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若田部副総裁記者会見(2月3日)要旨 [PDF 301KB]

SPEAKER記者会見(2月3日)要旨

PUBLISHED04/02/2021, 00:00:00
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2021年2月4日

日本銀 行

若田部 副総裁 記者会見要 旨

―― 2021年2月3日(水)

午後2時から約30分

(横浜市・東京間オンライン開催)

(問) 二点質問させて頂きます。まず一点目ですが、本日午前中に開かれま

した金融経済懇談会で、地元の経済界の方たちとどのような意見交換がされた

のかを簡単にお聞かせください。また、二点目ですが、神奈川県の経済につい

て現状どのようにみていらっしゃるか、それから先行きの課題についてどのよ

うな認識を持っていらっしゃるか、教えてください。

(答) 本日の懇談会では、 神奈川県の行政、 金融経済界を代表する方々から、

当地経済の現状や地域経済が直面する課題などについて大変貴重なお話を伺

いました。大変率直な生の声を聞けたと思います。また、日本銀行の金融政策

運営に関する率直なご意見、ご要望を数多く頂き、大変有意義な意見交換がで

きました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。懇談会での話題は

多岐にわたりましたので全て網羅することはできませんが、私なりに席上で

伺った話を整理して申し上げたいと思います。

まず、足許の神奈川県の景気は、ひと頃よりは持ち直してはいるもの

の、新型コロナウイルス感染症の影響から当地が緊急事態宣言の対象地域とな

るもとで、引き続き厳しい状況にあるとの見方が多く聞かれました。先行きに

ついても、感染症の動向は不透明感が強く、ここからが正念場との見通しを

伺ったところです。

当地の経済動向については、製造業と非製造業、また、非製造業の中

でも財消費とサービス消費の間で、二極化が進んでいるとの見方も伺いました。

製造業では輸出主導で持ち直しの動きがみられるほか、家電販売は巣ごもり需

要を背景に堅調な動きとなっている一方、飲食・宿泊・観光等のサービス業で

は、感染症の影響から、売り上げや来客数への一段の下押し圧力が強まってい

るとの声が多かったです。

こうした状況下、行政や金融界、経済界では、様々な支援策を講じら

れており、中小企業の資金繰り支援や雇用維持に向けた取組みを強化されてい

るとのお話を伺いました。オンラインでの支援の拡充など、従来の手法にとら

われず、関係機関が連携して創意工夫しながら、地域一丸となって事業者に寄

り添った支援を進めていくとのお話を伺い、大変心強く感じたところです。

金融界の方からは、感染症の影響で厳しい状態にある地元企業の資金

繰りを積極的に支援してきているとの声が聞かれました。足許では、厳しい経

営環境を映じて、制度融資実行や助成金受取りにより歩留まりしていた預金を

取り崩す動きも一部でみられているため、今後の動向を注視していくとの見方

も伺いました。また、企業経営者の高齢化が進展するとともに、感染症の影響

で生活様式が大きく変わるもと、地域金融機関として、経営コンサルティング

業務の強化や事業承継サービスをはじめとする、中小零細企業の事業改革に向

けた取組みを一段と進めているといったお話も伺いました。

日本銀行に対しては、先行きの不確実性が大きい中、金融市場には神

経質な動きがみられることも踏まえて、政府と連携して適時適切な政策運営を

お願いしたいといったお話がありました。特に、中小企業向けの資金繰り支援

が滞ることのないよう、一層目配りをお願いしたいとの声が多く聞かれました。

また、政策変更などのメッセージ、コミュニケーションについては細心の注意

を払ってほしいとの要望もありました。

私どもとしては、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、

必要があれば、金融政策面の対応を躊躇なく講じていく方針です。また、本日

お伺いしたお話も踏まえつつ、神奈川県の金融経済情勢について、横浜支店を

通じて丹念に調査し、神奈川県経済を支える関係者のご努力がより大きな成果

へとつながっていくようサポートしてまいりたいと思います。

