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2024年3月1日
日本銀行
高田審議委員記者会見
――2024年2月29日(木)午後2時00分から約35分
於 大津市
(問)
高田さんに質問が二点ございまして、まず一点は、本日の懇談会ではどのようなお
話、議論をされたのかという点について、もう一つは、滋賀県の金融経済情勢につ
いてどのようなご認識、ご見解であるか。その二点をお願いします。
(答)
まず今日の金融経済懇談会、どのような議論がということなんですけれども、今日
の場合は滋賀県の行政それから経済界、金融界を代表する方々から、こちらの金融
経済情勢それから地域経済が直面する課題などについて、大変貴重なお話を伺った
ということであります。また、日本銀行の金融政策運営に関するいろんなご意見、
またご要望もお伺いし、大変有意義な意見交換ができたと考えています。そういう
意味では、本日出席頂きました皆さま方にこの場を借りて厚く御礼申し上げたいと
思っています。懇談会での話題は非常に多様なものでありますので、あまり全部を
網羅することはできないんですけれども、多少簡潔にまとめてみたいというふうに
思っています。まず足元の滋賀県の景気については、コロナ禍からの経済活動の正
常化などを背景にしまして、売上増であったりとか、稼働率の改善を指摘する声が
聞かれました。それから私、今回こちらで、例えば半導体ですとかEV関係、物流
それから食品・飲食等、いろいろお邪魔させて頂いたりもしたんですけれども、非
常に注目されたのは、設備投資辺りが結構出てきてるなというところでして、前向
きな動きが出てきている点に非常に注目したところであります。ただ一方で、これ
は想定されていたんですけれども、原材料価格の上昇をなかなか販売価格に転嫁で
きない、特に中堅・中小については、それから思うような利益につながってない。
また、特に人件費の転嫁は、なかなか難しいというような声は聞かれたわけであり
ます。ただ、そういう中で、そういう動きを通じて何とか対応していこうというよ
うな、経営者の方々の力強いご意見も伺われたということであります。ですから賃
上げを通じた人材の確保・維持が重要であると、その原資を確保する意味でも、価
格転嫁が重要なんだというような声が強かったかと思います。また金融面で言いま
すと、業績回復までの資金確保の必要性というところですとか、あとは金融機関の
方からの伴走支援の重要性だとか事業承継とかですね、前向きな対応に対する声が
聞かれたわけです。それから、ちょうど今、 多角的レビューを行っておりますので、
それに関してご質問もいろいろとお伺いしたということであります。これは私の懇
談会での挨拶のときにも申し上げた通りなんですけども、地域経済に大きな影響を
及ぼしたものとして国内における投資の抑制、特にバブル崩壊後10年、20年という
こと[がありました]。それからバブル崩壊 後の企業行動の消極化。そういうことが
あったわけでありますし、またこちらの地においても、人口減の問題といったとこ
ろは大きな問題としてあったかなと思います。それから過去 25 年の非伝統的な政策
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に関しては、景気を下支えするうえで一定の効果があったとして全体的には評価で
きるというお声を頂きましたけれども、この 10 年間の大幅な金融緩和のもとで企業
等のセンチメントの改善、それから国内回帰の動きということを指摘する声も聞か
れたわけです。ただ一方で、こういう低金利環境ということの副作用としての金融
機関収支、その辺についてのご指摘もありましたし、また一方で今後については金
利がある世界になる場合へのソフトランディングというところへの期待の声も伺っ
たということでございます。この辺頂いた意見については、今後、ちょうど今われ
われ多角的レビューを進めておりますので、そうしたところに引き続き活かさせて
頂きたいなというふうに思います。
それから二番目に頂いたご質問の中で、滋賀県における金融経済情勢についてとい
うことだったんですけれども、ちょうど今月 9 日にですね、私どもの日本銀行の京
都支店の方が公表した管内の金融経済概況があるんですけれども、そこで滋賀県そ
れから京都府の景気は持ち直しの動きが鈍化しているというような認識を示させて
頂いています。コロナ 5 類移行後の経済の動きをみておりますと、物価高の影響は
あるんですけれども、人々の外出機会の増加、それから消費や観光需要が持ち直し
ているほか、企業収益も改善している中で設備投資が増加、それから雇用・所得環
