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2022年4月8日
日本銀行
野口審議委員記者会見要旨
―― 2022年4月7日(木)
午後2時30分から約35分
(熊本市・東京間オンライン開催)
(問) まず、本日の金融経済懇談会ではどのような意見交換が行われたのか
を教えてください。
次に、熊本県の経済情勢についてどのような認識をお持ちか、教えて
ください。
(答) 本日の懇談会では、熊本県の行政や経済界、金融界を代表する方々か
ら、地域経済の現状や課題のほか、日本銀行の金融政策運営に関して様々なご
意見を伺い、きわめて有意義な意見交換ができたと思います。まずはこの場を
借りて、ご出席頂いた方々に御礼を申し上げます。本日の懇談会では、ご意見
が多岐にわたったため、全てを網羅して紹介することはできませんが、私なり
に席上で聞かれた話題等を整理して申し上げます。
まず、熊本県では、平成 28 年の「熊本地震」や「令和 2 年 7 月豪雨」
からの「創造的復興」に取り組まれており、住まいやなりわいの再建が着実に
進んでいるとのお話を伺いました。次に、熊本県の経済情勢については、感染
症の影響が和らぐもとで、基調としては持ち直しているという観点でのご意見
を伺いました。具体的には、生産面では、半導体のグローバル需要が旺盛であ
るもとで、当地主力の半導 体関連企業が牽引する形で 好調に推移していると
いったお話がありました。この点、半導体の関係では産官学が連携して半導体
人材の育成に取り組んでいるといったお話もありました。他方、感染症の影響
を大きく受けている個人消費や観光関連では、足許では持ち直しの動きがみら
れるものの、感染症の影響が長期化するもとで、依然として厳しい状態にある
といった声も聞かれました。この間、足許での原材料価格の上昇を価格に転嫁
するのが難しいとの声もありました。金融面については、感染症が長期化する
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もと、金融機関等による積極的な資金繰り支援が行われてきたとのお話や、取
引先企業のDX推進やSDGs対応、事業再構築、事業継承等に積極的に取り
組んでいるといったお話が聞かれました。私どもとしては、熊本県の金融経済
情勢について、熊本支店を通じてきめ細かいモニタリングを続け、中央銀行の
立場から経済の持続的成長 の実現や金融システムの安 定性の確保を図りなが
ら、熊本県経済を支える関係者のご努力がより大きな成果へとつながっていく
ようサポートしていきたいと思います。
次に、熊本県の景気は、「感染症の影響が和らぐもとで、基調として
は持ち直している」とみています。具体的に申し上げますと、生産面について
は、主力の半導体関連が牽引する形で、全国を大きく上回る水準での推移が続
いており、設備投資も、製造業を中心に持ち直しています。また、公共投資は、
「令和 2 年 7 月豪雨」からの復旧・復興関連工事を中心に増加しています。そ
うした中で、感染症の影響を大きく受けている個人消費も、感染症の影響が和
らぐもとで、持ち直しの動きがみられています。先行きの熊本県の景気は、感
染症の影響が和らいでいくもとで、持ち直しを続けるものとみています。ただ
し、感染症やウクライナ情勢の帰趨によるところが大きく、不確実性の高い状
態が続いていますので、今後の状況を注視していきたいと考えています。
(問) まず、今日の地元経済界の方とのやり取りの中で、特に印象に残った
とでも言いましょうか、こういう質問が出てこういうふうに自分は答えたみた
いなやり取りの中で、特に印象に残ったこと、もちろん県内経済に関してなん
ですけど、それを教えてください。
もう一つが、ちょっとゾーンが拡がってしまうのですが、熊本を中心
とした九州全体の経済、どうしても九州は県を跨いで経済の一体化というか一
体性というのがありまして、例えば半導体は県内で今好調というお話がござい
ましたけれども、他県にもやっぱり大きい半導体の工場がありますし、自動車
会社、自動車の工場も他県にすぐあったりして供給していますので、九州全体
の経済をどういうふうに審議委員がみていらっしゃるのか、お伺いできればと
思います。
(答) 印象に残った点ということですが、本日お話を伺って一番印象に残っ
たのは、熊本県経済は、ある意味日本経済の縮図である、あるいは、もしかし
