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202 5 年 2 月 20 日
日本銀行
高田 審議 委員 記者会見
―― 202 5 年 2 月 19 日( 水 )午後 2 時 30分 から約 40 分
於 仙台 市
(問)
二点質問させてください。本日午前中にありました懇談会でお話した内容、そして
もう一点が、宮城県の金融経済情勢に対する認識についてお伺いしたいです。
(答)
今日の懇談会の内容ですけれども、こちらの行政、経済界、金融界を代表する方々
から、こちらの経済の現状、それから直面する課題に関するお話をお伺いするとと
もに日本銀行の金融政策運営に関する貴重なご意見を多数承りました。とても有意
義な意見交換ができたと私は思っておりまして、そういう意味で懇談会に出席され
た皆 さま 方にこの場を借りて厚く御礼申し上げたいと思 い ます。今日の懇談会です
けれども、意見が非常に多岐にわたっているために、なかなか全部網羅してご紹介
することはできない の ですけれども、私なりに話題を整理して いったん 申し 上げた
いと思 い ます。 まず足 元 の宮城県の景気については、個人消費の緩やかな回復など
を背景にして持ち直しているとの見方が大勢であったと思います。ただ一方で 、 宮
城県の大きな特徴とも 言 える人口減少、こ れはどこの県も同じですけれども、それ
から人手不足とその 強まり、これも本当に多くの方から聞 かれ ました。それからイ
ンバウンド客の獲得余地の 存在 、エネルギー価格の上昇に伴う いろ んなコストの上
昇、そういう意味での経営環境と い うんでしょうか、なかなか厳しいという声も多
数伺 い ました。それから、や は り重要な人手不足の対応としては、多くの先が賃上
げの取り組みに言及されておられましたけれども、ただ、企業の皆 さま の経営努力
に加えて、行政による いろ んな施策と い うんでしょうか、進捗は み られているけれ
ども 、一方で、引き続き厳しい価格転嫁の状況で、確かに賃上げはする の だけ れ ど
防衛的な状況であるという声が多いというご指摘も頂いた わけ です。この点、持続
的な賃上げには一層の価格転嫁 [が重要 ]だとか、そういったお話も承りましたし、
また一方で、や は りこの賃上げを行うことで経営者の経営力が試されて い るんじゃ
ない か 、 というご意見 を 伺ったのも非常に印象に残りました。それから金融界の皆
さま 方からは、や は り金利が 出 て きたことで金利の変動に対する対応をこれからど
うしようか、それから厳しい経営環境を通じて倒産の 増加 もみられておりますので、
今後、地元の企業に寄り添った支援、 資金繰りの サポート、それから地域活性化に
向けた いろ んな取り組みをしていくというような 声が 聞かれたということでありま
す。また、地域創生、産業 力強化ということについて は、これも行政の 方 も含めて
いろ んなご意見がありました。特に昨年 4 月に稼働開始した次世代の放射光施設
「 NanoTerasu ( ナノテラス ) 」といった、当地独自、非常に心強い試み
というものもあったものですから、実は私も昨日これを見学させて 頂いた の ですけ
れども、や は りこうした取り組みが宮城県の 潜在力 の発揮に つな がることを私とし
ても期待したいなと思って い ます。日本銀行としては 、 こうした実体経済の状況を
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踏まえた うえ で、 経済 、それから物価 ・ 金融情勢に応じた適切な金融政策運営をす
ることで、宮城県経済の発展に貢献したいなと思っているところです。
それから 二 番目にご指摘 頂いた 宮城県の経済に対する私なりの認識ということです
けれども、宮城県はもう言うまでもありません が 、東北 唯一の政令指定都市である
仙台を中心に 、一 次産業、それから 三 次産業のウ エ イト が高くて豊富な観光資源を
有して い るわけです 。 この点 、 や は り足 元 にかけてはインバウンドの増加もあって 、
サービス 消費を 中心とした個人消費が緩やかに回復しておりま す。ただ、 インバウ
ンド [の人数 ]については、まだ 1% [台] なんです 、 全国の 。 そういう意味からす
ると私はもう一段、潜在力があるんじゃないかと思っているところで す。 それから、
製造業については近年 、半導体、それから自動車関連の集積が進んで い るというの
