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野口審議委員記者会見(10月3日) [PDF 297KB]

SPEAKER記者会見(10月3日)

PUBLISHED04/10/2024, 00:00:00
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2024年10月4日

日本銀行

野口審議委員記者会見

――2024年10月3日(木)午後2時30分から約30分

於 長崎市

(問)

二点お伺いさせて頂こうと思います。まず一点目ですが、本日の金融経済懇談会 で

は、地元経済界の方々とどのような意見交換が行われたのでしょうか。

(答)

本日の懇談会では、長崎県の行政や金融経済界を代表する方々から 、当地の金融経

済情勢や地域経済に直面する課題などについて 、貴重なお話を伺いました。また、

日本銀行の金融政策運営に対するご意見も頂戴し 、大変有意義な意見交換ができた

と考えています。この場をお借りして 、ご多忙の中で本日ご出席頂いた皆様に改め

て御礼を申し上げます。懇談会での話題は多岐にわたり、その全てを網羅的にご紹

介することはできませんが、席上で聞かれたお話をいくつか整理して申し上げたい

と思います。まず、長崎県の景気について、参加者の皆様からは、長崎駅周辺にお

ける市街地再開発への期待、海洋エネルギー関連産業の振興な ど、今後の成長に繋

がる明るい話題が聞かれました。一方で、「全国よりも早いペースで人口減少や高

齢化が進むもとで、人手不足が深刻化している」、「中小企業を中心に価格転嫁が

十分に進んでおらず、企業収益が圧迫されている 」といった懸念も聞かれたところ

です。金融機関からは「物価高や人手不足、収益力強化に向けた生産性の向上など 、

取引先企業が抱える各種の課題について 、企業の成長支援や業務プロセスのデジタ

ル化など、課題解決に向けたサポートに取り組みつつ、金利上昇を受けた預金の 受

入れと貸出に対応している」といった話がありました。日本銀行の金融政策 運営に

関しては「2%の物価安定目標に向けて金利調整局面にあると認識しているが、急

激な金利上昇は企業経営に大きな影響を及ぼすため、引き続き調整の時期や大きさ

は地域経済や金融環境の状況にも配慮しながら 、慎重に対応してもらいたい」とい

ったご要望がありました。また、為替の安定についてのご意見も 頂きました。日本

銀行としては本日伺ったお話を踏まえ、中央銀行の立場から金融システムの安定を

確保するとともに、2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現するために適切

な金融政策を運営し、当地経済の持続的な成長を引き続きサポートしていきたいと

考えております。

(問)

二点目の質問です。九州で最も早いペース で人口減少が進んでいる長崎県ですが、

域内総生産を高めていくためには、どのような取り組みが必要と考えていらっしゃ

るのか。また長崎県は地理的条件から、洋上風力発電や潮流発電を はじめ、海洋エ

ネルギー開発への期待が高い地域でありますけれども 、脱炭素の推進の観点も踏ま

えて、長崎県の海洋開発関連産業の可能性をどう見ていらっしゃるのか教えてくだ

さい。

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(答)

まず、人口減少については、日本の総人口が縮小している中で、長崎県に限らない

現象であると認識しています。こうした状況のもとで持続的な経済成長を実現する

ためには、企業におけるDXをはじめとした業務プロセスの効率化や省力化投資は

もとより、商品やサービスの高付加価値化による収益力 ・競争力の向上のほか、成

長分野への経営資源の再配分、これを通じた産業構造の転換が必要であると考えら

れます。この点、長崎県においては 、成長分野への産業構造の転換を目指す動きの

一つとして、海洋エネルギー開発が進められているものと認識しています。当 地は、

風の吹く強さや日数、水深、地盤等の自然的条件に恵まれ、さらに 、既に西海市江

島沖と五島市沖の 2 か所が海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域に指定さ

れるなど、海洋エネルギー開発に向けた動きが進んでいます 。これに加えて当地で

は、海上風力発電事業に活用可能な産業技術基盤が 、造船業を中心に長期にわたり

培われてきていることを踏まえて、本年 7 月には、県内の経済、行政、教育の各界

代表者が一堂に会し、長崎ベイエリアにおけるカーボンニュートラル推進をテーマ

に、長崎サミットを開催し、産学官金が密接に連携しながら事業化およ びこれを支

える人材育成に取り組んでいくことが合意されたと聞いています 。長崎県が有する

豊富な海洋資源を活用し、脱炭素化社会の実現といった、時代に即した適切な産業

構造を構築していくことは、長崎県経済の更なる発展にとって重要であると考えら

れます。

(問)