境も緩やかに改善していることなど、全体としての持ち直しの動きは続いておりま
す。ただ足元においては、特に供給サイドということになろうかと思いますが、一
部自動車メーカーが生産出荷を停止しているというような影響もありまして、生産
とそれから消費の一部が落ち込んでおりまして、そうした持ち直しの傾向にブレー
キがかかった状態ということかと思います。ただ、こうした動きについては、あく
までも個社の事情によるところも大きいものですから、供給サイドの一時的なもの
とみておりますし、またこの間、需要サイドとしては納車待ちがまだ続いている、
引き続き堅調を維持しているというふうにみております。そのため、先行きについ
ては、生産再開とともに、再び持ち直しの基調に戻ってくるんではないかと考えて
いますし、またもう少し長い目でみると、他の地域と同様に人口減少、それから少
子高齢化といった大きな課題はあるわけではありますけれども、滋賀県の場合とい
うのは、私もいろいろ全国、見て回ったりもさせて頂いているんですが、他と違っ
て大都市への良好なアクセス、また琵琶湖を始めとする豊富な観光資源、それから
やはり先ほども申し上げたように結構前向きな投資が、いろいろハイテクな分野も
含めて出てきているということ、そういう意味での地域の強み、特色を生かした動
きが出てきているというところもありますので、そういう意味では力強さを受ける
というようなところもあったかなと。いずれにしてもこうした取り組みを通じて、
滋賀県の経済が一段と発展することを私としても期待したいなというふうに思った
次第でございます。
(問)
二点お願いします。一つは講演の中できわめて強い金融緩和からのギアシフトとい
う言及がありました。そのシフトした後の影響についてどのようにお考えかと。要
は金融市場また実体経済に与える影響についてですね、これは利上げペースと関わ
ってくると思うんですが、現時点でどのように考えてらっしゃるかということを教
えてください。
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もう一点が足元の景気情勢についてなんですけども、GDPは 2 四半期連続でマイ
ナスになっていて、個人消費も弱さがみられています。その中でですね、政策変更
を検討できる段階になったというところの理由について、もう一言、ご説明頂けれ
ばと思います。
(答)
ギアシフトという言い方をさせて頂いたんですけれども、非常に強い緩和というよ
うな状況の中から、これだけ、私 も今日のところの中で 2%の物価目標の実現をよ
うやく見通せるような状況ということも申し上げましたので、そういう感じからす
ると、そこまでのギアを前向きにということから、もう少し一段下げてもいいんじ
ゃないのかなということかと思います。ただ、あくまでもギアシフトということで
ありますから、別にバックにしちゃうわけじゃないということでもありますし、そ
れからある面で言うと、あんまり低いギアに入れ過ぎちゃうとエンジンブレーキが
効き過ぎちゃうということもあるわけですから、そうなっちゃうとかなりまた影響
が大きくなっちゃうというか、振動が大きくなってしまうとか、ボラティリティが
高まってしまうということもありますので、そういうものでもないということかと
思います。それはあくまでも、その後の実体経済であり金融環境でありというもの
に整合的なものにしておくということで、どの辺のギアがいいのかということを考
えながら、しかもあくまでも別にバックではないというような形で、それなりに経
済の全体の走行が前の方向に進んでいくというようなことを進めていくことかなと
いうふうに思っているということであります。
それから、二番目のところですけれども、確かにGDPが、前のところの数字も若
干のマイナスであるということもあって 2期連続で[マイナス]ということになった
のは確かかなというふうに思います。ただ四半期ベースで言えば確かに 2 期連続で
ということでありますけれども、例えば 1 年前と比較してみればそれなりの水準を
保っていると。ですから、基調としてはということもありますし、それから今回の
状況の中で、例えば消費であったりとか、それから設備であったりとかいうところ
が、ちょっと伸びてないなというのは確かにあろうかとは思います。ただ、消費な
んかについてみると、例えば暖冬の影響があったりとかいうこともありますし、ま
た一方でまだ実質賃金がプラスになっていない、マイナスであるというようなとこ
ろの中での状況でありますから、今後、例えば賃上げのというような期待の中で、
どう回復してくるのかというところもあるでしょう。また一方で設備のところにつ