が 印象的だと思います 。足 元 にかけては半導体関連の需要の持ち直しや堅調な生成
AI 関連の需要もあって 、 生産の持ち直し の 動きが出てきて い るかなと思 って い ま
す 。 また 、中長期的な目線に基づく能力増強 投資 、 それから新規 出店、 それから生
産性向上を 企図 した省力化 投資 といった企業の設備投資が増加している点も宮城県
の経済を下支えすると思って い ますし、そういう点を踏まえた うえ で、持ち直して
い るということだろうと思います 。 ただ 、 これまでの [東日本大 ]震災からの 復興、
そうした中で今後も 、 より行政も含めた支援をどうするかといった点も聞かれたの
も印象的でありました。また 、 こうした動きの中には、先ほどの繰り返しになっち
ゃう の ですけれども、賃上げもある中で、今後の宮城県の 経済を 占う うえ で 、 どの
ぐらい [の水準] の 賃上げ に なってくるのか、先ほど 防衛的 という話もありました
けれども、こうした人手不足 、 それから賃金と物価の好循環が実現するかどうか 、
こうしたところがや は り今後の持続性を占う うえ でも重要になってくるんじゃない
か なと思います。 そういう意味で私自身、宮城県について み ると、や は りいろんな
意味でまだまだ潜在力はあるわけ です から 、 それをどういうふうに活 かしていける
か、それを企業と一体となってどうできるか と いうところがポイントになるんじゃ
ないかと 思っております。
(問)
まず 一 点お伺いしたいんですけれども、今回の要旨の中でですね、ギアシフトとい
う言葉、もう一段ギアシフトというお話ありましたけれども、これは前回の 9 月の
時にも確か使っていたかなと思いまして、例えばその 9 月から 2 月になりまして、
そのギアシフトの意味合いであったりとか、例えばもう少し利上げのペースを早め
るとか、何かそういう意味合いについて少しお伺いできますでしょうか。
(答)
ギアシフトという言葉は、実は去年の 2 月 (注 1) から使って い まして、昨年の 9 月も
使いましたし、そういう意味で い うと金融緩和の度合いをどう調節していくかとい
う言葉の中で使わせて 頂いた ということです。これはこの 1 年間私も一貫して申し
上げているのが、結局企業の前向きな動き、今日の報告の中でも、や は りバランス
シートとそれから損益計算書 と いうんでしょうか、バランスシートで み れば、バラ
ンスシートを拡大させる、これまで縮小して い ましたから、そういうところを拡大
させる動き、設備投資に代表される [動きです ]。 また一方で、損益計算書で み ると、
お金を使っていく、そういう意味からすると、賃上げであるとか、価格転嫁である
とか、そういったとこ ろの前向きな動き、好循環というものが続いていく の であれ
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ば、だんだんギアシフトしていくということで使ってきましたので、そういう意味
では、昨年の 2 月 (注 1) も、それから去年の 9 月のときも、そんな思いで使わせて 頂
いて い ますし、また一方で、そういう企業の動きが、この 1 年間も含めて私は前向
きな動きが続いていると思っておりますので、そういう観点からすれば、今回にお
いても、もうちょっとギアシフト、ある面 、 企業の前向きな動きに沿って、その動
きの中でだんだんと緩和の度合い、それを調節していくという かたち で使っていま
す。ですから、そういう言葉を使わせて 頂いた ということは、そういう企業の前向
きな動きが、依然続いているということを前提にしておりますので、それが急に早
まったとか、別に遅くなったという思いは特にありません。ただ 、 ある程度持続的
という の でしょうか、少なくともこの 1 年間そういう動きが続いている、振り返れ
ばそういう動きを背景として、昨年の 3 月であり、また昨年の夏であり、また今年
にもそれなりの 変革 が行われているし、また一方で 、 これからもそういう動きを み
ながら、調節をどうしようかということを当然考えていきたい なと思っています。
(問)
もう 一 点なんですけれども、トランプ大統領が就任してからちょうど 1 か月くらい
になります。要旨の中でもですね、不確実性という言葉がありましたけれども、 1
か月経ってみてまだちょっと分からないところもあると思うんですけれども、どう