石破首相が昨日、植田総裁と面会して、日銀の追加利上げについて 、そのような環

境にあるとは思っていないというふうに述べていらっしゃいましたけれども、こう

いった声ですとか、あとは政府との意思疎通 、どういうふうに考えていらっしゃる

か、ご見解をお願いします。

(答)

総理のご発言、それ自体に対してはコメントすることは差し控えさせて 頂きたいと

いうふうに思いますが、その上で申し上げますと 、今後日本銀行としては当然、経

済・物価情勢、この見通しがですね、想定通り実現していけば 、仮に極めてゆった

りとした形ではあれ、金融緩和のですね、度合いを調整していくということにはな

ると思います。ただ、これはやはり日本経済、ようやくこの物価・賃金のゼロノル

ムが克服できるかどうかの非常に重要なポイントに差し掛かっているということか

らすれば極めて慎重に行うべきであると私個人は考えておりますし、総裁もおっし

ゃっていたように、その見極めの時間的な余裕はあるというふうに考えております。

(問)

今の発言にも関連して、野口委員も今朝の講演の中で、2%物価安定目標と整合的

なマインドセットが社会全体で確立されるには 相応の時間が必要だというお話をさ

れたかと思います。この意識が変わった、特に消費者側だと思いますけれども、例

えば年内に利上げをするというような判断がまだ早いというようなお考えをお持ち

でしょうか。

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(答)

具体的に政策調整の時期については 、今後のデータ次第、経済情勢次第としか申し

上げられませんので、いつやるとかやらないというお話は 、現状ではお答えできな

いということだと思いますけれども 、このマインドセットという、私、午前中お話

しした内容の繰り返しになってしまいますけれども、これまで 30 年間、デフレある

いは低インフレというような状況の中で 、ほとんど物価の上昇というのを経験して

こなかった、消費者の立場からみればそういうものであったわけであります 。今コ

ロナ禍が明けて、最初はコストプッシュ、輸入原材料価格の上昇というものを起点

として起きたインフレでありますけれども 、それが徐々に、賃金の上昇を伴うイン

フレに置き換わりつつある、まだ途上でありますけれども、ただそこにまだ消費者

の意識が完全について来れているかどうかというと、これはやはり、まだ道半ばで

あるというふうに言わざるを得ません。いろいろな例がありますけれども、例えば、

企業経営者の立場から、いろいろな方の、特に中小企業の経営者のお話を伺うと 、

やはり値上げすると、てきめんに売り上げが落ちてしまうといった声や、あるいは

例えばプライベートブランドといった安いものへのシフトが起きてしまうというよ

うな声が聞かれているわけであります 。そういう意味で言えば、ようやく賃金が上

がりつつある中で、その消費者のマインドが多少の値上げというもの に十分耐えら

れるような形に気持ちがなっていけるかどうかというところは 、まだやはり見極め

が必要であるというふうに思いますので、そのためにも時間的な余裕がありますの

で、十分に見極めていきたいということであります。

(問)

もう一点だけ、十分な見極めに対して十分時間があるということなんですけれども 、

見極める中で、特に重要視したい 、確認したい指標がありましたら教えてください。

(答)

これは、ここ半年ぐらい 、常にいろいろ、例えば 金懇などの場で各地の経営者の

方々の声を聞くと、やはり特に中小企業の場合で言えば、価格転嫁 がなかなか難し

いということですね。BtoB の場合であれば、大企業とか親会社がなかなか価格転嫁

を認めてくれなかったということがこれまであった 。この面に関して言えば、最近

「パートナーシップ構築宣言」などの取り組みもありまして、少しずつ改善が進ん

でいるというふうに思います。けれども、もう一つの BtoC のところは、これは相手

が消費者でありますので、この消費者が、値上げにそれなりに耐えられるようなマ

インドセットになっていかないと 、なかなか値上げすると、やはり先ほどお話しし

ましたように、てきめんに売り上げが落ちてしまうというようなことになりがちな

わけであります。ですから、そういう意味で言えば、特に BtoC の辺りできちっと価

格転嫁ができるのか、価格転嫁ができるのか というのは、要するに相応の値上げと

いうのが、コストの上昇を反映した分ぐらいの値上げというのがきちっとできてい

けるのかどうかという、そこは一番大きな今のボトルネックかなというふうに考え

ておりますので、その点辺りを、よく注意してみていきたいなというふうに思って

おります。

(問)