続いて、二つ目の質問である神奈川県に対する印象や先行きですが、

神奈川県経済については、足許の新型コロナウイルス感染症の影響とともに、

向こう数年のうちにも人口減少に転じることが見込まれており、少子高齢化が

経済に与える影響も強まる可能性があります。従って、短期的なコロナの影響

と、もう少し中長期的な影響があるということです。こうした経済への下押し

圧力に対して、当地では、将来を見据えて経済成長を実現しようとする取組み

が非常に活発であるように見受けられます。講演でも申し上げましたけれども、

少子高齢化がそのまま経済の停滞につながるわけではなく、そこにどう対応し

ていくのかが大事だということです。

その観点からは、神奈川県では三つほど特徴があると申し上げました。

一つ目は、横浜みなとみらい21 地区や国家戦略総合特区で、学術・研究機関の

誘致・集積が進んでおり、先端産業の育成が着実に進展していることです。今

後、産・学・官が連携した共同研究の実現などにより、国際的な競争力を有す

る先端産業が育成され、技術革新のエンジンとなっていくことが期待されます。

二つ目は、首都圏に位置するという地理的な優位性に加え、圏央道をはじめと

した交通インフラが整備・拡充されていることから、県中央部を中心に最新鋭

の設備を備えた大型物流施設の着工が相次いでいることです。こうした物流の

効率化・高度化は、 産業を問わず、 生産性向上に寄与するものです。三つ目は、

観光資源があることです。歴史や自然、都市型施設などのバラエティに富んだ

観光資源に恵まれています。新型コロナウイルス感染症の影響から、この観光

産業は、足許非常に厳しい状況にありますが、消費者行動の変化に柔軟に対応

するように、滞在型の観光業を展開するなどの前向きな動きがみられているほ

か、より長期的な視点に立った観光振興も活発であるといったことを申し上げ

ました。

懇談会でも触れましたが、私は横浜に生まれて、藤沢で育ちましたの

で、当地に対しては思い入れがあると自負しています。今後とも、約160 年前

の開港以来培われてきた環境変化に対する「先見性」、 「柔軟性」、 「適応力」

といった当地の強みを最大限に生かし、新しい環境に果敢に挑戦し、更なる成

長・発展に向けて力強く歩まれていくことを期待しています。

私ども日本銀行と致しましても、横浜支店を中心に、神奈川県経済の

持続的な成長に向けた取組みに対して貢献できるよう努めて まいりたいと思

います。

(問) 3 月の政策点検ですけれど、イールドカーブ・コントロールの運営と

金融資産の購入、 この二点が点検項目になると思います。 そのイールドカーブ・

コントロールの運営の方なのですが、これが点検項目に挙がってきた問題意識

あるいは点検するうえでの課題というものはどういったところなのか、副総裁

のお考えをお願いします。

(答) 今、点検の最中なので、具体的に点検の作業としてどのようなことを

行っているかについてお話しするのは、時期尚早かと思います。ただ、もちろ

ん問題意識としては、講演でもお話ししたように、このように金融緩和を続け

ていて、その成果は一定程度上がっていると考えています。残念ながら 2%の

「物価安定の目標」には到達していませんが、その 2%の目標があるがゆえに

金融緩和を続けており、それによって需給ギャップが正の方向で拡大する、つ

まり需給がタイトになる方向に経済が動くことで、雇用をはじめとして実体経

済には良い影響があると思います。それにより色々と時間的なラグなども伴い

つつ、雇用者報酬も増えていくので、イールドカーブ・コントロールの基本的

な枠組みは方向として間違えていないようには思います。ただ、まさに緩和が

長期化していること、更に 2%までには距離があることを踏まえて、現時点で

どのような点検を行うべきかということになります。やはり「物価安定の目標」、

2%に到達するためには、確実にそこへ向けて金融緩和を行わなければ なりま

せん。キーワードとしては、持続性、有効性を挙げていますが、そこへ加えて

機動性も踏まえてやるべきだと思います。今回のような危機が起きた時に、ど

のような更なる有効な政策手段があ り得るのかを点検すべきではないかとい

うことで、このような問題意識で今回の点検に臨んでいるということです。

(問) 講演の中で、若田部さんが言われていた、実質金利は重要だということ