いった不確実性があるというふうに高田審議委員は思うというか、考えていらっし
ゃいますか。
(答)
不確実性はもういくらでもあります。だからそれを言い出したらキリ が ない と いう
ことだと思います。ただ、私自身トランプ政権のところをどう評価するか と いうの
は、なかなか難しいわけですけれども、少なくともアメリカの実体経済を み ており
ますと、例えば今年の 1 月のIMFの見通しも 随分 上方修正されていますし、雇用
環境も結構堅調な状況が続いているということを考えますと、そういう意味での、
これまで昨年からずっと利下げをしていて、その背景には雇用の減速があったわけ
ですけれども、そういう意味での先行きに対する経済の不確実性は低下していると
考えていいんじゃないかなと思います。ですから、私自身、今日の午前中の講演な
んかでもそうな の ですけれども、場合によっては、ソフトランディン グというより
は、タッチ ・ アンド ・ ゴーの可能性もと申し上げたということでもありますし、ま
た一方で、トランプ政権が 1 か月経って、そういう意味では、もちろん不確実性は
続いてはいるわけですけれども、少なくとも金融市場、また実体経済、そうした中
の大きな不確実性が増しているということではないのかなと思っています。ただ一
方で、これからも、経済は生き物でありますから、変動することがあるし、また一
方で、新しい政権、アメリカも変わったわけでありますから、そういう中での、こ
れから政策がどう出てくるかというところもありますから、そ の辺は予断なくみて
かなきゃいけないなとみています。少なくとも言えるのは、昨年まで み えていたよ
うな経済の減速、もしくはそれに伴う政策の 変更 、そういうものは 随分 変わったん
じゃないかなと み て い るということです。
(問)
二問お伺いします。足 元 ですね、日銀の追加利上げ観測の強まりなどを背景に長期
金利が 1.4%を超えて上昇しております。緩和的な環境を維持するという観点でち
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ょっとお伺いしたいんですけども、本日の講演の図表 10 をみますと、実質長期金利
のところがですね、引き続きマイナスにはなっているんですけれども、 1.5%を長期
金利が超えてくるとプラスの領域に入ってくるような感じにも み えます。こういっ
たプラスの領域に近づくというか、入ってくるというか、 そう いう場合、緩和的な
環境の観点で問題はないのか、高田委員のご 自身 のスタンスをお願いします。
(答)
長期金利に関してですけれども、私、基本的には長期金利の動き と いうのは市場の
中の動きでありますから、それについてあんまりコメントする もので もないのかな
と思っております。ただ一方で、昨年の 3 月にイールドカーブ ・ コントロール、Y
CCをやめている わけ でありますから、こういう意味から して、経済の実態に沿っ
たいろんな思惑、その中で長期金利も動いているということなんじゃないかと思い
ますので、そういう意味では、ある面でそういう政策の変更に関する動きが 出て き
たのかなと思っているところです。また一方で、図表 10 のところで つ け させて 頂い
た 実質長期金利ですけれども、こちらにありますように、確かに長期金利のところ
が上がってくれば、物価のところを一定とすれば、そこのところでそれが縮まって
くるということはあろうかとは思いますけれども、ただ 、 まだ幅はあると思って い
ますので、そういう意味からしますと、先ほどから繰り返しのように、YCCをや
めた後の先行きに対する経済ですとか、それから物価に対する見通しですとか、そ
ういったものを普通に反映したものじゃないかなと私は思っています。
(問)
二点目なのですが、ちょっと本日の講演で特に言及はなかったんですけれども、保
有ETFの処分についてお伺いしたいと思います。過去に銀行から買い取った株式
の売却についてですね、少額で売っていたので今年の夏頃にも終わりそうだという
状況だと思うんですけれども、そういった少額でですね、ETFを処分し ていく、
まず一つ考え方としてあり得ると思うんですが、ETFの処分につきまして基本的
な考え方を、ちょっと今、タイミングも含めて高田委員にご 見解 をお伺いします。
(答)
いろんな見方はあるのかも知れませんけど、私自身としては、ETFの売却、すぐ
の議論ではないのかなと思っております。これについてはある程度時間をかけた対
