2026.9.28
日本銀 行
政策委員会
金融政策決定会合
議事要旨
(2026年7月30、31日開催分)
本議事要旨は、日本銀行法第 20 条
第1項に定める 「議事の概要を記載し
た書類」として、 2026 年9月 17、18
日開催の政策委員会・金融政策決定会
合 で 承 認 さ れ た も の で あ る 。
公表時間
9月28日 (月) 8時50分
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は
含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。
引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 1
(開催要領)
1.開催日時: 2026 年 7 月 30 日(14:00~16:00)
7 月 31 日( 9:00 ~12:04)
2.場 所:日本銀行本店
3.出席委員:
議長 植田和男 (総 裁)
氷見野良三 (副 総 裁)
内田眞一 ( 〃 )
高田 創 (審議委員)
田村直樹 ( 〃 )
小枝淳子 ( 〃 )
増 一行 ( 〃 )
浅田統一郎 ( 〃 )
佐藤綾野 ( 〃 )
4.政府からの出席者:
財務省 前田 努 大臣官房総括審議官(30 日)
中谷真一 財務副大臣(31 日)
内閣府 林 幸宏 内閣府審議官(30 日)
岩田和親 内閣府副大臣(31 日 9:00~10:33)
城内 実 経済財政政策担当大臣(31 日 10:34~12:04)
(執行部からの報告者)
理事 神山一成
理事 正木一博
理事 中村 康治
企画局長 奥野聡雄
企画局政策企画課長 井出穣治
金融機構局長 鈴木公一郎
金融市場局長 峯岸 誠
調査統計局長 川本卓司
調査統計局経済調査課長 桜 健一
国際局長 河西 慎
(事務局)
政策委員会室長 福田英司
政策委員会室企画役 三浦幸大
企画局企画役 八木智之
企画局企画役 窪田智之
企画局企画役 加藤直也 2
Ⅰ.金融経済情勢 に関する執行部からの報告の概要
1.最近の金融市場調節の運営実績
金融市場調節については、前回会合( 6月 15、16 日)で決定された
金融市場調節方針 (注)に従って運営し、 無担保コールレート (オーバー
ナイト物)は、 0.976~0.981%のレンジで推移した。
この間、長期国債の買入れについては、 2026 年6月は月間 2.7 兆円
程度の買入れを行った。 2026 年7月は、6月の会合で決定された 買入
れ計画に沿って、 月間の買入れ額を 2,000 億円程度減額し、月間 2.5
兆円程度の買入れを行っ た。
2.金融・為替市場動向
短期金融市場では、 翌日物金利のうち、 無担保コールレートは 1.0%
程度で推移した。GCレポレートは、無担保コールレート並みの水準
で推移した。ターム物金利をみると、短国レート(3か月物)は、 小
幅な上昇 となった 。
わが国の株価(TOPIX)は、 海外の半導体関連株価や原油価格
に振らされつつ、期間を通じてみれば、概ね横ばいとなった 。長期金
利(10 年物国債金利)は、 中東情勢を巡る不確実性や先行きの財政・
金融政策を巡る思惑等から投資家の様子見姿勢がみられるもと、上昇
した 。国債市場の流動性指標をみると、総じて みれば 改善方向の 動き
が継続して いる。 為替相場をみると、円の対ドル相場 では、円安方向
の動きと なった一方、 円の対ユーロ相場 は、 概ね横ばい となった 。
3.海外金融経済情勢
海外経済は、 中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみられる
が、総じてみれば緩やかに成長している 。米国経済は、 一部に弱めの
動きもみられるが、総じてみれば堅調な成長を維持している。欧州経
済は、総じてみれば底堅さを維持しているものの、中東情勢の影響を
受けて内需に下押し圧力がみられている。中国経済は、消費に力強さ
を欠きつつも、輸出の増加などに支えられて、このところ持ち直して
いる。中国以外の新興国・資源国経済は、一部に弱めの動きもみられ
るが、総じてみれば緩やかに改善している。
先行き の海外経済は、 当面、中東情勢等の影響が下押し圧力となる
(注)「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.0%程度で推移するよう促す。」 3
ものの、 その後は、 中東情勢の影響が和らぐとの前提のもとで、 グロー
バルなAI関連需要にも支えられて、緩やかな成長を続けると考えら
れる 。先行きの見通しを巡っては、 当面、中東情勢の今後の展開と、
それが国際金融市場や世界経済に与える影響について注意が必要な
ほか、引き続きAI関連のグローバルな需要動向などについて、不確
実性が高い 。
海外の金融市場をみると、 中東情勢を巡る不確実性が引き続き意識
されているものの、企業収益の好調さが維持されるもと で、市場セン
チメントは改善した状態が続いている 。米国の長期金利は、 6月の F
OMC 後の情報発信や 7月入り後の中東情勢緊迫の再燃を受け、利上
げ織り込みが進展したことから、上昇した。欧州の長期金利も、米国
金利に連れて上昇した。 米国や欧州 の株価は 、中東情勢を巡る不確実
性が引き続き意識されているものの、企業収益の好調さが維持される
もと で、期間を通じてみれば、概ね横ばいとなった 。この間、新興国
通貨は、 米国の利上げ織り込みの進展から、幅広い国で下落した 。原
油価格は、 米国・イラン間の 戦闘終結に向けた 覚書を受けて いったん
は大きく下落したが、その後は両国間の緊張が再び高まるもとで上昇
に転じ、期間を通じてみれば上昇した。
4.国内金融経済情勢
(1)実体経済
わが国の景気は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみら
れるが、緩やかに回復している 。先行きについては、 グローバルなA
I関連需要の堅調さや政府による各種施策は下支えとなるものの、当
面は、エネルギー・原材料価格の 上昇 による交易条件悪化が下押しに
作用することから、景気はいったん減速すると見込まれる 。
輸出 は、中東情勢による下押しの影響とグローバルな AI関連需要
による押し上げの影響が概ね相殺し、 基調としては横ばい圏内の動き
を続けている。先行きは、 グローバルなAI関連需要の堅調さは情報
関連や資本財を中心に押し上げ要因となる一方、中東情勢の影響は中
間財等の下押し要因として作用することから、当面は、横ばい圏内の
動きを続ける と考えられる。
鉱工業生産は、 やや長い目でみれば、 横ばい圏内の動きを続けてい
る。先行きは、 グローバルなAI関連需要の堅調な増加という押し上
げ要因と、中東情勢による下押しの影響が相殺し、当面は横ばい圏内
の動きを続けると予想される 。 4
企業収益は、 グローバルなAI関連需要の堅調な増加などを背景に、
高水準で推移している 。業況感は、中東情勢の影響を受けつつも、グ
ローバルなAI関連需要の堅調さなどを背景に良好な水準で推移し
ている 。こうしたもとで、 設備投資は 、緩やかな増加傾向にある。先
行きの設備投資は、 AI関連の能力増強投資に加え、既往の投資案件
の受注残を解消する動きなども下支えとなり、増加基調をたどるもの
の、当面は、エネルギー・原材料価格上昇による増益ペースの低下や
建設コストの上昇・工事遅延の影響から、増勢の鈍化した状態が続く
とみられる 。