一点目は、ご講演の中でもおっしゃっていた、今の粘り強く緩和的な環境を維持す

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るべきだ、ということなんですが、実質金利が今 、非常に低い中、短期金利を数回

引き上げても、緩和的な環境を維持できていると言えなくはないんですけれども 、

野口委員の考えでは、利上げそのものがやはり今は拙速であるということ、そうい

う理解でよろしいでしょうか、というのが一点目です。

二点目は最近円安が若干修正されて円高になってますが、これが経済・物価に与え

る影響についてどうみていらっしゃるかお願いします。

(答)

まず最初の問題でありますけれども 、私も基本的には、現在の金融環境というのは、

まだまだ十分緩和的であるというふうに考えますけれども 、緩和的だからもう少し

調整していけばいいという考え方ももちろん理解はできます 。ですから、もう少し

調整の余地はあるというのも可能性としては否定できないというふうに考えますが、

ただ、なかなか難しいのは、そうしますと 、要するに緩和的かどうかというのはあ

くまでも中立金利とですね、つまり、長期的に適正な金利とはどこなのか、という

ことの対比で考えなければいけないわけであります。けれども、その中立金利、あ

るいは、それを実質化して言えば自然利子率というもの 、これはですね、あくまで

も仮想的な概念でありますので、実際にこれを確認するということはできないわけ

ですね。いろいろなシミュレーションを日銀でも行っ ておりますけれども、結局の

ところは、それである程度の範囲でこのぐらいだろうということしか言えないとい

うのが現状であります。そういう意味では、実際に中立金利というのは、事前に決

め打ちすることはできないと。ということであれば、一段階利上げしたら様子をみ

て、その影響というのを確認しながら 、これなら大丈夫だという段階でまたやって

いくというような、非常にほふく前進的と言うんでしょうかね、 そういうやり方で

利上げをせざるを得ないというのが現実ですので 、そういうことになるんではない

かというふうに思います。

二番目に関して言えば、確かに 7 月ぐらいの時点までは、非常に急激かつ一方的な

円安というのが続いていて、それが実際に輸入物価の方にも徐々に反映されつつあ

ったと。それまで少し収まっていた輸入物価がまた上振れするような気配もあって 、

それが消費者物価指数の方にも反映するような、そういう状況もあったというふう

に言えると思います。要するに上方リスクというのは、確かに 7 月の時点では、為

替というものを背景として起きていたということが言える。私自身は 7 月の利上げ

反対をしましたけれども、そういう意味で言えば、 利上げが必要な局面にあったと

いうふうに考えた他の委員の方々の見解というのも 、一理はあったというふうに思

います。けれども、現状で考えますと、幸いなことに 、円安・ドル高の背景にあっ

た、意外なまでのアメリカ経済の強さというものがですね、今でもかなり底堅い感

じはしますけれども、しかし、粘着的なインフレというのもなかなか収束しにくい

んではないかというところで、「利下げ利下げ」言われていながらなかなかできな

かった局面は明らかに変わってきて 、今アメリカの方もですね、利下げ局面に入っ

ているわけであります。そういうことを考えますと、一方的な円安というリスクと

いうものは減っていった。であれば、円高方向に少しずつ動くくらいであれば 、日

本経済の現状から言えば十分耐えられるという中で 、一方では、輸入物価を通じた

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物価の上振れのリスクは減りますので、そういう意味で物価全体はですね、徐々に

下がっていって、そして今、実質賃金(注)もようやくプラスに転化した 。これがよ

り、実質賃金(注)のプラス化というのが確実になると いうことが期待できるのでは

ないかというふうに思っています。

(問)