いて申し上げれば計画については結構いい数字も出てきているわけであります。企
業収益も非常にいいというような状況でもあるわけでありますから、そういう中で
進捗が遅れているというようなところで設備投資がなかなか伸びてないということ
があろうかと思いますが、先をみた場合については、ある程度基調という意味での
前向きな動きが続いているというふうに考えていいんじゃないかと思っていますの
で、確かに足元のところのというご議論があろうかとは思いますけど、基調のとこ
ろはまだ前向きな動きというかですね、緩やかな回復環境は変わってないというふ
うにみていいんじゃないかと私は思っております。
(問)
日銀はこれまでの 2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になったら政策修正を
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検討すると発信してきたと思うんですけれども、今日の午前の講演で見通せる状況
になってきたというところで、マイナス金利政策の 3 月の解除論を支持されますで
しょうか。例えば執行部から 3 月の会合でマイナス金利政策の解除の提案が出れば、
賛成されるでしょうか。
(答)
具体的な、実際の金融政策決定会合は、まだ 3 週間近く先ということでもあります
ので、そこのところでどういう判断をするかっていうところについては、その場に
なって私自身考えてみたいなと思っている次第であります。ただ午前中のところで
私申し上げましたように 2%の物価目標の実現がある程度視野に入ってきていると、
達成できるような状況に、というような状況 でありますから、そういう観点からは、
そういうような問題意識もしくは 認識に沿って、当面、3 月においてもその次にお
いても、考えながら対応していきたいなというふうには思っておりますけれども、
具体的なところについては、今後もまだ時期も先ということでもございますし、ま
たその後の様々な追加的ないろんなファクターというものもあろうかと思いますか
ら、そういうものを踏まえたうえで考えていきたいなと、また具体的な対応も考え
たいなというふうに思っている次第です。
(問)
高田さんに二点伺わせてください。一点目が賃上げの循環について、好循環につい
てです。前回 9 月のときにはやはりここの持続的な賃金上昇の循環がまだ課題だと
いうことだったんですけれども、この半年間でその実現性の確度はどれぐらい高ま
ったのか、中小企業も含めてですね、今どのようなご認識でいらっしゃるかという
点が一点。
あともう一点はですね、やはりこの市場では最近の植田総裁の発言だったり発信も
あって、もう 3 月か 4 月かというような政策修正の期待というのが高まってきてい
ます。高田さんご自身はこの3月、4月というタイミングであと残り何を確認してい
きたいのか、どの辺りを解消して具体的な出口の議論に進んでいくのか、この距離
感も含めてご認識を伺えればと思います。
(答)
最初に頂いたご質問の中で賃上げの好循環っていうんでしょうか、正直言ってこの
問題は、私もこの 1 年 2 年、ずっとフォローしてきたというか、多くの方々がこの
辺について非常に関心を持っていたところだと思います。そういう意味で言うと、
やっぱり去年の今頃だと、そろそろ去年の賃上げがどうなるかという時期だったと
思いますけども、ただ本当にどうなるのかな っていうくらい。それが実際としては、
去年、非常に 90 年代前半以来というような高い水準だったわけですよね。その後と
いうことで言えば、確かに昨年、2023 年春はそれなりの予想以上だったけれども、
来年はどうなんだろうというくらいの意識が結構強かったと思います。多分、ご指
摘頂いた半年前のときっていうのもややそれに似た世の中の方々の意識だったんじ
ゃないかなというふうに思います。それが、それから半年たった今ということで言
えば、まだ実際にはその結果が出てるわけじゃないんですけれども、結構広がりが
出てきたなというか、去年よりも場合によっては高いんじゃないかというような見
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方が結構増えてきたっていうのも実際なんじゃないかと思います。実際、既にもう
3 月の半ば[に向けた]ところで組合辺りも要求を出したりもしてるわけですけれど
も、実際その組合の要求自体も去年よりも高い水準が出てるということでもありま
すし、また一方で、一部にはですね、既に満額での回答をしてきている企業の方々
も出てきてるというようなところでもあるし、また世の中の空気というか、ある程