個人消費は、 家計マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環
境の改善を背景に底堅く推移している 。消費活動指数(実質・旅行収
支調整済)をみると、 1~3月に増加したあと、4~5月の1~3月
対比 は、制度要因による 耐久財需要(自動車、エアコン)の 一時的な
増加もあり、 大きめに増加している 。企業からの聞き取り調査や 業界
統計、 高頻度データに基づくと、 6月 の個人消費は 、台風 や多雨 等の
天候不順を背景に、前月から減少しているとみられる 。消費者マイン
ドは、不安定な中東情勢や物価見通しの上昇を受けて3月と4月に急
激に悪化したが、その後は悪化に歯止めがかかっている 。先行きの個
人消費は、 当面は、物価上昇が実質可処分所得の下押しに作用するも
のの、株高による資産効果に加え、政府による各種支援策、エアコン
等の前倒し需要も押し上げ要因となり、底堅く推移する可能性が高い 。
労働需給は、引き締まった状態が続いている。そうしたもとで、 雇
用・所得環境は、緩やかに改善している。就業者数 の前年比 は、足も
とでは1%程度までプラス幅が拡大している 。一人当たり名目賃金は、
振れを伴いつつも、 着実な上昇を続けている 。 先行きの雇用者所得は、
企業収益が増益基調を続けるもとで、振れを伴いながらも着実な増加
を続けると見込まれる 。
物価面について、商品市況 をみると 、原油価格は、2月末の中東で
の軍事衝突により急激かつ大幅に上昇したあと、6月央の戦闘終結に
向けた覚書締結を受けていったん低下したが、足もとにかけては中東
情勢の緊張再燃により上昇に転じている。銅価格は、はっきりとした
上昇傾向を続けたあと、足もとでは高止まっている 。この間、食料 の
市況 価格は 、横ばい圏 内の動きとなっている 。国内企業物価の 前年 比
は、中東情勢の影響を受けた石油・石炭製品や化学製品の大幅な上昇
が押し上げ要因となるもとで、グローバルなAI関連需要の拡大によ
る非鉄金属や機械類の上昇も加わり、上昇率がはっきりと高まってい
る。企業向けサービス価格(除く国際運輸)の前年比は、 人件費上昇 5
等を価格に転嫁する動きが続くもとで、3%程度で推移している 。消
費者物価(除く生鮮食品 )の前年比は、 賃金上昇の販売価格への転嫁
の動きが続く 中、足もとでは、政府によるエネルギー負担緩和策の効
果などから、1%台半ばとなっている 。予想物価上昇率は、緩やかに
上昇している。先 行きの消費者物価 の前年比は 、当面は、政府による
燃料油補助金や本年夏の電気・ガス代補助によるエネルギー価格の上
昇抑制により2%前後で推移するが、本年度後半にかけては、除く生
鮮食品・エネルギーの上昇率の高まりに加え、LNG輸入価格上昇を
受けた電気・ガス代上昇によるエネルギー価格のプラス寄与拡大を反
映して、プラス幅は3%を超える水準まではっきりと拡大するとみら
れる 。
(2)金融環境
わが国の金融環境は、緩和した状態にある 。
実質金利は、短中期ゾーンを中心にマイナスで推移している 。企業
の資金調達コストは、上昇している。資金需要面をみると、経済活動
の回復や企業買収の動きなどを背景に、増加している。資金供給面で
は、企業からみた金融機関の貸出態度は、緩和した状態にある。CP・
社債市場では、良好な発行環境となっている。こうした 中、銀行貸出
残高の前年比は、6%台前半となっている。CP・社債計の発行残高
の前年比は、6%台半ばとなっている。企業の資金繰りは、良好であ
る。企業倒産は、横ばい圏内で推移している 。
この間、マネーストックの前年比は、 2%台前半 となっている。
(3)金融システム
わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している 。
大手行の収益は、円金利の上昇や国内貸出残高の伸長に伴う資金利
益の増加や、貸出関連手数料といった非資金利益の増加などを背景に、
増加している。この間、信用コストは、低水準となっている。そうし
たもとで、 自己資本比率は、 引き続き規制水準を十分に上回っている 。
地域銀行の収益は、資金利益の増加などを背景に、増加している。
信用金庫の収益は、資金利益が増加しているものの、円債の売却損が
増加していることなどを背景に、減少している。この間、地域銀行・
信用金庫の信用コストは、低水準となっている。そうしたもとで、自
己資本比率は、引き続き規制水準を十分に上回っている 。
金融循環面では、ヒートマップを構成する全 14 指標のうち 12 指標 6
がトレンドから大きな乖離のない状態となっている。金融ギャップは、
一頃と比べてプラス幅が縮小した状態が続いており、現在の金融活動
に大きな不均衡はみられていない。ただし、不動産価格や株価といっ
た資産価格の動向には引き続き留意が必要であり、今後も、金融活動
が実体経済活動から大きく乖離することがないか、注視する必要があ
る。また 、今後の中東情勢やAI関連投資の収益性、海外ノンバンク
部門の動向等が、様々な経路を通じて金融システムに及ぼす影響につ
いては丁寧にみていく必要がある 。
Ⅱ.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要
1.経済・物価情勢の現状
国際金融資本市場 について、 委員は、 中東情勢を巡る不確実性が引
き続き意識されているものの、企業収益の好調さが維持されるもとで、
市場センチメントは改善した状態が続いているとの見方を共有した。
海外経済 について、 委員は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの
動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長しているとの認識を共
有した。 多く の委員は、 中東情勢はなお不透明な状況が続いている も
のの 、グローバルサプライチェーンに は引き続き 大きな混乱は みられ
ていない との見方を示した。 ある委員は 、2024 年以降 、米国の関税政
策の影響に対する不安もあり、多くの国で拡張的な財政・金融政策が
採用されて きたが、足もとでは、AI関連需要の拡大というディマン
ドショックが 生じる 中、これまで から 一転し、 世界の金融政策は利上
げ方向に転換していると指摘した。
米国経済について、 委員は、一部に弱めの動きもみられるが、総じ
てみれば堅調な成長を維持しているとの認識で一致した。ある委員は、
米国は 原油 の純輸出国であ り、交易条件 の改善 がみられるもとで、 雇
用情勢が回復の方向 に向か っているほか 、減税や関税収入の還付も含
めた財政要因 や、AI関連 企業 等の 株価上昇による 資産効果も加わ り、
経済 の回復が期待されると の見解を示した 。
欧州経済について、 委員は、総じてみれば底堅さを維持しているも
のの、中東情勢の影響を受けて内需に下押し圧力がみられているとの
見方を共有した 。
中国経済について、 委員は、 消費に力強さを欠きつつも、輸出の増
加などに支えられて、このところ持ち直しているとの認識 を共有した 。
ある 委員は、不動産市場の低迷 やバランスシート 調整 によ るデフレ圧 7
力が継続しているものの、政府 による 経済対策 の効果 もあ って 、経済
の状況は 短期的には大きく変化していないと 指摘した 。
中国以外の新興国・資源国経済について、委員は、 一部に弱めの動
きもみられるが、総じてみれば緩やかに改善しているとの 見方を共有