二点お願いします。一つ目が先ほど今後の利上げ、 緩和度合いの調整に関しては極

めて慎重に行うべきというご発言がありましたが、前回の 7 月のときの利上げを考

えると、その為替リスクのところの上振れリスクというところから、先手打つよう

な形で行われたと思うのですが、極めて慎重にというこの背景には、今後、追加利

上げを行う場合はデータであったり、また消費であったり、さらにはこの講演にあ

るようなマインドの面の改善というのが揃わないと、なかなか難しいという認識で

良いかどうかが一つです。

あともう一つが、今後の先行きのリスクの観点で、先ほど米国経済の話もありまし

たが、今後は米国経済の不確実性がまだある中で、一番大きい影響が、11 月の大統

領選があると思います。今後アメリカの経済を見極めていく上では、やはり大統領

選の行方というのを重視したいというふうにお考えでしょうか。

(答)

まず一番目のご質問でありますけれども、 7 月の時点でも私自身は、できればもう

少し慎重にやるべきだということで、利上げ自体には反対したわけでありますけれ

ども、それは今も同じであります。同じでありますけれども、ただ状況は、先ほど

のご質問にもありましたけども、 7 月時点では、かなり一方的な円安というのは確

かにあったという、上方リスクというのは否定できない状況でありましたけれども、

それは今はそれほど大きくは心配する必要がない状況になりつつあると 。そうしま

すとですね、結局何に注目するかというと、これはごく基本的な話になりますけれ

ども、要するに、基調的な物価、それから基調的な物価というのは賃金の動向に非

常に密接に結びついておりますので、その賃金の基調的な動向、これがいわゆる政

策反応関数ということになるとすれば 、その基調的な物価と賃金ということになり

ます。そういう意味で言えば、来年以降の春闘が、今年の春闘は幸いなことに 30 年

ぶりの賃上げというのは実現されたわけであります 、このモメンタムというのが来

年以降も、ちゃんと維持できるかどうかというところは、私は非常に重要だという

ふうに考えています。

それから米国経済の先行きに関して、大統領選挙の影響ということは、これはなか

なかいろいろな情報でみても、まだ接戦であると。どちらになるかというのははっ

きり言ってわからないということでありますけれども、ただもし何か政策 の大きな

変更があるとしても、それが急激に行われるというこ とはおそらくないとすれば、

当面は、特にマクロ経済に関しては、FRBの方針が急激に、大統領選の結果を受

けて変わるということもないとすれば、われわれの見通し、基本的には米国はソフ

トランディングしていく中で、若干今までは非常に強めであった金融引き締めの度

合いというのは、徐々に和らいでいく と。要するに利下げが徐々に行われていくと

いうふうに考えて、当面は差し支えないのではないかというふうに個人的には思っ

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ております。

(問)

一点目、石破氏の発言の後ですね 、円安が進行したことについてどのように分析さ

れているのか、お伺いさせてください。

(答)

その点はちょっとコメントは差し控えさせて 頂きますとしか言いようがないんです

が、ただやはり政治家の方は政治家の方でそれぞれの観点からですね、何が望まし

いということをお考えなので、それはそれで表明された意見というのは、しっかり

と受け止めなければいけないというふうに考えております。

(問)

石破氏の他にもですね、政治家の方から日銀の独立性が 法的に規定されているにも

かかわらず、政策に関しての意見というのが相次いでいると思うのですが、そのこ

とについてはどのようにお考えですか。

(答)

これも今言ったことの繰り返しですけれども、もちろん最終的には政府は民意を反

映して成立しているので、例えば 2%の目標というのもそういう形で、政府と日銀

が合意してですね、作り出された枠組みでありますので、それを尊重して今まで金

融政策をわれわれとしてはやってきたわけで、そういう意味で言えば常に意思疎通

をしてですね、合意したものは守るということは変わりません。その中で政治家の

方々が個々の立場からいろいろな発言をされるというのはそれは当然そういう有権

者の見解を背後に受けてですね、背後にあって発言されていることなので 、それを

とやかく言うということはわれわれないわけでありまして、それを受け止め つつ、

われわれの観点から目標の実現のために最善を尽くすということしかないかなとい

うふうに思います。

(問)

今の政治家のですね、意見をしっかり受け止めるというお話をされたわけですけど

も、最近様々な政治家の発言を受けまして、金融市場がですね 、混乱したり、政策

の織り込みも変化していると、そういうのが重要だと思うのですけども、その観点

でいわゆる日銀のコミュニケーション上、そういったですね、 市場、政治家の介入

みたいな発言が影響されているという面があると思う ので、そこについてご見解が

あれば、ということが一点ですね。

その関連でもう一点、午前の講演でも市場の不安定化を踏まえまして 、市場とのコ

ミュニケーションの必要性に言及しておられまして、具体的に改善策として、野口

委員が考えられることが何かあればお願いします。

(答)