応がや は り必要なのかなと思っておりますので、今の時点で、これをどういう方向
にするという意識を持っているということではなく、時間をかけながら、これ自体
もこれが政策の対応でということではなく、もう少し 時間をかけて対応したいと思
っております。
(問)
本日の講演で言及はなかったですけれども、 6 月の国債買入れ減額の中間評価につ
いて、どういった要素を判断材料として、計画 、 考えていくべきとお考えかお聞か
せ 頂け ればと思います。
(答)
こちらに関しては、昨年の 7 月から減額ということで対応を [決定 ]している わけ で、
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また 6 月のところで中間評価をということになろうかと思います。こちらについて
は、私は先ほども繰り返しておりますように、もう 既に イールドカーブ ・ コントロ
ールを実際にやめて い る と いう意味で市場に任せたというような状況であります。
ただ一方で、日銀がかなりの金額の国債を保有しているということもある中で、そ
ういうこともあって減額をしていく中で、例えば市場のボラティリティであったり
とか、それから流動性の状況であるとか、市場機能、それから年限のところによっ
てはいろんな需給みたいなところを左右することもあると思いますから、そういう
ことを念頭に置きながら、ただ一方で、先ほど申し上げたように、YCCをしてい
る状況ではもうない わけ ですから、市場の動向に自由に任せていくという状況の中
で、ただ一方で、あ んまりこちらの変動、ボラティリティが高まったりということ
は避けながら安定的に対応していきたいなと思っております。ただ、まだ先の状況
でもありますので、これからいろんな状況を み ながら考えていきたいなと思ってい
るところで、まだ依然として、この段階で私自身、何か方向性を決めているという
ことではありません。
(問)
午前中の講演で言及されてました物価の上振れリスクについて伺いたいんですけれ
ども、講演の中でですね、米国の経済の上振れに伴うアメリカ金利上昇や円安の進
展に合わせて、今年の春闘で大幅な賃上げがまた実現した場 合には、物価が上振れ
るリスクに注意する必要があるというふうに言及されてますが、こうしたリスクが
顕在化する可能性というのがどの程度高まってきて、どういったタイミングでこう、
出てくるという ふう に み ていらっしゃるのかというのをまず伺えますでしょうか。
それと 併せて ですね、関連してなんですけど、ちょっと別のところで物価の上振れ、
金融過熱のリスクが顕在化しないように今後も段階的にギアシフトしていかなけれ
ばならないというような趣旨の話もされてますけれども、こういう物価上振れのリ
スクに対して先取りして追加利上げで対応しなければならないような可能性が高ま
ってきているという ふう にご認識されているのかどうか、その 辺り も二つ。
(答)
物価の上振れというか物価の見方と言った方がいいかもしれません。これについて
は今日の午前中のところでは、私 、 三段階の視点からということで図表もつけさ せ
て 頂いて い ます。こちらはこれまでの 2022 年以降の物価、それから賃金動向という
ことですけれども、第一段階として原材料価格の上昇という第一のビッグ・プッシ
ュという言い方をして い ます。それから第二段階として、賃上げ、 2022[年 ]、
23[年 ]、 24[年 ]、それから 25[年 ]という、今年もそれなりのという思いも込めてと
いうことですけれども、そういう中での賃金上昇の価格転嫁への [波及 ]、それから
第三段階として、私はこのサービス [価格 ]、今年の春闘も受けた うえ で、 25 年度以
降、例えばサービス価格に予想物価上昇率の底上げも含めて、国内要因のところで
の上昇、こういった要因が今出てきているんじゃないかなと。ですから、それぞれ
について、もし上振れ・下振れ両方 もちろん あるとは思うんですけれども、どちら
かというと第一段階、第二段階のところはもう終わった状況でありますから、どち
らかといえば上振れのところにかかってきたと思います。そういう意味では今後の
ところも両方の部分がある の だろうと思 いますが 、私はどちらかといえば上振れの
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リスク、変動があるとすればということにはなる の ですけれ ども、一つ目のところ
は原材料価格、場合によっては国際商品市況であるとか、為替の影響もあるかもし