した 。ある委員は、韓国 では、グローバルな AI 関連需要拡大の影響
から、 交易条件が大幅に改善していると指摘した。 別の 一人 の委員は、
一部 の新興国 では 、財政・金融政策に対する思惑から 通貨安 が進行す
る中 、通 貨防衛を意識した利上げ の動き もみられていると 述べた 。
わが国の金融環境 について、 委員は、緩和した状態にあるとの認識
で一致した。 多く の委員は、景気に及ぼす影響が大きい短期の実質金
利はマイナスとなっているほか、 企業等の資金需要 が増加を続けて い
ることや 、金融機関の貸出態度 が引き続き積極的であ ることなどを踏
まえると、政策金利引き上げ 後も、わが国の 金融環境は緩和した状態
が維持されているとの 認識を示 した 。このうちのある委員は、 金融機
関の貸出態度や資金繰りなどのアベイラビリティ指標 について は、
緩和の度合い が徐々に弱く なる方向にあるが、 過去平均 と比べれば、
引き続き緩和的であ ると付け加えた。 何人かの 委員は、銀行貸出は、
経済活動の緩やかな回復や積極的な企業買収、不動産向け 融資 の増加
などを背景に、 引き続き、 伸び率 を高めている と指摘した 。ある委員
は、6月の利上げ以降の企業の声を聞くと、金利コストの上昇に伴い
資金管理の効率化を進める動きはみられるものの、これまでのところ、
利上げが企業の投資やビジネスに影響を与えている様子はほとんど
窺われないと述べた。 この点 に関し 、別の ある 委員は、 足もとでは、
企業の間で成長投資に資金を振り向ける 動きが 広がっているが、 金融
環境の評価に あたっては、 最近増加しているM&Aを含め、 規律ある
投資計画のもとでの資金調達となっているか といった点 も踏まえる
べきである との見解を示した 。この間、一人の 委員は、 本年6月以降、
昨年までのグローバルな利下げ局面から利上げ局面に転じたことで、
わが国を取り巻く金融環境に大きなレジームの転換が生じていると
述べた 。このほか 、ある 委員は、 7月下旬に発生した 熊本地震 に関連
し、10 年前の熊本地震の時 など と比べ て金融機関の預貸ギャップが縮
小しているという 環境 変化を踏まえ つつ 、地元金融機関の動向 を含め 、
今後 の状況をしっかりと把握して いく必要があると指摘した。
以上のような海外の金融経済情勢とわが国の金融環境を踏まえて、
わが国の経済・物価情勢 に関する議論が行われた。
わが国の景気 について、 委員は、中東情勢の影響もあって一部に弱
めの動きもみられるが、緩やかに回復しているとの認識を共有した。 8
大方の委員は、 7月の支店長会議でも報告されていたように、 AI関
連需要の裾野は 当初の 予想 以上に 広がっており 、輸出・生産の押し上
げ要因として作用していると の見方を示した。 このうちの ある委員は、
グローバルな AI関連需要 拡大 の好影響 は、半導体やその製造装置等
に関連する企業 にとどまらず、発電・電源設備 関連など、データセン
ターを インフラ 面で支える様々な企業に 幅広く及 んで いると 述べた 。
別の 一人の委員は、AI関連需要拡大によるディマン ドショック もあ
り、わが国の輸出価格 が上昇 する中 、今次局面における交易条件の悪
化の程度は、 2022 年から 2023 年の資源価格高騰時に比べると限定的
で、景気減速懸念は後退していると の認識を示 した 。ある委員は、わ
が国経済は、大きな外部ショックを受けて内需が大きく落ち込み 、物
価の伸びも弱まったという経験をもつが、 昨年の米国の関税政策や 今
回の中東情勢に対して は、これまでと異なる 底堅さをみせていると の
見解を示した 。
輸出や鉱工業生産について、委員は、 基調としては横ばい圏内の動
きを続けている との認識で一致した。 ある委員は、 6月の 輸出物価 指
数は、モス型メモリ集積回路 や半導体製造装置 などの AI関連 の品目
を中心に、契約通貨ベースで 前年比 10%以上 の高い伸び率となってい
ると付け加えた 。
設備投資について、 委員は、グローバルなAI関連需要の堅調な増
加などを背景に、企業収益が高水準で推移し、業況感も中東情勢の影
響を受けつつも良好な水準で推移しているもとで、緩やかな増加傾向
にあるとの 見方 を共有した。 何人かの 委員は、 中東情勢に伴うマイナ
スの影響を受けつつも、 6月短観 で企業の 業況感 が引き続き良好で
あったことの背景には、 AI関連需要の拡大に加え 、価格転嫁 に対 し
企業 が楽観的 な見通し を有している こと なども影響しているのでは
ないかと述べた 。
個人消費について、 委員は、 家計マインドに弱さがみられるものの、
雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しているとの見方で一致し
た。一人の委員は、 個人消費の底 堅さの一因として、 株価上昇に伴う
資産効果による高額品の販売好調 を挙げた 。
雇用・所得環境について、委員は、 緩やかに改善している との見方
を共有した。 多く の委員は、本年の春季労使交渉(春闘) では、大企
業だけでなく、相対的に規模が小さい企業でも 、3% 台半ばのベース
アップ率 で着地し 、幅広い企業でしっかりとした賃上げが実現したと
指摘した。 このうちの ある 委員は、中小企業に おいて 3%を超える賃
上げ率 が実現したこと については、 人手不足 を背景とする 防衛的な 側 9
面もあると考えられるが、 日本企業 に特有の 横並び意識 の強さも影響
している可能性があると 付け加えた。
物価面 について、 委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、
賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続く 中、足もとでは、政府によ
るエネルギー負担緩和策の効果などから、1%台半ばとなっていると
の認識 を共有した。 一人の委員は、中東情勢は引き続き不透明 ではあ
るが、原油価格やナフサの指標価格は4月のピーク時から下落してい
ると指摘したうえで、輸入物価の上昇から国内企業物価 が上昇してい
る中にあっても、 消費者物価は 、政府による 政策効果もあって引き続
き2%を下回っていると 述べた 。これに対し、 複数の委員は、政府 に
よる 各種施策 等の「 特殊要因 」を除 いたベースでみると 、足もとの 消
費者物価 の前年比 は、除く生鮮食品が2%台後半、 除く生鮮食品・エ
ネルギーが2%程度、除く食料・エネルギーが1%台半ば となってい
ると指摘した。 また、 何人か の委員は、輸入物 価の高い伸びを背景に
企業間取引において 積極的な 価格転嫁が続く 中、消費者段 階でも 価格
上昇 の兆しがはっきりしてきている との認識を示した。 その具体例と
して、 一人の委員は、7月 の東京 都区部 の消費者物価 では、 インバウ
ンド需要の強さなどを背景に、 円安に伴う輸入食材価格の上昇を 外食
価格 に転嫁する動きがみられると指摘した 。この間、 原油価格の動向
に関し、ある 委員は、足もとの 原油市場は、 各国の備蓄放出やペルシャ
湾に 滞留していたタンカーが湾外に出たこと などに よる 供給増 と、中
国における需要減等 により バランスし た状態にあるが 、この先、 こう
した要因が剥落すれば、需給が再度タイト化する 可能性もある との見
解を示した。
企業間取引の価格動向について、 多くの 委員は、足もとの国内企業