度そういう好循環を、賃金をベースとして対応していこうというような動きという
ものが 1 年前に比べて、もしくは半年前に比べても、そういう空気ができてきたと
いうのではないかなと思っています。ただわれわれも、今回のいろんな懇談なんか
もそうなんですけれども、そうは言ってもやっぱり中小のところは、原材料につい
てはある程度転嫁ができても人件費についてはというような声があるのも確かだと
思います。ただ、それも半年前、1 年前と比べてみると、そういう中でも対応して
おこうというような、なかなかご尽力をもしくは苦労なさりながらも、それを実現
していこうとする動きも中小の中でも出てきているというところは注目する動きな
のではないかなというふうには思っている次第です。ですから、まだもちろん今年
の状況というのは来月半ばの回答以降をみないとわからない部分はもちろんありま
すけれども、ただ今の段階のところでも、少なくとも進捗は去年と比べても、また
半年前と比べても、結構出てきてるんじゃないかなというのは一番目のご質問に対
する私の意見です。
二番目なんですけれども、3 月、4 月というような中で残り何をというふうにおっし
ゃったわけなんですけれども、私自身、例えばこの数字をみれば何とかっていうよ
うなものでみてるわけでもありません。ただ、今回、皆さま方もご覧になってらっ
しゃると思うんですが、今日私の講演要旨のところでもご覧の通りでもあるんです
けれども、私一番みているのは、バブル崩壊 以降の企業の行動というんでしょうか、
特にバランスシートをどういうふうに対応するか、また一方でP/Lをどういうふう
に対応しようかというような。逆に言えば、バブル崩壊以降、バランスシートで言
えば圧縮をする、持たないというか、一方でP/L面で言えばリストラをしていこう
という動きの中で、設備も圧縮する、賃金も抑制するというような動きが続いて、
こうしたものがデフレ的なスパイラルというか、なかなか賃金も上がらない、物価
も上がらないというような状況だったわけですね。ということは、これからみたい
ものも、そこのところの企業の行動にどう変化があるか、すなわち持たない経営と
いう点から言えば、投資辺りをこれからどういうふうに新年度に向かって対応して
いこうとしているのか、そこの意識がどうなのか。それから賃上げですよね、それ
はまた先ほどの一番目の問題とも絡んじゃうんですけれども、そこのところをどう
しようとしているのか、そういう点についてある程度前向きな動きがどう出てくる
のか。その辺は最終的に確認をしたいなと。私自身、この春先っていうんでしょう
か、確認しながら、毎回毎回対応していきたいなというふうに思っているところで
あります。その辺が、今のご質問のところに、この会合でということを申し上げら
れる立場でもありませんけれども、申し上げたい点であります。
(問)
二点お伺いしたいんですけれども、高田委員は午前の挨拶の中で物価目標の実現が
見通せるような状況になったとお話になったうえで、出口の対応も含め機動的かつ
柔軟な対応に向けた検討も必要というふうにお話になりましたけれども、この機動
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的かつ柔軟というところで、YCCの枠組みを撤廃した後でも、例えば機動的に国
債買入れを行ったり、例えばETFについても必要であれば買入れが必要だという
ふうにお考えなのかというのが一点と。
この中でも触れられていましたその実質金利、今の短期長期それぞれマイナス圏に
あるわけなんですけども、これを踏まえるとマイナス金利解除後も、段階的な利上
げは可能、どんどん利上げするわけではなくても、例えばその四半期に 1 回とか、
なんて言うんでしょう、段階的な利上げ、複数回の利上げは可能というふうにお考
えかどうか、この二点をお願いします。
(答)
まず一番目のご指摘の点なんですけれども、見通せる状況になった場合、機動的に
それから柔軟にというようなことで、私も午前中の時に申し上げさせて頂いたとい
うことなんですけれども、この機動的にっていうような状況っていうのは、一般論
的に申し上げても、常に考えなきゃいけない論点だろうなというふうに思っていま
す。当然、金融政策、経済もしくは金融という非常に変動が激しいものをみてるわ
けでありますから、そういうような状況の中で、特に、しかもこの半年間について
も、結構大きな変化というものも、先ほどから申し上げております物価環境につい
ても、また企業の意識というところについても変化が出てきているわけであります
から、そういうものに対して機動的に対応するというのが重要かなと。ですからそ