政治家の発言をどう捉えるか、政治家の方々の発言、これはそれぞれ見解 というの

は当然あるわけで、それをわれわれとして尊重するということは、先ほどお話した

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通りでありますけれども。

その上でコミュニケーションのあり方を改善すべき点はないのかどうかということ

でありますけれども、これに関しては、例えば 7 月[金融政策決定会合]の時点で言

えば、ちょうど運が悪かったという 面もありますけれども、その前に、例えばこう

いった金懇のようなわれわれの側の見解が提示される機会というのが 、たまたま少

なかったということが時々指摘されるわけであります 。ですから、そういうことを

考えますと、例えばスケジュールをもう少し見直して、なるべくそういう隙間が生

まれないようにする、あるいは、コミュニケーションといっても、例えば審議委員

6 人いて、その中でそのスタンスというのはそれぞれ違うわけでありますから 、な

るべく多様な議論、多様な考えがあるということが示されるような形で、そういう

場を設定するということも、一つあるのかなというふうに思います 。いずれにして

も今後、7 月に起きたような混乱というのは、できる限り減らすように 、少しずつ

改善していく方向はないのかなというふうに考えております。

(問)

今あった市場とのコミュニケーションとの関係なんですけれども 、今現状の市場が

見込んでいる日銀の追加利上げの見通しは 、市場がどういうふうに考えているかっ

ていうふうに認識をされているかっていうことと、それは日銀の考え方と整合的な

のかっていうところ、現状のギャップであったり、その辺りをちょっとお伺いした

いっていうことがまず一点。

あともう一個は先ほどのご質問にもあったんですけれども、政治家の発言によって、

市場の見通しがいろいろ変化して いる状況かと思うんですけれども、そうするとコ

ミュニケーションするにあたって難しさみたいのが出てくるような気もするんです

が、それの難しさみたいなところは何か、どういう認識であったり懸念というのは

ありますでしょうか。

(答)

最初の問題ですが、市場がどういうふうに考えているのかと、 われわれがどういう

ふうに考えているのかということを市場がどう認識しているのかと、この辺のギャ

ップっていうのは、もし大きいと少し問題が起きる可能性は当然あるということで

あれば、われわれはまず、市場がわれわれの考えをどう把握しているのかというこ

とを正確に理解しておく必要もあると 。こういうことはよくマーケット・インテリ

ジェンスという言葉で言われますけれども 、従来もそれはそれなりにやられてきた

というふうに私は思っていますけれども 、それは十分でもしかしたらなかったのか

もしれないということだと思います 。ただなかなか、この市場の認識というのも、

各国の中央銀行の例をみても、市場は市場でまた別のパースペクティブでみている

ので、中央銀行のコンセンサスと違うところに コンセンサスがあったりするという

ような例というのは決して珍しくはない んですね。あるいは市場でも例えばエコノ

ミストのアンケートで聞いた結果 と、あるいはマーケットに実際に現れているよう

な、例えば政策金利の織り込みというようなものとは結構食い違うというケースも、

しばしばあるので、この辺はどれが本当の意味の市場なのかということも含めてで

すね、今後、よく分析していかなければいけない分野かなというふうに思っており

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ます。

それからあと、政治家の方々[の発言]に関するご質問は既にもうかなりあって 、あ

まりお答えすることはないんですけれども 、政治家の方々もそれぞれスタンスがあ

って、言っていることは、はっきり言っていろいろなわけであります。例えばもう

少し利上げのスピードを上げるべきだという方もいれば、まだ早すぎるという方も

いて、千差万別でありますので、いちいちそれにわれわれが反応するということは、

それはあまり望ましくないというふうに思います 。われわれとしては、そういうも

のをもちろん尊重はしますけれども、そういった個々の方々が言われている、これ

はある種、有権者の意識の反映でもありますので、それは尊重しますけれども 、最

終的にはあくまでもわれわれとしては、最終的な目標 、物価安定の目標を実現する

ためにどうするべきか、という観点から、政策変更あるいはそのコミュニケーショ

ンを行うということになると思います。

(注)会見では「実質金利」と発言しましたが、正しくは「実質賃金」です。

以 上

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