れません。それから二段階目のところでいえば、賃上げ、特に、最近については人
手不足が結構大きなところになっていますので、上振れというほどじゃないかもし
れませんけれども、そういうものに牽引された動きが、特にそれが 25 年度以降とい
うことになれば、要は国内全体の底上げの中でということなんだろうと思います。
もちろんこれを上振れというほどではないのかもしれませんけれども、少なくとも、
これまで み ていた要因としてそういうような影響 が働きやすい、ですからそういう
中で、これは期待を込めてということではあるんですけれども、物価安定の目標実
現に向けた動きにどこまで近づくことができるのかなと、そんな状況だと思います。
ですから、 もちろん 上振れとかなんとかという次元ではないと思う の ですけれども、
そういういくつかの変動要因、こうしたものがどちらかといえば上昇の方向に各項
目ともに要因としては存在していると言っていいんじゃないかなと思っております。
それからもう一つ 、 金融、こうしたところで 言 えば、いわゆる資産価格も結構、最
近は、これは逆に言うとこれま での資産デフレからの改善でもありますので、そう
いう面からすると、私も今日はファイナンシャル・アクセラレーターという言葉を
使わせて 頂き ました 。 これが随分マイナスになっていた、これが随分下押しする要
因になっていたと思う の ですけれども、そうした要因というものが 、 従来から比べ
ればようやく正常化してきたということになるんですね。ですから、そうしたとこ
ろが逆に上振れするところまではまだいってないわけでありますけれども、 正常化
する中でこうした要因も踏まえた うえ で、いろんな金融の度合い、引き締まりの度
合いであったりとか、もしくはそうしたものが、あまり に 緩和 的 過ぎる 、それが続
いてしまうということになり 過ぎない ように、先 ほど からギアシフトという言葉を
申し上げておりましたけれども、そういう度合いに 合わせ ながら調節をどうするか
というのを考えていく局面というご回答でございます。
(問)
冒頭、宮城県の経済状況について伺わせてもらったのですけれども、宮城県を含み
まして、東北全体を見渡したときに東北の経済状況をどのように み ていらっしゃる
のかということと、今後注視するポイントを 踏まえまして、考えをお聞かせ 頂き た
いと思います。
(答)
正直申し上げて、私も東北全体といってもそんなに知識があるわけでもない の です
けれども、宮城県全体として、一つの例として とら えながらということで 言 えば、
ようやく緩やかながらも、 [経済は ]全体的に回復してきて い ると思って い ます。私
も、先ほど最初にご質問 頂いた ところの中でも言って い まして、また一方で、午前
中の懇談会の中で、どんなところが課題になっているのかという点で私なりに申し
上げた点がいくつかある の ですけれども、や は り一つはインバウンドが、こちら日
本全体で相当伸びて い る の ですけれども、その中 で 比べると東北の伸び と いうのが、
そんなに大きくないなと。どちらかといえばやや西の方が良い と いう状況でありま
すから、生産であるとか、先ほど申しました全体の状況は緩やかに、というところ
ですけれども、インバウンドのところが潜在力をもうちょっと有している、にも か
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か わらず、もうちょっと伸びていいんじゃないかなということを申し上げました。
それから、私も いろ んな地域にこうやってお邪魔させて 頂き ながら思うのが、今日
も宮城県というところではある の ですけれども、や は りその地域の中の連携 と いう
部分が重要だと思いますので、そういう意味からすると、や は り課題としては、先
ほど東北地方とおっしゃ い ましたけれども、東北地方全体の連携、こうしたものを
どういうふうにとっていくのかというところは重要だと思いますし、私は他の地域
と比べ ると地域が広いということで難しさはあると思う の ですけれども、や は り多
少課題がある部分な の ではないのかなと感じるところでもあります。それから、こ
ちらの地域のところを考えてまいりますと、どうしてもやはり いろんな意味で 支店
が中心になっているという ことからしますと、これからの課題ということでいえば、
いかに企業を育成していくか、こうしたところがや は り重要になってくる。そうし