だと思うのですが、 現状、名目金利はそれほど上がってないと思うのですけれど、

物価の方がやはり下がっていて先行きも弱含みにみていらっしゃると思います。

その中での足許の実質金利の評価と、仮に将来実質金利が上がってきた場合に

日銀としてどういうことができるのか、それをお伺いできればと思います。

(答) この手の講演では多少珍しいかもしれませんが、1923 年のケインズの

言葉を引いて、なぜ実質金利が大事か、ということを書かせて頂きました。現

代の金融政策の基礎にあるのは、名目金利ではなく実質金利を動かすことであ

り、これは日本銀行の現在の政策枠組みの基礎でもあります。講演の図でも示

したように、名目金利と予想インフレ率の二つで実質金利が決まってくるとい

うことです。ご指摘のように、今の名目金利は、多少安定していますが、実質

金利の方は物価の上昇率、あるいは物価予想が少し弱含んでいる中で、それほ

ど下がっていないのではないかというご指摘もあるかと思います。しかし、図

をみて頂ければ分かる通り、多少実質金利が上がっているとはいえ、まだマイ

ナス圏内に入っている状況ですので、そのこと自体をもって、大変心配してい

るということではありません。これはどこまで信頼できるかによりますが、例

えばBEIでみた予想インフレ率が、最近は日本でも少し上がりつつあるとい

う状況ですので、その部分で大きな課題が今あるわけではありません。ただ、

先行き実質金利が異常に急騰してしまうことが起きないように政策運営をす

べき、というのはその通りで、そこでイールドカーブ・コントロール、あるい

は予想インフレ率にどう働きかけるかという部分がやはり重要になってくる

だろうと思います。従って、枠組みを前提とするならば、2%の「物価安定の目

標」を目指すというコミットメントがやはり重要で、そのコミットメントがあ

る中で、名目金利に関しては、必要であればそれを下げていくような政策操作

が必要になってくるだろうと考えています。

(問) 先ほどの質問に対する答えとも関連するのですが、今回のキーワード

の中で機動性というものを挙げておられます。例えば、YCCやETFの買入

れもそうなのですが、YCCは既に国債の買入れ上限額は撤廃されていますし、

ETFについても上限 12 兆円の範囲内で機動的に動けるという状況であるよ

うに見受けられ、現時点で機動性という点でどこに問題があるか、なかなか分

かりづらいところがあるのですが、若田部副総裁として、もう少し踏み込んだ

問題意識をおっしゃって頂けると幸いです。

(答) 今の政策で、特に機動性において大きく問題があるとは考えていませ

ん。現状で、それなりに経済対策、私どもが打っている対策は奏功してきたの

ではないかということをお示ししました。ただ、あり得るとすれば、これから

先にも当然、危機はどこかの時点で起きる可能性があるので、そうした時に対

して備えが十分であるのかということです。持続性、有効性に対してだけでは

なく、そうした次なる危機、あるいは経済に急激な変調が訪れる時に何ができ

るかは、常に考えておかなければならないと思います。

(問) 午前中のご挨拶の中で、物価情勢に関連してのご発言で、特に為替相

場の変動が物価に及ぼす影響については、最大限の関心をもって注目している

というご発言があったと思いますが、これが意図するところを、副総裁のお考

えをお聞かせ頂けますでしょうか。

(答) 為替そのものは日本銀行の所管ではないので、特定の為替水準などを

念頭においた発言ではありません。しかし、ここまでの日本の 20 年、30 年く

らいの歴史をみたときに、資産価格の大きな変動、景気の変動によりその後の

経済の大幅な収縮、不況、最終的にはデフレ不況に陥ってきたということがあ

ります。従って、資産価格の変動、とりわけ非常に動きやすい為替が物価に対

してどう影響するかは、ここまでの 30 年くらいの歴史を紐解いたときには必

然的に出てくる話ではないかと思います。今の枠組み、あるいは2013 年の「量

的・質的金融緩和」から始まり、2016 年 9 月からの「長短金利操作付き量的・

質的金融緩和」へと進化していった過程で、何が達成されたのかということを

講演でもお示ししましたが、一つは、いくつかある中の一つですけれども、金

融市場が安定したことです。「安定した」という中には、大幅な、過度な円高