物価 の伸び率 は、前月比でみるとピークアウトしているものの、 前年
比では 7%を超える高い 水準が続いて おり、川中 から 川下 に向けて 価
格転嫁が進展しているとの認識 を共有 した。このうちの何人かの委員
は、品目別にみると、 中東情勢の影響を受けた石油製品や化学製品 に
加えて、 グローバルなAI関連需要の拡大による 半導体メモリ等 や非
鉄金属 の上昇も 目立っていると指摘した 。ある委員は、 自動車貨物輸
送を中心に、 企業向けサービス価格 が、このところ前年比3%を超え
る伸びとなって いる と指摘したうえで、燃料 油補助金の支給に伴いガ
ソリン等の価格が下落しているにもかかわらず、物流費が上昇してい
ることの背景には、 原油高を契機として、実質的には人件費 上昇 分の
価格 転嫁が進んでいる可能性もあるとの見方を示した。
この間、予想物価上昇率について、委員は、緩やかに上昇している 10
との認識で一致した。 多くの委員 は、6月の生活意識に関するアン
ケート調査や短観の結果等をみると、中東情勢の影響など も受ける か
たち で、家計、企業とも、中長期の予想物価上昇率が上昇していると
指摘 した。このうちの ある 委員は、6月短観では、 原油高 やAI関連
需要 拡大の 影響 を受ける 業種を中心に、 企業の販売価格の見通しが 大
きく 切り上 がったが 、物価全般の 中長期 な見通し については、 業種 ご
との違いは小さく、 ほとんどの業種で 2%台半ばから後半に 見通しが
集中している と述べた 。そのうえで、この委員は、 こうした 企業の 物
価見通しは、 2%を超える物価上昇のノルムが広く定着してき ている
ことを示している 可能性があるとの 見方を示した。
2.経済・物価情勢の展望
2026 年7月の「経済・物価情勢の展望」 (展望レポート)の作成に
あたり 、委員は、 経済情勢の先行きの中心的な見通し について議論を
行った。委員は、わが国経済について、 ①2026 年度は、 中東情勢 の影
響を受けた春先以降の 原油価格上昇 が下押し要因となるものの 、グ
ローバルなAI関連需要の増加に加え、 政府による各種施策 や緩和的
な金融環境 等が経済を下支えする と考えられる ため、伸び率を縮小し
つつも、 緩やかな成長を続ける 、②2027 年度以降は、原油高のマイナ
スの影響が減衰し、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々
に強まっていくことから、成長率を緩やかに高めていく との認識を共
有した。
中東情勢がわが国経済に及ぼす影響について、 多くの 委員 は、中東
依存度の高い原材料の 代替調達の進展 等を踏まえると、 サプライ
チェーンの混乱 から供給制約が強まり、わが国企業の生産活動に大き
な影響が生じる可能性 は低下している との見方を共有した。 また、 何
人かの委員は、 AI関連需要拡大 に起因する輸出価格 の上昇 は、原油
価格上昇に伴う交易条件の 悪化を和らげる方向に作用する ことが見
込まれるとの認識を示した 。この間 、一人の委員は、政府はいわゆる
「責任ある積極財政」を掲げた「経済財政運営と改革の基本方針 2026
(骨太方針 2026 ) 」を閣議決定したが、この政策は国内の生産・雇用・
実質所得および物価上昇率を引き上げると の見方を示した 。このほか 、
ある 委員は、 わが国は自然災害に晒される頻度が高く、これに対する
対応力・回復力は経済の底堅さ を左右し得ると 指摘したうえで、今般
の熊本地震が経済 ・物価・金融面に 及ぼす影響について も、丁寧 に確
認していく 必要 がある と述べた 。
わが国の輸出や鉱工業生産について、 委員は、中東情勢の影響を受 11
けつつも、グローバルなAI関連需要の強さが押し上げ要因として作
用することから、当面は横ばい圏内の動きになるとの見方で一致した。
その後は、中東情勢の影響が和らぎ、海外経済の緩やかな成長が続く
中、グローバルなAI関連需要の強さなどにも支えられ、緩やかに増
加していくとの認識を共有した。 ある委員は、最近公表されたFRB
スタッフの論文を 紹介しつつ 、現在の AI ブーム のよう な投資を誘発
する技術ショック は、米国の輸入拡大につなが るため、 わが国の輸出
にも相応の上押し効果が期待されると 述べた 。
設備投資について、 委員は、既往案件の受注残を解消する動きに加
え、政府の経済対策や緩和的な金融環境が下支え要因として作用し、
緩やかな増加傾向が続くとの見方を共有した。その後は、人手不足対
応の省力化投資やAI関連等の成長分野への能力増強投資に加え、貿
易構造やサプライチェーンの変容に適合するための投資案件なども
押し上げ要因となり、増加傾向を維持するとの認識で一致 した。 何人
かの 委員は、6月短観 における企業の 設備投資計画 は全体としてしっ
かりとして おり、設備投資は増加傾向が続くと の見方を示した。その
うえで、一人の委員は、 日本政策投資銀行 による全国設備投資計画 調
査をみると、 設備投資 にマイナスに作用し得る 主な 要因として は、金
利上昇ではなく、 工事費 の高騰や投資内容の精査 ・見直し 等が挙げら
れて いると指摘した 。一方、 別のある委員は、建設業等における人手
不足や資材価格の高騰だけでなく、この間の実質金利の上昇も、外部
資金 への 依存 度が高い 企業の設備投資に影響を与える可能性がある
との認識を示した。 こうした点に関し、 何人かの 委員は、業種や規模 、
有利子負債比率 などの 企業の属性 や、投資案件の 大きさ といった 様々
な観点から、 今後、 設備投資動向に変化が出て こないかどうか、 丁寧
に確認して いく必要があると の見方を示した 。
個人消費について、委員は 、賃金の増加や株価上昇による資産効果
に加えて、政府による各種施策を通じた家計への所得移転が下支え要
因となるものの、エネルギーを中心とした物価上昇の影響から、横ば
い圏内の動きになるとの認識を共有した。その後は、 名目賃金の着実
な増加が続き、 物価の上昇ペースが徐々に落ち着いていくと見込まれ
る中、緩やかな増加基調に復していくとの見方で一致した。 ある 委員
は、賃金が 前年比 3%程度で上昇している ことに加え 、政府による エ
ネルギー 負担緩和策や教育 無償化 政策など、家計への 所得移転 の規模
が相応に大きいことを踏まえると 、今後 予想される 値上げ により 消費
が腰折れする可能性は 低いと の認識 を示した 。別の 一人の 委員は、住
宅ローンの 大部分 は現役世代が抱えているが、住宅購入を行う 30 代 12
の賃金の伸び は比較的高い ほか、年代が上がる に連れて、利子を生む
金融資産 の残高が多くなっている ことなどを踏まえると、金利 の上昇
は、総合的にみて 現役世代の消費を必ずしも冷やす訳ではないとの 見
解を示した。
雇用者所得について、 委員は、 企業収益が増益基調を続けるもとで、
振れを伴いながらも着実な増加を続け るとの 認識で一致した 。何人か
の委員は、 ここ数年、春闘で3%以上のベースアップ率を実現すると
いう相場観が形成されていることを踏まえると、今後も こうした 賃上
げの動きは続く可能性が高いと の見解を示した 。
こうした議論を経て、委員は、 中心的な成長率の見通しは、 4月の
展望レポート時点と比べる と、見通し期間を通じて 概ね不変 との認識
を共有した 。
続いて、委員は、 物価情勢の先行きの中心的な見通し について議論
