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氷見野副総裁記者会見(9月2日) [PDF 255KB]

SPEAKER記者会見(9月2日) [

PUBLISHED03/09/2025, 00:00:00
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2025年9月3日

日本銀行

氷見野副総裁記者会見

――2025年9月2日(火)午後2時から約35分

於 釧路市

(問)

二つほどご質問させて頂きたいのですが、一つは今回の金融経済懇談会でどのよう

な話題が出たかということと、もう一つ はちょっと重複してしまうかもしれないの

ですが、当地の経済の印象、釧路、根室などお聞きしたいと思 います。よろしくお

願い致します。

(答)

今日伺った話が私の意見の中心なので、まとめてお答えさせて 頂ければというふう

に思います。今日の懇談会では、道東地域の行政や経済界、金融界を代表される皆

さまから、当地の金融経済情勢や地域が直面する課題、あるいは皆 さま方の取り組

みについてお話をお伺いするとともに、日本銀行の金融政策運営に関する貴重なご

意見を賜り、非常に有意義な意見交換ができたと考えております。この場を借りて

御礼申し上げたいというふうに思います。懇談会では、本当にいろんなお話を伺い

まして大変参考になったんですが、全てはご紹介できませんので、特に印象 に残っ

ている点ということでいくつか申し上げますと、一つは、やはり 、当地企業の大宗

を占めます中小企業中心に、原材料コストや人件費の上昇などによって企業収益が

圧迫されているというお話ですとか、あるいは人口減少などを背景として、人手不

足が深刻化していて事業の展開の障壁になっているとか、そういった企業経営の直

面する課題をいろいろ教えて頂きました。また、事業承継についても課題をいろい

ろお聞かせ頂いたところであります。また、当地の基幹産業であります、農業 、漁

業、畜産・酪農業については、温暖化の環境変化による影響、例えば乳量生産への

影響ですとか、魚種の変化ですとか、そういったお話もいろ いろ聞かせて頂いたと

ころであります。他方、こうした課題に対応して、例えば農畜産業では、産学連携

や自治体を跨いだ広域連携によって付加価値向上に取り組んでおられるというお話

ですとか、あるいは北海道横断自動車道の延伸などによってますます物流機能の強

化を図っていく考えであるとか、そういったお話も伺ったところであります。また

観光面では、当地の涼しい気候をアピールして夏場の滞在者を呼び込む取り組みな

どのお話も伺いました。この他にも、地域経済の活性化に向けた様々なお取り組み

について意見を頂戴致しまして、当地の行政、経済団体、金融機関が一丸となって、

そうした前向きな取り組みを後押ししておられることを非常に心強く感じたところ

であります。

(問)

二点あります。一点目は、ご講演の中で日米の関税交渉、合意したけれどもまだ不

確実性は高いと、通商政策の影響、世界経済の不確実性等を考えると、当面は、や

はりその関税の悪影響が当初みていたよりも大きくなる可能性により注意が必要と

2

いうご発言でした。一方で、物価については 、上下のリスクがあるというふうにお

っしゃっているので、全体として とらえると、やはり当面は経済の下振れリスクを

意識して、利上げのタイミングについてはより慎重に判断すべきというお考えなの

か、その辺りをお願いしたいと思います。それが一点目です。

二点目は、講演の中でバランスシートの縮小の一環として、ETFやJ-REIT

の処分についても検討が必要ということですが、これはいつ頃そういう検討を開始

できそうなのか、また、ETFやJ-REITという特殊なリスク性資産という性

質上、他のバランスシートの国債といったものとはちょ っと処分の仕方については

留意点があると思うのですが、特に注意すべき点、お考えがあればお願いします。

(答)