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たら日本経済の今後の先行 きを先取りしているような ことがあるのではない
かと感じました。これはどういう意味かと申しますと、一つはコロナ禍が生じ
てから、日本経済全体としては、一方では対面型サービスが非常に厳しい状況
に置かれています。他方では、世界経済は昨年春くらいからどんどん正常化が
進んでいく中で、世界経済の回復は非常に急ピッチであり、それにつれて日本
の輸出産業はかなり好調な拡大が続いています。いわゆるK字回復と言われて
いますけれども、熊本県はまさにそういった状況にあるという印象です。一つ
はやはり対面型サービスが非常に厳しい、これは日本全国どこでも同じ状況だ
と思います。しかし、もう一つの面で言いますと、日本の地方経済の場合は観
光業にのみ依存しているような地域も少なくないわけですが、熊本に関して言
えば、特に半導体産業というのが、非常に好調であるということです。日本経
済は、かつては半導体の世界市場を席捲していた時代があったわけですが、そ
れから段々と韓国、台湾等に追い抜かれていった時代が続いていたわけです。
最近になって少し流れが変わってきて、再び半導体というものが少しずつ復活
しつつあり、その流れを全体として象徴しているような動きが熊本県の色んな
ところでみられているということです。日本経済が、製造業の輸出を中心とし
て、コロナ禍の中でも落ち込まずに少しずつ緩やかに回復を取り戻していると
いうことの典型的な表れが、熊本県経済の中にみられているということかなと
思います。もう一つ、日本経済を先取りしていることの意味は、本日お会いし
た何人かの方のお話の中で、実は熊本では最近賃金上昇が非常に顕著にみられ
ており、特にエンジニアの需要が非常に旺盛で、半導体に絡んでということで
はありますが、エンジニア層、大学院を出た人たちだけではなくて、例えば派
遣社員などでも時給が非常に顕著に上がっているというお話がありました。本
日私がお話しした中で強調した点の一つですが、日本経済が再び成長軌道に乗
るためには、所得・賃金の上昇が欠かせないというお話をしました。日本銀行
の金融政策の大きな目標、目的は、まさにその点にもあるということで、しか
しなかなか実現できないということを悩んでいたわけですが、ようやく芽が出
てきつつあるというのが、熊本の中にあったということで、私は非常に希望を
感じた次第です。
九州全体については、私に何か特別な知見があるわけではありません
が、今回もお話を伺って、一つ印象に残ったお話としては、熊本は福岡と新幹
線で非常に結び付けられていて、距離が時間としては近いということです。福
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岡は、当然、九州の一番中心的な地域ですが、東京などで傍目から見ていると
よく分からなかったですが、熊本は非常に密接に経済圏としても結び付いてい
るということを知りました。九州といっても、地域によっては結構切り離され
た地域もあれば、熊本のように福岡とかなり結び付いていて――福岡は非常に
便利な場所で熊本と同様に飛行場にも近いですし――今後、半導体を中心とし
て、経済が熊本県全体として拡大していくというときに、それが非常に有利に
働くのではないかといった展望を経営者の方からも伺いました。その辺が、私
が熊本経済、九州全体で得た印象です。
(問) 原油価格や食料品の値上がりを背景 に企業や家計のインフレ期待も上
昇しています。コストプッシュの物価上昇が背景にあるわけですけれども、野
口委員は、足許のインフレ期待の高まりにつきまして、2%の物価安定目標の実
現や物価上昇の持続性、こういう観点からどのようにとらえられているのかご
見解をお願いします。
(答) インフレ期待の問題は、世界的にインフレであると本日のお話の中で
指摘させて頂きましたが、やはり一番大きいのはエネルギー価格が急激に上昇
しているという点です。これは日本も同じですし、エネルギー価格はもともと
非常に変動が大きいものですので、一時的に上昇しても、また急激に下落する
というのが、これまでのパターンだったわけです。一時的に上昇した局面では
当然インフレ率というのは上振れしていきますけれども、今度いったん下がる