を行った。 委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比 について 、
①賃金上昇を販売価格に転嫁する動きが続くもとで、これまでの原油
価格上昇が、エネルギーや財を中心に価格を押し上げるほか、グロー
バルなAI関連需要の増加に伴う半導体価格等の上昇や最近の為替
円安が耐久財等の価格上昇につながることから、 2026 年度後半以降、
2%をはっきりと上回る水準まで伸び率を高めていくと予想され る、
②その後、 見通し期間後半には、 原油高の影響が減衰していくもとで、
2%程度に向けてプラス幅を縮小していくとの認識 で一致した 。また、
委員は、この間、人手不足感の強い状況が続く中で、賃金と物価が相
互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、中長
期的な予想物価上昇率は上昇し ていくとの見方で一致した。 そのうえ
で、大方の委員は、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まって
いくと予想され、 2026 年度後半から 2027 年度にかけて「物価安定の
目標」と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移するとの認
識を共有した。これに対し、一人の委員は、物価が上がらないノルム
が解消 し、賃金が上昇 する中 で、基調的な物価上昇率も含め、消費者
物価は、既に概ね「物価安定の目標」に達する水準にあるとの 認識 を
示した。また、別のある 委員は、政府 による各種 施策 等の特殊要因を
除いた 消費者物価の 動き や本年春先以降 の消費者物価( 除く生鮮食
品・エネルギー )の季節調整済前月比 の伸び率、企業や家計の予想物
価上昇率の動きなどを踏まえると、 基調的な物価上昇率は、既に「物
価安定の目標」 と概ね整合的な水準 で推移している との 見解 を示した 。
消費者物価の見通しにつ いて、 多くの委員 は、原油高を起点に企業
間取引における価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、 この間の 13
企業の値上げに関する発表等をみると、夏場以降 は、消費者段階にお
ける幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性が高いとの認識 を
示した。 こうした動きの背景について、 一人の委員は、 今回 の中東情
勢は、企業にとって値上げを説明 する明確な理由とな っているほか 、
消費者側も、 ここ数年の 賃上げや政府による 各種の 所得移転 策により 、
消費活動は底堅く推移している との見方を示した。 別のある委員は、
国内の物流費や包装材、食品トレーの価格の上昇など を踏まえる と、
秋口に向けて最終消費財の値上げの再加速が見込まれると 述べた 。何
人かの委員は、 AI関連需要の拡大を起点に、世界的に半導体や銅な
どの需給が逼迫 し、国内 の企業物価が上昇していること を踏まえると、
今後は、消費者段階においても、 耐久財をはじめ、 様々な品目の価格
上昇につな がる可能性が高いと の認識を示した 。また、 一人の委員は、
原油高等 の市況要因に加え、為替円安の進行から、円建ての輸入物価
の前年比は大きく上昇しており、先行き、消費者物価にも波及してい
くことが見込まれると指摘した。 この間、 ある 委員は、 国際的な 原油
市況 は一頃に比べて下落しているが、 北米などからの代替調達に伴 う
コスト 増加を踏まえると、 わが国の企業が直面する調達価格は、 今後
かなりの期間 にわたって 高止まり する可能性がある との見方を示 し
た。
こうした議論を経て、委 員は、 消費者 物価(除く生鮮食品) の中心
的な見通しは、前回の展望レポート時点と比べると、 政府による夏場
のエネルギー負担緩和策(電気・ガス代)の効果等から、 2026 年度が
下振れているが、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー) について
は、見通し期間を通じて概ね不変である との 認識を共有した。
基調的な物価上昇率 について 、多くの 委員は、 足もと 2%に近づい
ており、今後は、「物 価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観
点から、 これ が2%程度の水準で定着するかどうかを確認していくこ
とが重要との見方 を共有した 。ある 委員は、先行きの基調的な物価上
昇率が「物価安定の目標」と整合的なかたちで安定していくかどうか
を評価するうえでは、このところ上昇してきた中長期的な予想物価上
昇率が2%程度で安定的に推移していくかを、注意深く確認していく
必要があると の認識を示した 。別の 一人の 委員は、 基調的な物価上昇
率が2% 程度に 定着 するかどうかという点で 、賃金上昇率 の動向は と
くに重要な要素 である と指摘した。そのうえで、この委員は、 過去数
年間は、 グローバルインフレ や米価格の高騰、中東情勢といった 要因
も作用する かたち で企業の賃金・価格 設定行動 は積極化してきたが、
先行き、 こうした コストプッシュ要因が なくなってきた 場合にも 、賃 14
金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇する流れ がしっかりと
続くか どうか に注目していると述べた。この間、 一人の 委員は、消費
者物価指数を構成する品目の7割超が数年間 にわたって 上昇を続け
ていること や、予想物価上昇率に関する 様々な 指標が緩やかに上昇し
ている こと に加え 、ベースアップ率 3%程度の賃 上げ が継続している
ことなどを踏まえると、 基調的な物価上昇率は2% ぐらい で、 持続的・
安定的なものに 定着しつつあるとの認識を示した。
次に、委員は、 経済・物価の見通しのリスク要因 (上振れ・下振れ
の可能性)について議論を行った。 委員は、リスク要因としては様々
なものがあるが、当面は、中東情勢が金融・為替市場やわが国の経済・
物価に及ぼす影響をとくに注視する必要があるほか、グローバルなA
I関連需要の動向や今後の為替相場の変動が、わが国の経済・物価に
及ぼす影響にも留意が必要であるとの認識で一致した。 ある 委員は、
経済に対しては、中東情勢が下押し方向、AI関連需要の拡大が上押
し方向、円安は両方向に働くが、 物価に対しては、いずれも上押し方
向に働く と指摘した 。こうした要因に加え、 一人の委員は、各国の拡
張的な財政政策 も、更なる需要 増加 につな がり 、物価 を押し上げる 方
向に作用するとの 見方 を示した。 また、 別の ある 委員は、 円安やAI
関連需要拡大のほか、 地政学的リスクや気候変動リスクが輸入価格の
上昇要因となって おり、 見通し期間を通じて、物価上昇リスクを意識
していると述べた。
中東情勢 の影響 について 、委員は、 なお不透明な状況が続いている
が、原油価格は一頃に比べて下落しており、4月の展望レポートで指
摘したような、経済の大幅な下振れリスクや物価の大幅な上振れリス
クは低下しているとの見方 で一致 した。 もっとも、物価に及ぼす影響
について、委員は、企業の 賃金・価格設定行動 の積極化などを 背景に 、
今後、原油高が消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及して