まず一つ目の点ですが、日米で関税についての合意ができたことというのは大きな

前進で、日本経済にとっても不確実性を引き下げる一歩だというふうに考えており

ますけれども、例えば、アメリカと中国の交渉はまだ途中ですし、また 、医薬品と

か半導体とか、品目別の関税についても、必ずしもはっきりしていないところがあ

りますので、世界全体としてみれば不確実性は残っているというふうに考えており

ます。そのうえで、経済については、下方向のリスクにより注意をする必要がある

んではないかと、また、物価については、上下双方向というふうに申し上げました

けれども、これは 7 月の展望レポートで、リスクバランスをみると、経済の見通し

については、2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい、物価の見通しにつ

いては概ね上下にバランスしていると申し上げていたまま のことを申し上げただけ

であります。

二つ目の、バランスシート、ETF、J-REIT、いつ頃ということでしたけれ

ども、これにつきましては、バランスシートのあり方に関連してしばしば質問を受

ける点でしたので、基本的な点について、一般的な考え方を申し上げました。特に

何か時期について示唆する考えはございません。リスク性資産として処分の留意点

は何かということでしたけれども、これはどういう方針で処分していくかというこ

とについては、もう方針を発表しておりまして、これは株の処分のときの方針と共

通しておるわけですけれども、一 つは、市場の情勢を勘案して適正な対価によるこ

と、二つ目は、日本銀行の損失発生を極力回避すること、三つ目は、市場等に攪乱

的な影響を与えることを極力回避すること、というふうに定めておりまして、株式、

大変時間をかけて攪乱的な影響が起きないようなかたちで、しかも市場の適正な対

価で日本銀行に損失発生をすることもなく、株式についてはこの方針で処分できた

わけですけれども、ETFやJ-REITについても同じ考え方で取り組んでいく

ということになるだろうというふうに思います。

(問)

基調的なインフレ率についてお伺いします。 午前の講演で、関税の影響で足踏みし

ても、いずれ 2%と概ね整合的な水準で推移するというふうに見方を示されました。

この基調がですね、足踏みから再び上昇に向かう確からしさにつきまして、副総裁、

現時点でどのように考えておられるのか、そこにですね、確信が持てなければ、再

上昇にですね、追加利上げは難しいとお考えなのかをお願い致します。

3

その基調的な物価上昇につきまして、講演では 2%にかなり近づきつつあるという

ふうに発言されまして、ご発言からするとですね、少なくとも、副総裁、1%後半ぐ

らいをイメージしておっしゃっているのかなという印象を受けたのですが、大まか

で結構なのですが水準のイメージについてもうちょっと教えて 頂ければと思います。

二点よろしくお願いします。

(答)

一つ目ですが、これも表現が少し違うかもしれませんけれども、 7 月の展望レポー

トで、この間、消費者物価の基調的な上昇率は 、成長ペース鈍化などの影響を受け

伸び悩むものの、その後は上がっていって、見通し期間後半には物価安定の目標と

概ね整合的な水準で推移すると考えられる、というふうに言って いるのと特に言っ

ている趣旨は変わりません。それで、ではそうなっていく確からしさはどうか、確

信が持てなければ利上げはないのかということですけれども、これは、そうなる見

通しの確度および上下双方向のリスクをみていくということだと思います。 その確

度がある程度高まっていく、更にその確度、メインシナリオ通りにいかないといっ

たときに、これ上振れするリスクと下振れするリスクどっちがどうなのかというの

をみて判断していくということになりますので、何か確度だけみてというよりは、

メインシナリオの確度と上下双方向のリスクをみながら判断していくということで

はないかというふうに私は思っております。

かなり、と言ったかどうかあれですが、近づきつつあると 言ったときに水準はどれ

くらいかということですけれども、これが、結局、推計方法によっていろいろです

し、そもそも概念として、予想インフレ率の中長期的なものでみていくのか、ある

いは一時的なものを外していくのか、一時的なものを外すといったときに何を一時

的とみるかというようなことで、必ずしもピンポイントで特定できるものではあり

ませんので、近づいているという方向は申し上げられますが、 何か更にゾーンを狭

める表現をあえて申し上げるのは、ちょっと差し控えさせて頂ければと思います。

(問)

今後、日銀が追加利上げの時期を判断していく うえでですね、米国の物価動向が大

変重要になってくるかと思います。今後、関税の価格転嫁が進んでいくとみられて

おりますけれども、副総裁、米国の物価動向を見極めていく うえで、特にどういっ

た点を重視されていくお考えでしょうか。また、転嫁の状況とかですね、それを受

けた物価動向を見極めるには、大体どのくらいのスパンが必要になるというふうに

お考えでいらっしゃいますでしょうか。以上お願い致します。

(答)

おっしゃる通り、米国の物価の動きというのは注目点の一つだろうというふうに思

います。それで、川上からだんだん川下に波及して いくというふうに考えますと、

関税収入がどう出ているか、あるいは輸出側で価格の変更をどう行っていくのか、

更にアメリカの企業が、多分、現時点では関税分を吸収して いるのはアメリカの企

業の側が一番比重が高いと思うんですけれども、どこかでそれは転嫁するっていう

ふうになっていくということの可能性が多いと思うんですけれども、それが数字に

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どう出てくるかというのは、消費者物価指数の品目ですとか、あるいは様々なアネ

クドータルな話もあると思います。あるいは関税の見通しがはっきりしたところで

輸出の側も方針をはっきりして、動き始める というようなこともあると思いますの

で、その辺はよくみていきたいというふうに思うわけですけれども、では、いつ頃

までみればはっきりするかというところですけれども、日本の場合でも、輸入物価

が上がったときにPPIに出るのが 3 か月後、消費者物価に出るのが 6 か月後ぐら

いによく言われているんですけれども、アメリカの場合は、私はもっとさっさと転

嫁するという経済だと思ってたんですけれども、どうも今回は違う可能性もあるよ

うな気がしますので、ちょっといつまでみればこれで大体 分かったと言えるかとい

うところも含めて、ちょっとまだよくみていきたいと思っております。

(問)