ということになりますと、 大きく下振れする影響を与 えるわけです。エネル
ギーに引きずられて、インフレの基調を判断するのがなかなか難しいというの
は、日本だけでなく、各国の中央銀行の問題把握、基本的な見方であると考え
ています。ただし、各国中央銀行は、二次的な波及効果には注目しなければい
けないと必ずただし書きをつけるわけです。その意味は、仮にエネルギー価格
等が急激に上昇したのは一時的なものだったとしても、例えば賃金上昇圧力を
更に強める、あるいは人々のインフレ期待に影響を及ぼすということになると、
インフレの基調自体に影響を与えるということになるわけです。エネルギー価
格だけでは済まないインフレの基調自体に影響を及ぼす一つの大きな要素が、
人々のインフレ期待への効果ということになります。欧米では、基本的には賃
金上昇圧力が非常に高まっていますが、インフレ期待自体は、それなりに長い
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ところではアンカーされていて、つまり現状の足許で 7%前後のインフレ率に
なっているわけですが、だからと言ってインフレ期待自体がそういうところま
で跳ね上がっているという 状況にはないと認識してい るということだと思い
ます。私は、日本もかなりそれに近くて、足許では確かにエネルギー価格がこ
れだけ上がって、それから 輸入原材料の価格も上がっ ているということで、
人々の、インフレがこれから進むだろうというイメージはかなり強くなってき
ていて、消費者レベルでも強くなってきているということは、様々なデータか
らも明らかです。しかし、だからと言って、長期的に日本がこれまでずっと置
かれていた低インフレ、あるいはデフレ、それからそれに伴うデフレマインド
というものが、根本的に転 換されたのかというと、お そらくまだそこまでは
至っていないのが現状であるということです。日本の場合、デフレ期待が転換
されるということになりますと、そこから抜け出したいわけですから、それ自
体は決して悪いことではないということですが、残念ながらそういう状況には
まだ至っていない。一時的な、少なくとも足許ではこれからもう少しインフレ
が起きるのではないかとい うようなレベルにとどまっ ているのではないかと
いうのが私の印象です。
(問) 一点目は、足許でドル円の相場が 123 円後半というところになってき
ておりまして、足許でドル高円安傾向が進んでいますけれども、この円安傾向
の日本経済への影響についてお聞かせください。
二点目は、野口委員は挨拶の中で、内需の回復が不十分で企業にとっ
ては値上げが難しい状況と指摘されましたけれども、先日発表の 3 月の日銀短
観では、大企業の製造業、非製造業ともに販売価格判断DIは歴史的な高水準
となっておりまして、この辺の野口審議委員の評価をお聞かせください。
(答) 為替円安についてですが、円安の水準自身は、何が良いとか悪いとい
うのは、はっきりと言うことはできないですが、日本経済全体としてみれば、
やはり私自身午前中のお話で指摘させて頂いたように、諸外国のようにインフ
レを抑制しなければいけないという局面であれば、通貨安が進むと逆行してし
まいますので困ったことになりますが、日本の場合はそうではなくて、デフレ
あるいは低過ぎるインフレ からなるべく早く脱却した いという局面にあるわ
けです。これは、欧米とは大きく違う局面であるということです。そうします
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と、円安というのはどういう評価になるかというと、黒田総裁などが再三指摘
していましたが、もちろん円安によってマイナスの影響を被る層というのが当
然いるわけですが、日本経済全体として、円安のメリット・デメリットを比較
しますと、やはり現状では、円安のプラス面の方が大きいと思います。それは、
やはり輸出の収益が非常に拡大し、もう一つは海外に進出した企業にとっても、
円建てでの収益の増加になるということがあります。確かに最近インバウンド
に期待することはできない、円安が起きたとしても海外からの旅行者が増える
ということは現状では期待できないわけですが、輸入品に対する国内生産での
代替が進むことを考えますと、やはりまだデフレあるいは低インフレからの脱
却というのを目標とする日本経済の現状であれば、円高というのは困る、逆に