いく可能性が高く、加えて、中長期的な予想物価上昇率が引き続き上
昇していることも踏まえると、 基調的な 物価 上昇率が2%の「物価安
定の目標」を超えて上振れていくリスクがあるとの見方 を共有 した。
ある委員は、 自動車貨物輸送をはじめ、 足もと 目立ってきている 物流
費の上昇は物価に広く波及する ため 、基調的な物価上昇率 にも影響 す
る可能性がある と述べた 。別の 一人の 委員は、原油価格上昇の消費者
物価への今後の波及、供給不足・需要超過にあるわが国の需給ギャッ
プ等を考えると、物価には大きな上振れリスクがあると指摘した。 こ
の間 、一人 の委員は、 わが国経済は、これまでのところ中心的な見通
しに概ね沿って推移しているが、 輸入物価の上昇が 、国内物価の上昇 15
と生産・雇用・実質所得の悪化につながるリスクには 、なお留意が必
要である と述べた 。別の ある 委員は、中東情勢 が一層激化・長期化し 、
わが国経済が供給不安に陥るような場合 には 、物価には 更なる上振れ
圧力、景気には下振れ圧力が生じる可能性がある ため 、慎重に構えて
おくことが重要であると 指摘 した。
AI関連需要 の影響 について、委員は、 AI の用途の急速な広がり
とともに、グローバルな需要拡大が続いており、旺盛な設備投資が世
界経済を一段と押し上げる可能性がある 一方、投資に見合った かたち
で収益の拡大が実現しない場合には、資産価格の変動なども伴って、
調整圧力が生じる可能性もある との認識で一致した。 一人の 委員は、
AI関連企業の将来の収益性に対する期待が後退し、株式市場が大幅
に調整する場合に は、経済が下振れる可能性がある 点には留意が必要
である との認識を示 した 。これに対し、ある委員は、わが国の場合、
AI関連需要 拡大の恩恵は、 AI の開発や運用を 周辺から 支えるハー
ドウェアやインフラを提供する企業が受けている面が 強く、巨額の設
備投資を 行っている 海外の AI企業 とは、リスク特性が異なるとの見
方を示した。
次に、 物価 に及ぼす影響について、 委員は、 AI関連の材料・部品
などに対する内外の需要が想定以上に増加した場合、 先行き、消費者
段階を含め、 価格面での上昇圧力が一段と高まる リスクがある との 認
識を共有した。 ある委員は、グローバルなAI関連需要の強さを反映
して、足もとでは スマートフォン の価格改定の動きがみられており、
今後は 様々な品目の価格上昇につながる可能性があるとの見方を示
した。 別の 一人の委員は、 AIは、うまく社会実装が進めば、中長期
的には物価安定 に寄与する 技術進歩であるが、少なくとも今後数年間
は、設備投資等の需要を増加させ、 物価を押し上げる方向に作用する
可能性が高いと指摘 した 。
為替相場の変動 の影響 について、 委員は、 為替円安の進行は、 グロー
バル企業の収益などにプラスの影響を及ぼす一方、輸入物価の上昇な
どを通じて、家計の実質所得を下押しするほか、中小企業などの収益
にマイナスに作用する面があるとの見方を共有した。また、委員は、
企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為
替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があることや、そ
うした動きが、予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に
影響する可能性があることにも留意が必要であるとの認識で一致し
た。ある委 員は、2022 年以降のインフレ経験の蓄積 により 中長期の予
想物価上昇率が高まる中、 足もと の円安 や中東情勢の影響 が、更なる 16
予想物価上昇率 の上昇につながる 可能性がある ことから、物価の上振
れ懸念が高まっているとの見解を 示した 。
委員は、 為替 相場の 消費者物価 へのパススルーについても議論した 。
何人かの委員は、 研究によってパススルー率の推計結果には相応の幅
があるが、その 計測 にあたっては、近年の企業の賃金・価格設定行動
の積極化や、インフレ経験の蓄積に伴う中長期の予想物価上昇率の上
昇などの構造変化を 十分に認識する 必要 があると指摘した。このうち
のある 委員は、 仮にコロナ禍後に 何らかの 構造変化が 生じた と考える
のであれば、 推計に用いる サンプル期間 を長 くし過ぎると 、パスス
ルー率 を過小評価してしまう 可能性 がある と付け加えた。この ほか、
一人の委員は、仮にパススルー率が低ければ、 円安・物価高に伴う消
費者の負担は小さくなるが、 その分、輸入 コスト 上昇の悪影響 を、中
小の輸入企業や川下企業が 被ることになる点 には留意が必要である
と指摘した。
この間、 委員は、 やや長い目でみた リスク要因 として、 わが国を巡
る様々な環境変化が企業や家計の中長期的な成長期待や潜在成長率
に与える影響があるとの 認識 を共 有した。一人の委員は、AIの 労働
代替性について、人手不足感 が強い わが国では、これまでのところ比
較的 ポジティブ に受け止められていると指摘したうえで、今後、 AI
が省力化 投資や生産性向上を後押しし、 わが国の 潜在成長率 の押し上
げに寄与 するのであれば 、自然利子率もそ の分 高くなり得ると の見解
を示 した 。このほか、 委員は、 投資の 制約要因として、人手不足とと
もに、資材価格の高騰等を指摘する声が多いことを踏まえると、 適切
な金融政策運営を通じて物価の安定を実現することは、わが国の成長
投資の拡大を支える観点からも重要であるとの認識で一致した。ある
委員は、 投資意欲のある企業にとっては、 物価の安定を実現し、企業
が将来の需要や収益を見通しやすい経済環境を整えることが重要で
あると 指摘した 。別の一人の委員は、 かつてのような需要不足の時代
と異なり、 供給制約 が強い 状況で 潜在成長率を引き上げていくために
は、効率が高く戦略的に有望な投資に重点的に資源配分がなされるよ
う、金利のメカニズムが機能することが必要であ り、その意味でも、
適切な金融政策運営は、わが国の成長投資の拡大を支える土台として
重要であるとの認識を示した。
リスクバランス について、委員は、各委員が示したリスク評価を全
体として評価すると、 ①経済の見通しについては 、概ねバランスして
いる 、②物価の見通しについては 、上振れリスクの方が大きい 、との
認識を共有した。 17
Ⅲ.金融政策運営に関する委員会の検討の概要
以上のような金融経済情勢に関する認識を踏まえ、委員は、金融政
策運営に関する議論を行った。
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針 について、 大方の委
員は、 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、 1.0%程度で推
移するよう促す」という方針を維持することが適当であるとの見解を
共有した。
何人かの 委員は、前回6月の会合で政策金利を引き上げたことを踏
まえると、現在は、政策変更の影響を含め、経済・物価・金融情勢を
丁寧にみていく段階であるとの 認識 を示した 。このうちの一人の 委員
は、利上げの影響が、インフレ率と国内経済を下押しする かたち で波
及するまでには、1年から1年半程度のタイムラグが存在するとみら
れる としたうえで、 前回会合での利上げの影響を慎重に見極めるため