が是正され、株価についても、過度なといいますか非常に大幅な株価の下落が

反転したということがあります。逆にいうと、金融政策として、それ自体を目

的としているわけではないですが、物価に影響を及ぼすという中間段階でみて

おくべきこととしては、例えば為替があるのではないかということです。最近

は多少動きがなだらかになっていますが、少なくとも米ドルでみた限り、ここ

まで多少円高方向へとじりじり推移しました。このこと自体は、名目実効為替

レートでみたら必ずしも円高というわけではないという議論がもちろん成り

立ちますが、米ドルというのは色々と人々の注目も浴びやすいところではあり

ますので、そうした動きが経済ひいては物価にどう影響するかしないのかは

しっかりとみておく必要があることを、念を押すということで発言しました。

(問) 午前中の挨拶の中で、物価上昇圧力を吸収しているものとして、企業

の生産性向上余地や弾力的な労働供給というものを挙げていらっしゃったと

思います。昨今デジタル化などが一段と注目されていると思います。点検の対

象外かもしれませんが、日本銀行としてより積極的に生産性向上に働きかける

必要性についてどうお考えでしょうか。

(答) 生産性向上は、生活水準を最終的に上げていくうえではきわめて重要

なことだとは思っています。 それに対して、 中央銀行が何ができるのかは、 色々

と試行錯誤があると思います。例えば、成長基盤強化支援は、日本銀行として

何かしら成長力向上に役立つことはないかということで行 っていると思いま

す。 非常に一般的にいうと、 経済を成長させること、 経済を安定化させること、

そして得られた果実をいかに分配していくかという所得の再分配と、この三つ

は基本的には違う目的があります。中央銀行が果たす金融政策の目的は経済の

安定化の部分で、好不況の波を小さくしていくことなので、そのこと自体は生

産性の向上とは直接は関係ないというのが一つの理解です。ただ、そうは申し

上げたうえで、最近でも2017年だったと思いますが、例えば、日本銀行調査統

計局と東京大学が景気循環と経済成長の関係 について共催したコンファレン

スでは、景気を安定化させると、要するにあまり不況が起きないような状況を

作り出すことにより、企業の設備投資が安定的に行われる、あるいは人的資本

の投資が安定的に行われる可能性が議論されました。そうしたことは回り回っ

て生産性を向上させることにつながっていくことで、経済の安定化を進めると

経済成長も進むのではないかという議論を立てることはできると思います。

従って、需給ギャップをプラスの領域にずっとおいておくことで生産性の向上

に資してくるのではないか、というのがこれまでやってきたことです。その場

合問題なのは、当然、生産性をどう測るかです。普通に労働生産性でみた限り

では、日本はQQEが始まって以来、上がっているのは事実ですが、他の生産

性を測る基準、例えばTFPなどでみたときには、それほど上がっていないの

ではないか等々、色々な議論があり、 生産性の問題そのものは非常に厄介です。

ただ、最初の話で、日本銀行として何ができるのかの話でいうと、そうしたと

ころにお金が流れていくことを金融的に支援していく動きと、中央銀行として

の日本銀行の本分である金融政策をきちんと行うことにより、経済を安定化さ

せ、それが経済成長へつながっていく、という二つの経路、チャネルを考える

ことができるのではないかと思います。それ以上にということになると、また

何か色々と新しいことを考えなければならないわけですが、色々と模索中であ

ると申し上げたいと思います。

(問) 二点あるのですが、まず、より機動的に将来のショックに対応できる

枠組みにするうえで、例えば金融機関への収益の影響とダメージが大きいとさ

れているマイナス金利政策、マイナス金利の深掘りがよりしやすくなるという

のも点検の中で議論になり得るのかについてです。次に、成長戦略との絡みで

伺いたいのですが、政府は今グリーンですとかデジタルといった政策を成長戦

略の重要な柱としていますが、日銀が例えば金融機関への融資制度を使ってこ

うしたものを後押しする、グリーンやデジタルに資する投資を活発化している

企業に、例えば融資する金融機関によりお金が流れやすくする、そういったこ

とを検討する余地はあるのでしょうか。

(答) 最初の点ですが、これは点検の作業中ですので、詳細についてお話し