言えば円安の方がまだプラ スの寄与になるということ であると私は認識して
います。ただ、よく混同されますが、エネルギー価格の上昇は、それとは違う
影響があるわけです。日本の場合はエネルギーの殆どを輸入に頼っているわけ
ですから、これが上昇するということは、日本にとってはなかなかメリットが
見出しにくい、交易条件の悪化をもろに被ってしまうということです。ですか
ら、為替の問題と切り離して、日本経済にとってはどちらかといえばインフレ
の数字は押し上げることになるけれども、経済全体としては下押し圧力になっ
てしまうという状況になってしまうわけで、為替の問題とは切り離して考える
必要があると思います。
それから二番目の質問ですが、企業は要するに価格転嫁が今までなか
なか難しかった中で、ようやく少しずつ可能になってきたということで、私は
非常に喜ばしい、基本的には歓迎すべきことであると考えており、ようやく芽
が出てきたということだと思います。ただ、今の状況でまだ十分とは考えてい
ません。少しずつそういう状況になりつつあります。これは賃上げも同じで、
今年の春闘などでも少しず つ賃金が上がりつつあると いうニュースが流れて
いますけれども、しかしまだ十分ではないです。企業の価格転嫁も、今までは
殆ど不可能であったものがようやくできるようになったという意味で、何十年
振り、久方振りに、企業の販売価格の判断が上振れしたというのは、結果とし
てみると数字的にはそうなっていますが、これで十分かというと、私自身はま
だまだ不十分であると思います。やはり諸外国の状況をみると、もっとスムー
ズに価格転嫁が行われていて、結果としてインフレ率が上振れているというこ
とです。これはもちろん、インフレという面だけでみると、消費者にとっては
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非常に困ったことのようにも映りますが、マクロ経済全体としては、米国など
をみるとわかるように、非常に急速な回復が行われた一つの側面がインフレだ
という見方もできるわけです。米国などは既に昨年の段階でコロナ前の所得を
回復し、失業率も 3.6%と非常に低いところまで急激に回復しているわけです
から、その中でインフレも起きてしまっているという状況も考えると、日本の
場合はその辺の回復の力がまだ弱い、あるいはもう少しこれが強まっていく必
要があるのではないかというのが私の見方です。
(問) 野口審議委員は、挨拶文の中で、2%の物価安定の目標が安定的に実現
され、金融緩和縮小が視野に入るまでには相応の時間を要すると予想されると
いうふうにご指摘なさっておられます。この「相応の時間」というのは、どれ
くらいを見込んでいらっしゃるのか、期間ということでは難しいかなとも思い
ますので、どのようなイベントがあれば、金融緩和の縮小が視野に入ってくる
のでしょうか。お考えをお聞かせください。
(答) これもやはり欧米との比較をしてみ るのが一番分かりやすいと思いま
す。欧米の場合には、完全にはまだコロナが収束はしていない、ウィズコロナ
の段階ですが、先ほどお話ししたように、米国などではコロナが感染拡大して
いるにもかかわらず、経済全体としては、コロナ前に完全に回復している状態
であるわけです。日本経済はコロナ前の状態にもまだ回復しておらず、そうい
う意味では、欧米対比では遅れていると言わざるを得ないです。これは様々な
原因があると思いますが、日本の場合には、コロナが足かせになって、人々の
行動をどうしても抑制してしまいます。これはやはり欧米とは異なり、社会意
識の問題であるかもしれません。そう考えてみると、ウィズコロナを前提とし
て欧米のようにどんどん回復するという図式は、なかなか期待できないのでは
ないかというのが私の個人的な印象です。そうしますと、まずはコロナが相応
に風邪と同じくらいに人々の意識から消えるということですが、何がきっかけ
となるのかというのはなかなか難しい問題です。変異株にこれまでも苦しめら
れてきたわけですから、また新たな変異株が今後は出ないということは、おそ
らく誰も保証することができないという状況です。しかし、コロナを人々が意
識しなくても済むような状況にまずならないと、なかなか回復が進まないとい
うのが、日本経済ではないかと思いますので、そういう状況になるというのが