た点を踏まえて、人口の減少、これは日本の中でも東北の地域は大きな課題になっ
ていると思う の ですけど も 、特にや は り若者、そうしたところをどういう かたち で
つな ぎ止めておくのか、といったところですとか、またそういうものの一つの舞台
になるというか、雇用、そうしたものをいかに企業を育成する か 、ベンチャーも含
めて という ことになると思う の ですけれども、そういう中で対応していくことが必
要になるのかなと思いました。ですから、 そ んな点を含めて東北地方全体、潜在力
を活かすことができれば、 われわれ 日本銀行としても、またこちらの仙台支店の方
としても、非常に嬉しいことと思った次第です。
(問)
午前中の講演では、もう一段のギアシフトということに触れた際に価格転嫁や賃上
げの中小企業 へ の拡大、地方への拡大というのに触れられておりました。大企業の
賃上げについては春闘の結果などで傾向が み えてくるかと思いますけれども、地方
については どういうふう に確認していくか、 またその継続性というのはどれくらい
の期間が継続していれば良いか、どのくらいの期間が必要かと いうふう に考えられ
ているかお考えをお聞かせ くだ さい。
(答)
先ほどからギアシフトということで申し上げると、企業の前向きな動き、それを私
は今回も以前もそうだった の ですけれども、バランスシートでみれば投資であった
りとか、また一方で、損益計算書のところであるとすれば賃上げであるとか、それ
から価格転嫁であるということで申し上げてきたわけです。実は、今日、午前中の
懇談会の中で使った絵が図表 22 としてある の ですけれども、この中で書かせて頂い
たのは、マクロ面でみると企業収益は相当な水準で上がってきて い る。ただ一方で、
ミクロのところにはまだ課題が残って い ると申し上げました。その課題というのは、
賃金のところでいえば、なかなか思ったほど伸びにくい、また一方で、価格転嫁の
ところも、それが家計であるとか、それから中小、それから地域の企業のところに
なかなか均霑していかないという部分が残って い る。そういう中で、その辺のとこ
ろをいかに対応していくかという工夫、もしくは政策がなされてきて い るというこ
とだと思いますので、好循環を つ か むうえでは、マクロ面だけではなくて 、 このミ
クロのところも含めて、この好循環の 行き渡り が重要になってくると。特に、今ご
指摘があった中小のところになる の ですけれども、もちろん いろ んなこれから春季
の労使交渉なんかもあるわけですから、その中で中小のところがどうなって い るの
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かという部分があります。それから一方で、私 ども 、今日もそうな の ですけれども、
こういう かたち で東京以外のところにも、お邪魔させてもらって様々なご意見を伺
うこともや は り必要だと思いますし、また、継続的にこちらの仙台支店の方でも、
いろ んな方々を通じて い ろ んな意見を聴取させて頂いているということでもありま
すので、こうした努力、こうした動きを、今後も続けながら、こうした動きがどの
ようになって い るのかを つか みながら対応していくというのが、これから重要な課
題なんじゃないかと。特に、日本銀行の場合は、これまで非常に長い期間の、非常
に厳しい状況 が バブル崩壊後、続いておりました。今日の私の懇談会の中でもそう
いうご説明をさせて頂いた の ですけど、これはこの 25 年の多角的レビューも含めて、
非常にストレスがかかった状態が、歴史的にみても続いていたという、その中でノ
ルム、 なかな か 賃金、それから価格が変わりにくいという状況が続いた中での変化
というのは、時間がかかるということだったと思う の ですけれども、そういう課題
に対してやや意図的に対応すること、それは地域の中でもそうだと思いますし、ま
た、とりわけ中小企業のところを通じて必要となってきていると思います。特に、
ちょっと前までであれば、このマクロ面のところというのがそんなに完全ではなか
った状況だと思う の ですが、今回の [懇談会の ]全体の中の資料にも入れて い る の で
すけれども、企業収益は相当伸びて い る状況ですので、ある面ではそれなりの余裕
もマクロ面でみればあるわけですから、それをいかに中小であり、地域のところに
均霑させていくということは非常に重要なところでもあるので、その辺もや は り み