大きく質問二点お願い致します。一点目、今日のご挨拶の中でですね、米国関税の

影響、これから顕在化するという旨の発言がございましたが、実体経済 への影響が

データに明確に表れてからでないと、日銀が想定するメインシナリオが確認できな

くてですね、利上げは難しいとお考えなのかを伺いたいのと、これに関連して、影

響を判断するうえで重要と考えている指標を改めて教えてくださいというのが、す

いません、一点目。

二点目が、ETFなどの処分に関して、挨拶の中でですね、この得られた知見って

いうのは具体的にどのようなものなのかというのと、この売却を始めるに 当たって

参考になる知見っていうものがある場合は教えて頂けますか。

(答)

これから顕在化するというのを一応メインシナリオとして持っておるんですけれど

も、結局大きく二つあって、現状あまり大きく出てないのは、遅れてるからか、そ

れともそもそもそんなに影響がない話だったのか 、というところが一つ見極めが必

要なところで、現時点では、基本的にはこれから出てくるというふうにみているわ

けですけれども、仮に、もし今日申し上げたような様々な理由で、それほど大きな

影響が表れないのだっていうことが確認できた場合には、それは利上げを待つ理由

になるというよりは、むしろ、いったん基調的な物価が足踏みする要因がな くなっ

たということですので、顕在化しないということがはっきりすれば、それはどちら

かといえば利上げ方向に働く要因になるだろうと思います。その うえで判断するう

えの指標としてどんなものがあるかということですけれども、一番早く出てくるの

は、やっぱりヒアリング情報だろうというふうに思います。私ども本店・支店でい

ろんな企業の方のお話を伺っておりますけれども、そうしたヒアリング上でどう出

てくるかというのが一つあると思います。一部の業種の、例えば収益の数字とかに

はもう既に出てきているわけですけれども、それがどの程度の広がり を持っていく

のかといった点については、特定の一つの指標をみていくというよりは、いろんな

指標をみながら、特に海外の動きも含めてみながら考えていきたいというふうに思

っております。

二つ目の、ETF、J-REITについて考える際に、株式の処分で得られた知見

というのはどういうものかということですけれども、先ほど申し上げた三つの原則

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という方針で株式についてはやってたわけですけれども、株式については基本的に

はうまく処分を進めることができたというふうに思います。ただ株式と ETF、J

-REITについては、市場の情報だけじゃなくて、そもそも私どもの持ってる規

模もだいぶ違いますし、機械的にそのまま持ち込める話ではない わけですけれども、

こういうやり方であれば株式についてはできた 、ということを一つ参考になる知見

として使っていきたいということで申し上げました 。そのうえで、ではいつ始める

かとかいうのについての知見があるかということでしたけれども 、何かタイミング

について具体的に申し上げるだけの準備はございません。

(問)

ちょっとお話が被っちゃうかもしれないんですけれど、この時間がかかっているだ

けの関税の影響っていうのは、もうそろそろ、この秋にも出てきて見極 められるよ

うな印象なのか、この時期について教えて 頂きたいのと、あと、いろいろな指標と

いうことではあったんですけれども、もちろん、GDP、物価っていうの はあると

思いますが、収益と賃金との関係、基調的物価に影響する、その 辺りはどういうか

たちで確認されていきたいと考えているのか教えてください。

(答)