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大前提です。そのうえで、そういうことが実現できたとすれば、もしかしたら
私は意外とスムーズに 2%というインフレ目標に安定的に達して、それが実現
できるということが進むのではないかと思います。ただし、もう一つハードル
があり、本日もこれまでお話しした賃金上昇です。賃金の問題というのは、こ
れまでの経験から分かるように、いくら人手不足と言われても、じゃあ賃金を
上げようというわけにはなかなかいかないわけで、非常に時間がかかるという
ことですので、これが少なくとも 2%を超えて 3%に近づくというような状況
にならないと、なかなか 2%の「物価安定の目標」を安定的に達成するという
ことは難しいわけです。それがどのくらい時間がかかるのかというのはなかな
か予見が難しいですが、期待としては、このコロナ禍が明け、熊本でお話があっ
たような賃金上昇が様々なセクターでみられ、こういったものが影響を及ぼし
て、日本経済全体として賃金上昇圧力が強まっていくということが実現されて
初めて、私どもが望んでいたような目的地に辿り着くということだと思います。
その時間は、コロナ禍が明けて、少しでも早く近づいてほしいとしか言うこと
ができないということであると思います。
(問) 今日午前中の懇談会についてですけれども、知事や市長もご出席され
ていたかと思います。県でも災害あるいはコロナで多大な影響が出ていますけ
れども、一方で熊本駅周辺が整備されたり、あるいは大手半導体製造企業の話
も出てきています。知事や市長から、そういった整備されている部分について、
どういったポジティブな影響あるいはネガティブな影響が出ているのか、具体
的な報告があれば教えて頂きたいです。
もう一点、個人消費の持ち直しの兆しが出ているという話がありまし
た。ただ、一方で不確実性も孕んでいるとのことですが、そこについて、もう
少し詳しくお話伺えたらと思います。
(答) まず、今ご指摘のあった大 手半導体製造企業をはじめとして、ある意
味日本全体にとっての非常 に大きな転換点のような扱 いになっているという
ことを指摘する声もありました。まさに私もその通りだと思いまして、先ほど
もお話ししましたが、半導体産業が長らく低迷し続けてきたものの、半導体産
業は世界的にどんどん裾野が拡がっているわけで、特に電気自動車等では部品
の数は減るけれども、半導体はむしろ多く必要になっています。そういう流れ
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に乗っている熊本県の半導体企業は、拡大を続けているというお話がありまし
た。私は熊本だけにはとど まらず、日本経済にそうい った動きがこれから拡
がっていくことが期待できるのではないかという意味で、非常に興味深く伺っ
た次第です。
それから個人消費の持ち直しについては、正直言いまして、コロナの
感染状況次第ということであると思います。基本的には、世界的に個人消費は
爆発しているわけです。世界的にインフレが起きているのは、供給制約だけの
問題ではないということが分かってきているわけです。つまり需要が非常に強
く、ペントアップ需要にとどまらない拡がりというのを見せていて、これはや
はり各国政府がコロナ対策として非常に積極的な財政政策、金融政策をここま
で続けてきたことが影響を及ぼしていると思います。世界はそういう状態です
が、先ほどお話した通り、日本の場合は、コロナ禍が重しになっていて、消費
としてレジャーに行ったり 旅行に行ったり飲みに行っ たりという行動が取り
にくいという日本人の慎重さの表れであり、これがやはり大きな重しになって
います。ただ、全体としてみると、日本でもこれまで非常に手厚い財政支援が
行われてきて、人々の貯蓄も実は非常に大きく膨れ上がっているわけです。超
過貯蓄と言いますが、潜在的な需要がとても大きいわけですから、いったんコ
ロナが収束すると、昨年末に実現されたことですが、一遍に人々が街に繰り出
して、消費を行うことになります。本日も、熊本でも昨年末は繁華街が非常に
賑わっていたというお話がありました。そういう状況になるわけですから、基
調的には個人消費は潜在的には非常に根強く、コロナさえ収まれば、一挙に顕
在化する素地はあるし、実際、コロナが収まった時期には相当顕著な個人消費
の回復が実現されるということだと思います。
以 上