ていきながら、 われわれ も注目しながら み ていきたいなと思っているところです。
(問)
先ほどの質問にもありました物価の上振れリスクについて伺います。今朝の講演の
中で、ベアを背景とした国内要因にインフレ圧力を 一 つ挙げていらっしゃったと思
いますが、衆議院の財務金融委員会の中で日銀の植田総裁が食料品の価格上昇につ
いて人々のマイン ドや期待物価上昇率などに影響を与えるというリスクはゼロでは
ないというような発言をされていました。今後の金融政策にもこういった生鮮食品
を含めた物価の見通しを考慮していくという考えは高田委員自身ありますでしょう
か。
また、今後の利上げ判断について関連して、物価の上振れと金融過熱リスクについ
て、物価上振れリスクをお話しされていましたけれども、一方で1月の追加利上げ
以降の経済 ・ 物価 ・ 金融情勢への影響を検証しながら慎重に対応すると話しており
ますが、それは次の利上げまでは時間的な余裕があるというふうな見方なのでしょ
うか。
(答)
物価 は 何を取るかでなかなか難しいというか、いろんな広がりがある と いうことだ
と思います。その中で われわれ 言うまでもありませんけれども、物価安定の目標に
ついて 言 えば、生鮮食品 含む 総合ベース (注 2) ということで、その目標は持続的・安
定的に実現するということを申し上げております 。 その中でご指摘がありました生
鮮食品の価格は、天候要因によって結構一時的にも大きな変動がありますので、こ
うした直接的な影響を除いた基調的な状況でやっぱり み ていきたい。そんなことも
あって直接的にこの生鮮食品のところを われわれ ターゲットにしていないわけです。
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ただ、当然のことながら、一方で家計の方々からすれば、普通に消費をする中で生
鮮食品も入っているわけですし、そういう面からすると家計の方々のマインドであ
ったりとか、それから物価予想であったりとか、こういったところには当然影響も
ありますし、それからそうしたものの上昇 が生活面、そういった面にそれなりに家
計にとって影響が及んでいるという点も当然あるわけなので、その辺は われわれ も
認識していかざるを得ないだろうなと思っています。ただ 、 あくまでも持続的と い
うことから すると、こうしたものではないもので われわれ はみてはおりますけれど
も、ただ一方で、影響が及ぶ もので もありますので、その辺のところは当然のこと
ながら注意しながら み ていきたいなと思っているところです。
それから、今後についてですけれども、利上げの判断でギアシフトをということで
申し上げたわけですけれども、当然その物価の上振れのところであったりとか、ま
た物価の動向、そ の ようなところはこうした もの だけではなくて、例えば金融面の
ところの安定度合いというか、今日は午前中 、 先ほど申し上げましたファイナンシ
ャル・アクセラレーターを申し上げましたけれども、そういうようなところの影響
がどういうふうに出ているのかということも含めながら、その状況に合わせながら
ギアシフトをしていくということだと思っています。その中で申し上げると 、予断
を持ってどういう期間があるからとか、どういうような時間のタイミングだとか、
もしくはどういう水準だとか、ということで何か申し上げているところでは私はな
いと思っております。特に最近、中立金利 の 議論がありますけれども、私はどちら
かというと虹みたいなもので、近づいていくとなんかわかんなくなっちゃうという
ところもあるので、そういう直接的にターゲットであったりとか、期間をというこ
とではなく、あくまでも先ほどから繰り返しになって い ますけれども、企業を中心
とした前向きな動き、こうしたものが物価であるとか、人件費であっ たりとか 、 そ
ういうものに [影響を ]与えながら、それが経済実態とか短期金融市場であるとか、
そういうものに影響を与えて、その動きを み ながら対応をしていくと思いますので、
あまり予断をもって期間であるとか水準であったりとか、そうしたことを対応する
ということではないと思って い ます 。 そういう意味では、期間のところについては、
われわれ も今の段階で何か特定のものを描いて い るということでは ありません 。
(注 1) 会見では 「 3 月 」 と発言しましたが、正しくは 「 2 月 」 です。
(注 2) 会見では「除く」と発言しましたが、正しくは「含む」です。
以 上