に、今回は政策金利を据え置くことが妥当であるとの見解を示した 。
別のある 委員は、 現時点では 消費者物価が急激に上昇するような状況
にはなく、米欧の中央銀行が ともに 利上げを見送る中 、金融市場 の動
向も見極める必要が あることを踏まえると、 今回 は政策金利を据え置
くことが望ましいと指摘し た。
一方、ある委員は、今回の会合で、政策金利を 1.25 %程度に引き上
げることが望ましいとの 見解 を示した。この委員は、 2024 年と 2025
年は、 わが国と 海外の金融政策 の方向性が異なる中、 本行の 利上げ
ペースは年2回と緩やかであったが、 足もとでは グローバルな利上げ
局面に転じる中、一定の利上げペースにとらわれず、海外の金融環境
の転換にも応じた機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな
局面に転換した との認識を示した 。その うえで、 この委員は、 実体経
済の下振れ不安が後退し、夏場以降、インフレ圧力が顕在化し得る状
況下、従来の基調的物価の上昇を促すスタンスから一転し、海外発の
ディマンドショックによる物価の上振れを防ぐ意志を明確に市場に
示す必要があると 述べた。
先行きの金融政策運営 について、委員は、基調的な物価上昇率が
2%に近づいている中、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえ
ると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、
金融緩和の度合いを調整していくことが適当であるとの認識を共有
した。 ある委員は、 現在のように物価の上振れリスクが高い状況にお
いて は、利上げが遅れて物価上昇が加速し、後になって急速な利上げ
を余儀なくされる といった こと がないよう、 経済・物価・金融情勢に 18
応じて、金融緩和の度合いを段階的に 調整していく こと が、最終的に
はどの経済主体にとっても望ましいとの認識を示した。一人 の委員は、
正確な中立金利が分からないとしても、幅広く示された推計レンジの
下限を下回る政策金利を引き上げて、金融政策の正常化に目途をつけ、
政策判断の機動性を確保していく必要があると 指摘 した。
金融緩和度合いの調整のタイミングやペース について、委員は、 こ
れまで とく に注視 していた 中東情勢 のほか、 AI関連需要の拡大 や為
替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心的な見通しが実現する
確度やリスクを点検しながら、検討していくことが重要であるとの見
方を共有した。 そのうえで、委員は、とくに、基調的な物価上昇率が
2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクが顕在化し、
それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、基調的な物価
上昇率を2%程度の水準で安定させていくという観点が重要になる
との認識で一致した。 多くの委員は、これまでは、基調的な物価上昇
率を2%に引き上げることを目指して金融政策を運営してきたが、足
もとで は、基調的な物価上昇率を2%程度に 定着 させていくことを目
指して政策判断を行う 方向に 徐々に シフト しつつあり、 そのもとでの
政策運営のあり方につ いて、より 丁寧なコミュニケーションが必要で
あるとの認識を示した。 この点に関連し、 一人の委員は、市場では半
年に一回程度の利上げペース が相場観として織り込まれているよう
にみえるが、基調的な物価上昇率が2%に近づく中、物価の上振れリ
スクにはこれまで以上に配慮する必要があることを踏まえると、経
済・物価・金融情勢によっては、利上げのペースが市場の想定より早
まることも考えられ ると指摘した 。別の ある委員は、わが国の基調的
な物価上昇率が2% ぐらい で定着しつつある一方、 金融環境が依然と
して緩和的 であることを踏まえると 、物価上昇リスクにとくに留意し、
機動的に政策金利を調整することが重要であるとの認識を示した。 一
人の委員は、物価の上振れリスクが顕在化する と、わが国経済や国民
生活に大きな打撃を与えるうえに、その後、急激・大幅な利上げを余
儀なくされ、二重でショックを与え ること になると指摘した 。その う
えで 、この委員は、 金融政策の焦点は、 「基調的な物価上昇率の2%へ
の引き上げ」から「基調的な物価上昇率の更なる上振れの回避」に局
面が変化しており、 以前のように 「待つことのリスクが小さい」とは
言え ないことから 、金融緩和度合いの調整をペースアップする必要が
あるとの見解を示した。
こうした議論を経て、何人かの委員は、 市場とのコミュニケーショ
ンにあたっては、 日本銀行として、これまで以上に物価の上振れリス 19
クを意識する必要があるとの考えを 示すことが望ましいと の認識を
示し た。そのうえで、複数の委員は、 経済・物価に対する 日本銀行の
見方や政策運営の考え方 を丁寧 に説明する ことは重要である ものの 、
利上げの具体的な ペースや タイミングについては 、事前に確たること
は言えず、毎回の決定会合において、 その都度、 金融環境や経済・物
価情勢を点検しながら検討 して いくこと になると 述べた 。
このほか、委員は、長期金利 の動向 についても議論した。ある委員
は、長期金利はファンダメンタルズに沿って市場で決まることが望ま
しいと 指摘したうえで、 7月上旬に長期金利は上昇したが、最近の金
融市場では、日々の市況を動かす要因として各国の政策の動向が注目
されているとの見方を示した 。一人の委員は、 長期金利は金融市場で
自由に形成されるものであるが、 一般論 で言えば 、政府支出の増加 や
政策金利の引き上げ、本行による長期国債買入れの減額は、いずれも
長期金利を引き上げる方向に作用すると の認識を示した。 これに対し、
複数の 委員は、経済・物価・金融情勢に応じて、 政策金利を 適切なペー
スで引き上げていけば、長期金利もそうした動きと整合的なかたちで
安定的に形成されていく 一方、適切なペースで 金利が 調整され ないと
の懸念が強まれば、インフレリスクやそれに伴う急速な利上げリスク
が意識され、タームプレミアムの上昇に つな がる おそれがあるとの 見
解を示した。
以上のような議論を受けて、 議長は、 執行部に対し、 「展望レポート」
で、先行きの金融政策運営についてどの ように記述することが考えら
れるか、案を示すよう指示した。 執行部からは、① 金融政策運営につ
いては、基調的な物価上昇率が2%に近づいている中、現在の金融環
境が緩和的であることを踏まえると、 経済・物価・金融情勢に応じて、
引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくこと
になると考えている、②そのうえで、 調整のタイミングやペース につ
いては、 中東情勢 やAI関連需要の拡大 、為替相場の変動の影響 を含
め、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しな
がら、 検討していく方針である、 ③とくに、基調的な物価上昇率が2%
の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクが顕在化し、それ
がその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、基調的な物価上昇