の点について言えば、もちろんYCCについてというと、実際問題としてYCCも
この 1 年間で何回かいろんな修正、機動的な対応をしてきたということであります
から、当然その延長線上の中でどう考えるかということもあろうかと思います。そ
れから、もちろんETFについてもということもあろうかとは思いますけれども、
特に今、そこで申し上げたところについては、どの政策に対して申し上げたという
よりは、より全般的な金融緩和環境に関してということでありましたんで、どの政
策を明確に明示して申し上げたというわけではないというふうにお考え頂ければと
思います。それから、柔軟にということも、ある面ではそれと似たような部分とい
うことかと思います。1 回やったことをまた戻すとかですね、そういうことよりも、
分かりやすいというようなことも重要だろうと思いますので、そういう意味からし
ますと、特に今私のところで、先ほどと繰り返しになりますが、どの政策に関して
紐付けて申し上げたということではないというふうにお考え頂ければと思います。
それから二番目にご指摘頂いた実質金利ということについて言えば、今回もこの挨
拶の中でですね、実質金利の表なんかも入れさせて頂いておりますし、また皆さん
が普通にご覧になる中でも、ご認識頂いている点だろうと思いますけれども、結構
なマイナス幅ですよね。ですから、それは短期であり長期でありということにもな
るんですけれども、少々変更したところでそんなに実質金利のマイナス幅が大きく
縮まるということではないと思います。ただ、だからといって、ご指摘頂きました
ように、どんどん利上げをするとかっていうようなことではありませんし、それか
ら、対応する場合にはもちろん段階的にということにはなろうかと思いますが、そ
れはあくまでも、繰り返しになりますけれども、実際の経済状況、その辺を毎回毎
回考えながら、それに合わせた対応をとっていくということでありますから、何か
ターゲットみたいなところがあって、そこに対して非常に機械的に対応していくと
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いうよりは、あくまでも実際の環境に応じた、今のあるべき水準というものはどう
なのかということを、これから毎回毎回考えていくということに尽きるんだろうと
思うんですよね。ですから、機械的にこうした水準だからというような形の中でそ
ういうふうなことをおっしゃる方も、われわれにご質問頂くこともあるんですけれ
ども、それよりは今申し上げたようにその環境に応じた [対応]、特にまだ日本なん
かの場合は、私もある程度見通せるということで申し上げましたけれども、まだ例
えば中小のところであったりとかまだらな状況というものもあるわけでありますか
ら、そうした状況の中でそれを定着させるためには、一定の緩やかな対応というも
のも必要なんじゃないかと私は思っている次第であります。
(問)
午前の講演で、先ほどから何回も出てる話なんですが、ギアシフトの例としてです
ね、マイナス金利の解除、YCCの枠組みの解除、オーバーシュート型コミットメ
ントの在り方、この三点挙げておられまして、これ三点挙げられたという意味は、
解除に際してはこの三つは同時に修正を考えるべきというふうなお考えでよろしい
のかというのが一点で。
もう一点が、そのうちの先ほどもお話あったYCCなんですが、解除というお話を
されてまして、これ見直しではなくて解除という表現されたのは、例えば目標だけ
ではなくてですね、長期金利の、上限の目途とかその辺も撤廃ということを考えて
おられるのか、その辺について教えてください。
(答)
今日の挨拶の中で、現在のきわめて強い緩和 の状況からのギアシフトということで、
あくまでもこの例示として挙げさせて頂いたということなんですよね。だから、そ
の中で例示としてイールドカーブ・コントロール、それからマイナス金利、それか
らオーバーシュート型のコミットメント、これ場合によっては例えばETFとかR
EITってこともあろうかもしれませんけれども、そこの部分についてということ
なんで、それが全部かどうかということよりは、あくまでもその例示としてという
ことだと思います。ただ、一つの論点というか、課題としてはその辺がまだあるん
じゃないかということは念頭に私も置いていますので、その辺をどう検討するかと
いうのがこれからの課題ということになるんじゃないかなというふうに思っていま
す。
それからYCCに関しては、ご認識の通り、これまでも何回も対応してきています
ので、そういう中で解除ということを書かせては頂いておりますけれども、ただ一
方で、いろんな対応の仕方というのはあろうかとは思いますので、そこの中のとこ