するのは控えたいと思います。二番目の成長戦略との絡みは当然興味深い話で、

先ほどの話の続きでいうと、既にある成長基盤強化支援以上に、より踏み込ん

だものがあり得るのかということは、少なくとも点検という枠組みで考えるな

らば、点検の範囲ではないだろうとは思います。ただ、長期的にみてグリーン

とかデジタル、あるいはそれにかかわらず成長力をいかに強化していくかとい

うところで金融がいかに関われるのかというのは、非常に大きな問題ですので、

そのことについては今後とも議論と検討を重ねていきたいと考えています。

(問) 午前の講演の中で、現在の金融緩和のもとで、概ね想定したメカニズ

ムに沿って経済、金融が推移しているというふうにおっしゃられたのですが、

依然として物価 2%が遠いのが実情です。政策点検に当たっては、そうした物

価 2%がなぜ達成できていないか、こういった理由についても分析、点検して

いくことになるのでしょうか。また、なぜ金融が機能していながら、緩和が機

能していながらも、物価 2%に達していないことについて、どう考えるのか改

めて教えてください。

(答) 点検作業中ではあるのですが、当然、その 2%を達成していないとこ

ろを問題意識として出発しているので、なぜ 2%に達していないのかも、点検

の重要な項目であるのは事実です。ただ、それについてどう考えるかについて

は、作業中なのでコメントを差し控えさせて頂きたいと思います。私自身がど

う考えるのかも、まさに点検作業中なので、あまりお話しするわけにはまいり

ませんが、講演でも申し上げたように、2%を達成できないから 2%を諦めるべ

きとの議論には全く賛成しません。それは私は全く考えていません。従って、

長年やっていても達成できないのだから、それは目標が悪いとか、手段が悪い

といったことが言われますが、目標は正しいと考えています。これは他の中央

銀行、FRBですとかECBなどでも、今レビューを終えた、あるいは今進行

中ですが、その中で目標値を達成できていないから諦めるべきといった議論は、

全く行われておらず、むしろ逆であるということです。では次に、今やってい

る緩和でどこがどう効いていて、どこがどう効いていないのかと、その効果の

程度というのが数量的にどうなのかということは、点検作業の中で出てくると

は思いますが、それについては現在点検中です。

(問) 一点、景気で教えてください。昨日、10 都府県で政府による緊急事態

宣言延長というのが決定されましたけれども、これによって経済回復のペース

が遅れたり、回復シナリオの修正みたいなものが必要になったりするとか、そ

の辺りについて教えて頂けますでしょうか。

(答) 講演でも申し上げましたが、今の危機、コロナショックの性質という

のは、一つは不確実であるということです。これは、感染症の動向もそうです

し、 ワクチンについても不確実性があるということだと思います。 そのもとで、

更にその影響は不均一性、アンイーブンという言い方をしていますが、 製造業、

非製造業といったときには、非製造業の方に強く影響が出ていて、非製造業の

中でも対面型サービス消 費と呼ばれるところが非常に強く影響を受けてい ま

す。そのこと自体が経済の下押し圧力になるということだと思います。 従って、

緊急事態宣言の延長は、当然、何も対策をしなければ、対面型サービス産業の

消費の部分に更なる下押し圧力がかかるということは想定できると思います。

そのうえで、計数的にどのくらい落ち込むのかについては、政策委員がそれぞ

れ出している数字を集計したものはありますが、政策委員の方々がどう考えて

いるのかはよく分からないわけです。緊急事態宣言についても、ある程度の延

長があると見越して、あのような数字にされている方がいらっしゃるかもしれ

ないですし、あるいは、下振れリスクが大きいというときには、下向きの三角

印を付けるという形で対応されている方もいらっしゃるかと思います。緊急事

態宣言の延長があると、予備費もあるわけですし、各種対策という話も当然出

てくると思うので、結果としてはこの二つの綱引きで決まってくるのではない

かということは想定できます。ただ、それをどう全体の見通しに反映するのか

という部分は、政策委員がそれぞれ考えることだと思います。

以上

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