろがあると思うんですけど、ターゲットを 2%でできるだけ早くという目標、それからYCCと量的

な緩和ということで、そういう手法でそこを目指してきたわけですけれども、そこの継続性について

は、次期リーダーシップのもとでどうしてほしい、あるいは、どうすべきだというようなご意見があ

れば、よろしくお願い致します。

【答】

まず、新しい総裁・副総裁、まだ任命されていないので、政府が国会に同意を求める提案をしたと

ころですので、それについて何か私が申し上げるのは僣越であると思いますので、具体的なことは一

切申し上げられません。

ただ、 日本銀行として、2%の物価安定目標というのを掲げて金融政策をやってきたわけでして、 足

元で消費者物価が 4%上がっているわけですけれども、これはほとんど全て輸入物価の上昇によるも

のでありまして、既に輸入価格の上昇率は下がってきているわけです。

それに加えて、さらに政府が、エネルギー高騰に対する消費者に対して補助を始めますので、これ

もさらに消費者物価の上昇率を引き下げているということになるので、現在のわれわれの見通しで言

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うと、2023年度の半ばまで上昇率はずっと下がっていくと。 そして2%を割るという見込みになると。

これは日本銀行の政策委員会のメンバーの見通しですけれども、ご案内のとおり、民間のエコノミス

トの見通しは、もっと低い物価上昇率になると。そういう状況であって、民間も、それからわれわれ

の見通しでも、2024年度も今のところは2%を割るという状況が続くというふうに。もちろん、これ

は今年・来年の賃金の上昇率が上がっていけば、もう少し来年度中に、あるいは2%の物価上昇率が

安定的・持続的に達成されるということが起こるかもしれません。ただ、今の見通しでは少なくとも

2023 年度、2024 年度も、いずれも消費者物価上昇率は2%を割るという見通しになっておりまして、

そういう意味では、 あくまでも日本銀行の物価安定目標2%というものは、 賃金の上昇を伴う形で2%

の物価上昇率が持続的・安定的に達成されるということが目標ですので、そういう目標自体が、これ

は 2013 年 1 月に日本銀行が政策委員会で決めたもので、それを一貫して維持してきているわけです

けれども、その物価安定目標というものを、私を含む今の政策委員会のメンバーは適切なものだと

思って、それを目標に金融政策を運営してきている。 それを前提にすれば、 先ほど申し上げたように、

当面、金融政策は緩和的な状況を続ける必要があるというふうに、今の政策委員会のメンバーは考え

ているということは申し上げられると思いますが、まだ任命されていない人達のことについて、さら

には、少なくとも今の政策委員会のメンバー、特に総裁、2 人の副総裁、違う人になったときのこと

を私が何か言うのは僣越だし、適切でないというふうに思います。

【問】

黒田総裁には、先ほどご説明の中で、金融緩和が引き続き必要だということをG7の会合の中でご

説明されたということですけれども、それについて他の国から何かご意見があったのかということと、

黒田総裁、13 年に総裁になられてから10年間、金融緩和への理解を国際社会に求めてきたという10

年間だと思うんですけれども、そこを振り返られて、その政策の難しさですとか、どのように感じて

いらっしゃるかというのをお伺いできますでしょうか。

【答】

金融政策については、過去 10 年間G7で議論があったときに、日本の金融政策について批判的な

ことを言われたことは一度もありません。今回も、先ほど申し上げたことを申し上げて、それに対し

て特にコメントみたいなものはありませんでした。

2013 年から 10 年間の金融政策を振り返ったときに、どうしてこの2%の物価安定目標が持続的・

安定的に達成できなかったかということについては、既に包括的検証とかその他でも述べていますし、

様々な分析ペーパーでも述べていますように、やはり1998 年から 2012 年(注)まで 15 年続きのデフ

レの中で、一種のデフレマインドというか、デフレが一種のノルムになって、賃金や物価が上がらな

いというのが経済主体の間に染みついているということがあって、その結果、要するに、経済分析的

に言えば、予想物価上昇率が非常に低位、そして賃金の上昇率も低位、そのマインドセットがなかな

か変わらなかったということで時間がかかっているということだと思います。ただ、基本的にやはり

金融政策を緩和的に保つことによって、まずデフレでない状況はできたと。それから実質成長も回復

したと。さらに、この10年間で雇用が400万人以上増えたわけですね。そういう経済全体のパフォー

マンスは改善したわけですけれども、賃金・物価の上昇率はずっと低位で来たと。それはやはり先ほ

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ど申し上げたような15年続きのデフレがあったことのレガシーというか、 マインドセットというか、

それが続いていたと。ただ、今少しずつそういう状況も変わってきているんじゃないかと。労働市場

も極めてタイトになっていますし、それから最近の労使交渉の状況をみても、これまでと少し違った

ような賃金引上げ、賃金上昇率がみられ始めているということもありますので、少しそこに動きがみ

られているということは言えると思うんですけれども、ただ、今年そして来年の賃金上昇率がどのく

らいになるかということは、まだ十分注視していく必要があるというふうに思っています。

【問】

黒田総裁へご質問させてください。先ほど質問にもありましたけれども、財務官時代から色々国際

会議の場で発信されてこられたことと思います。大きな国際会議の場としては今回が任期満了までは

最後になるかなと思うんですけれども、ご自身の 10 年間を振り返って、国際発信の観点からご自身

をどう評価されているか、その辺りの思いも聞かせて頂ければと思います。

【答】

もちろん過去 10 年間、G7、それからG20、更にIMFC、またBISの総裁会議等々に参加

してきまして、世界の主要国の中央銀行総裁の経済・金融に対する見方、考え方も学ぶことができま

したし、また私の方から日本の経済・金融の状況をよく説明して、十分理解して頂いたというふうに

思っております。

(注) 会見では 「2013年」 と発言しましたが、1998年から15年であるため正確には 「2012年」 です。

以 上

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