ろはあくまでも、一定の部分のところを変えるにしても、その中をどういう形で対
応するかっていうのは、様々なまだ選択肢が残っているということかと私は思って
いますし、また一方で、先ほど申し上げましたギアシフトと言いましても、別に緩
和を止めてしまうという前のところでもあるわけですから、その対応の中では、ど
ういうものが緩和を続ける中でありうるのかという選択肢というものも考えながら
ということかなと思っています。
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(問)
今の質問ともほぼ同じと言えば同じなんですけれども、きわめて強い金融緩和から
の出口の在り方というところについて、何と言うんですかね、出口から抜けて、緩
和をちょっとこう変えていくっていうふうな進め方について、どういう順番にやっ
ていくべきだとか、どういうことを優先的にやっていくべきだとか、そういったと
ころのお考えがあればお願いします。
(答)
出口のところからの対応っていうのは、別に何か準備、順序があるわけでもないと
思うんですよね。ですから、どういう順序でだとか、それからどういうようなやり
方でというところは別に決まりがあるわけではないと思いますので、そこのところ
は先ほどの繰り返しになっちゃうんですけれども、ギアシフトの中にいろんなメニ
ューがあると思いますから、そういうものをいろんな選択肢の中を考えながら、場
合によってはパッケージでということもある かもしれませんし、その辺のところは、
状況に応じてというか、あるべき姿ということも含めて対応していくということに
なるんだろうなと思います。ですから先ほどのご質問とも絡むんですけれども、状
況によっては、結果としてパッケージにみえてしまうということもあろうかとは思
いますし、そこのところは別に決まりがというよりは、状況に応じてというふうに
考えて頂いてもいいのかなというふうに思います。ただいずれにしても、非常に強
い緩和のところからのギアを少し変えていくということと、同時に、そうは言って
もある程度の緩和、サポートをまだ残さなきゃいけない部分っていうのも当然ある
し、また一方でそこの中でこれも先ほど最初のご議論の中でのところにもなるんで
すが、そのギアを落とし過ぎちゃえば、非常に不連続的にボラティリティが上がっ
てしまうということも起こるわけですから、その辺については大きな変動が起きな
いように、不連続的な、ガタガタみたいな形にならないように対応していくってい
うのも重要なんじゃないかなというふうに思っている次第ですね。
(問)
最後の方の質問と少し被ってしまうんですけれども、緩和からの出口の面で、先ほ
ど分かりやすいことも重要だと委員おっしゃっていて、この分かりやすいこととい
うのは、2%目標の実現が見通せたという段階で、やはりもっとシンプルに金融政策
を見せていくとか、どういう意味で分かりやすさを追求していくということなんで
しょうか。
(答)
いろんな意味での政策について言うと、非常に分かりにくいような状況っていうの
は避けるべきだろうなと思っています。それはある程度市場の方とのコミュニケー
ションをやる場合でも、様々なところでもその意図がどういうふうに伝わるかとい
うことは、伝えなきゃいけないと思いますから、その意味であまり複雑にならない
ということは重要なメッセージではないかなと思っています。そういう観点からす
れば、先ほどからの繰り返しになりますけれども、ある程度見通しがつくような状
況になった場合での金融緩和の度合いを、どのぐらいに対応していくのかというと
ころの、まさにメッセージというようなところと、それからそれに伴う対応という
ものをどういうふうにするのかというところ、今申し上げたようなメニューなんか
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も含めたところを出していくということも必要なんだろうと思いますし、また一方
で今回の場合、私も日銀の財務の問題なんか も取り上げさせて頂きましたけれども、
そういう点なんかについても、分かりやすく説明をさせて頂くということもやっぱ
り重要なのかなと、いろんなご指摘頂いている点なんかもありましたし、こういっ
た点はわれわれサイドでも、これまでもいろんなレポートを使いながらでも発信を
させて頂いた部分もありましたんで、そういう点なんかも含めて対応する必要があ
るのかなと思ったところです。ですから別にどれを指して分かりやすいということ
ではないんですけれども、全般的な対応としてそういうことは考えなきゃというこ
とで、申し上げた次第です。
以 上