率を2%程度の水準で安定させていくという観点が重要 になると考
えている、④日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その
持続的・安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営してい
く、 と記述 することが 考えられると報告した。
執行部の説明に対し、委員は、執行部の示した案は適当であるとの 20
見解を共有した。
Ⅳ.政府からの出席者の発言
内閣府 の出席者 から、以下の趣旨の発言があった。
⚫ 熊本地震の生業や経済への影響を注視していく 。
⚫ 日本経済は緩やかに回復している。 政府 は経済財政が新たな局面
を迎える中、 「骨太方針2026 」 に基づき、 責任ある積極財政のもと、
強い経済の構築と財政の持続可能性の同時実現、 コミュニケーショ
ン強化を通じ、市場の信認を確保する 。
⚫ 強い経済の実現に向けては、 安定的な物価上昇の実現に資する適
切な金融政策運営が非常に重要である。日本銀行には、政府と緊密
に連携し、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け、適
切な金融政策運営を期待する。
また、 財務省 の出席者から、以下の趣旨の発言があった。
⚫ 熊本地震については、人命第一の方針のもと、総力を挙げて対策
を講じていく 。
⚫ 「骨太方針 2026」に基づき、市場の信認確保に配意しつつ、 「強
い経済の構築」と「財政の持続可能性」を一体的に実現していく。
⚫ 日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、内外の経済情勢等を
十分に注視し、市場とのコミュニケーションを図りつつ、2%の物
価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を
期待する 。
Ⅴ.採決
1.金融市場調節方針
以上の議論を踏まえ、 議長 から、委員の 多数 意見を取りまとめるか
たちで、金融市場調節方針について、以下の議案が提出され た。 21
金融市場調節方針に関する議案(議長案)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりと
すること。
記
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.0%程度で推
移するよう促す。
これに対し、 高田委員 からは、 海外発のディマンドショックによる
物価の上振れリスクや海外の金融環境の転換に即応した機動的な対
応が必要な新たな局面に入ったとして、 以下の議案が提出された。
金融市場調節方針に関する議案(高田委員案)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりと
すること。
記
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.25%程度で
推移するよう促す。
金融市場調節方針に関する議案(高田委員案)は、採決の結果、反
対多数で否決された。
採決の結果
賛成: 高田委員
反対: 植田委員、氷見野委員、内田委員、 田村委員、 小枝委員、
増委員、 浅田 委員、佐藤委員
金融市場調節方針に関する議案(議長案)は、採決の結果、賛成多
数で決定された。
採決の結果
賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、 田村委員、 小枝委員、
増委員、 浅田委員 、佐藤委員
反対: 高田委員 22
2.対外公表文( 「当面の金融政策運営について」 )
議長 から、対外公表文( 「当面の金融政策運営について」<別紙>)
が提案され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会
合終了後、直ちに公表することとされた。
Ⅵ. 「経済・物価情勢の展望」の検討
続いて、 「経済・物価情勢の展望」の「基本的見解」の文案が検討さ
れ、 多数意見が 形成 された。
これに対し、 高田委員 からは、 ①経済の見通しについて、 「中東情勢
の影響を受けつつも、グローバルなAI関連需要の増加により、交易
条件の悪化が生じにくいほか、政府による各種施策や緩和的な金融環
境等が経済を下支えすると考えられるため、わが国経済は、緩やかな
成長を続けるとみられる」とすること、②物価の見通しについて、 「基
調的な物価上昇率を含め、消費者物価は既に概ね 「物価安定の目標 」
に達する水準にあると考えられる」とすること、 などを内容とする議
案が提出され、 採決に付された。 採決の結果、 反対多数で否決された。
採決の結果
賛成:高田委員
反対: 植田委員、氷見野委員、内田委員、 田村 委員、 小枝委員、
増委員、 浅田 委員、佐藤委員
田村委員 から は、①消費者物価の基調的な上昇率について、 「 「物価
安定の目標 」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる」とするこ
と、②中長期的な予想物価上昇率について、 「概ね2%程度の水準で
推移すると考えられる」とすること、などを内容とする議案が提出さ
れ、採決に付された。 採決の結果、反対多数で否決された。
採決の結果
賛成:田村委員
反対: 植田委員、氷見野委員、内田委員、 高田 委員 、小枝委員、
増委員、 浅田 委員、 佐藤 委員
議長 から、会合における多数意見 を取りまとめるかたちで、 「基本的
見解 」の議案が提出された。採決の結果、 賛成多数 で決定され、会合
終了後、 直ちに公表することとされた。 また、 背景説明を含む全文は、 23
8月3日に公表することとされた。
採決の結果
賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、 小枝 委員、 増委員、
浅田 委員、 佐藤 委員
反対: 高田委員、田村委員
Ⅶ.議事要旨の承認
議事要旨( 2026 年6月 15、16 日開催分)が全員一致で承認され、
8月5日に公表することと された 。
Ⅷ.金融政策決定会合の開催予定日の承認
2027 年の金融政策決定会合の開催予定日が全員一致で承認され、 会
合終了後、 公表することと された 。
以 上 24
202 6年7月31日
日本銀行
当 面 の 金 融 政 策 運 営 に つ い て
日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会
合までの金融市場調節方針を、 以下のとおりとすることを決定した (賛成8反対1)(注)。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.0%程度で推移
するよう促す。
以 上
(注)賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、田村委員、小枝委員、増委員、浅田委員、佐藤委員。
反対:高田委員。高田委員は、海外発のディマンドショックによる物価の上振れリスクや海外
の金融環境の転換に即応した機動的な対応が必要な新たな局面に入ったとして、 無担保コール
レート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すとする議案を提出し、反対
多数で否決された。
別 紙