まず関税の影響については、遅れてるだけという可能性と、そもそもそれほど大き

くないという可能性があって、そもそも大きくないということが確認できる時期と

いうのはなかなか難しいと思います。いつ頃出てくるかということですけれども、

関税政策自体がいろいろ動いてるわけですし、ただ一つ、先行指標的に注目点の一

つになると思いますのは、アメリカ経済にどう影響が出てくるかといったところは

一つよくみていきたいというふうに思っております。同時に 、日本企業の側でどん

なお話をされるかといったところも 、なので数字だけで確認するというよりは、何

が起こっているのかというメカニズムみたいなものを把握することによって、 とら

えていきたいというふうに考えております。また、結局、では賃金にどう響いてく

るのかというのをどういうふうに とらえてみていくのかということなんですけれど

も、これは、これまでのところあまりはっきりは出ていないということだと思いま

すが、それは経済全体、収益も含めてあまりはっきり出ていないという状況で、夏

のボーナスにしても春闘にしても、昨年度の業績が主な参照点になって決まってい

るので、今後どうなっていくかというところが注目点だというのは、一つ非常に大

きな点だと思いますが、これも、今のところ関税がかかってるので輸出価格を下げ

なきゃならないと、だから納入企業にはコストカットを求めるっていう感じの動き

というのは、私どもがヒアリングしている限りでは、そういう [求めが]来たら嫌だ

なっておっしゃってる人はいろいろいるんですが、そう言われたって言ってる人は

まだ私は聞いたことがないので、それは一つ重要なポイントではないかと思います。

また、一方では人手不足とか雇用の流動性とかそういったところからも、あるいは

最低賃金を巡る政府の政策ですとかいろんなものの影響があるわけですので、重要

なポイントですけれども、何かこれをみればばっちり予測ができるというものはな

いんですが、今申し上げたような点はよくみていきたいというふうに考えておりま

す。

(問)

6

地域的な話題なのですが、北海道経済全体の先行きについてお聞きします。道内で

は、現在、道央圏を中心に次世代半導体の量産を目指す Rapidusの経済効果

が広がってまして、もし可能であれば Rapidusへの期待なども踏まえて、中

長期的な先行きどのようにみていらっしゃいますか、一つお願いします。関連で二

点目として、北海道を始め、全国各地でインバウンドによる経済効果、観光、増え

ていますが、利上げを含む日銀の金融政策による 、円安・円高どちらになるか分か

りませんが、与え得る影響についてもお考えがあればお願い 致します。以上二点、

よろしくお願い致します。

(答)

北海道の足元の景気というので言いますと、住宅投資や生産の一部に弱めの動きが

みられるものの、観光が増加しているほか、設備投資も緩やかに増加していて、全

体としては持ち直しているということだと承知しております。今後につきましては、

ご指摘がありましたRapidus、インバウンドほか、非常に強い材料があると

いうふうに思っております。他の地域同様、人口は減少 を全体としてはしてるわけ

ですけれども、一人当たりGDPはむしろ伸びているのが特徴でありまして、人口

減少の中で一人当たりの豊かさは、むしろ他の地域よりも早く伸びている という辺

りについては、いろんなご努力、取り組みがあってのことだと思いますので、そこ

については今回の出張でいろいろ学んでいきたいというふうに考えております。

(問)

二点ございまして、一点目、アメリカの話な んですけれども、FRBの独立性の懸

念が強まっていることについてです。信認の低下に伴って、例えばですけど、金融

市場が動揺すれば日本にも影響が及ぶというふうにも考えられますけれども、この

辺りをどうみてらっしゃるのかということが一つ目です。

二つ目もベッセント米財務長官から日銀がビハインド ・ザ・カーブというふうに指

摘されました。今日の氷見野さんの講演では、利上げを急ぐ必要はないと考えてい

らっしゃるのかなとも感じましたけれども、どのように考えていらっしゃるか教え

てください。

(答)

まず、FRBの独立性を巡る最近の様々な事柄について直接コメントを申し上げる

のは避けさせて頂きたいというふうに思いますけれども、一般論として申し上げれ

ば、中央銀行の独立性とアカウンタビリティというものは、様々な国における様々

な経験から編み出されてきた知恵であり、長い目で、通貨に対する信認を確保する

うえで大切な工夫だというふうに考えているところであります。

これもベッセント長官のコメント自体についてコメントすることは差し控えさせて

頂きたいというふうに思いますが、今日申し上げたのは、経済についても物価につ

いても、上下双方向のリスクがあるということを申し上げたつもりであります。そ

のうえで、基本的なシナリオ通りであれば、方向としては、徐々に利上げを行って

いくという方向は、おそらく他のコメントされて いる方とも齟齬はないというふう

に思うわけですけれども、タイミングの話になるだろうというふうに思います。そ

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のタイミングについては、申し上げられるとすれば、経済も物価も上下双方向のリ

スクがある中で、先走り過ぎたということにもならないようにしないといけないし、

後手にも回らないようにしなければいけないし、両方気をつけながら適切な政策運

営に努めてまいりたいというふうに考えております。

(問)

大きく二点ございまして、足元で国内の金利、債券市場で利回り上昇しているかと

思います。市場では 10 月ですとか 12 月といった年内の利上げ観測が高まっている

かなと思うんですけれども、もちろん先ほどお答えになられたように、ちょっとタ

イミングがどうか難しい点はあるかと思うのですが、こうした市場の見方に対して

氷見野副総裁のご見解と照らし合わせて整合的かどうかという点を一点お伺いした

いです。

二点目なんですけれども、7 月の決定会合の際に、植田総裁が 、供給サイドからの

インフレ圧力が高まっているときに利上げで対応しようとすることが望ましいのか

ちょっと考え込んでしまうというご発言 をされていたかと思います。需要サイド、

供給サイドといったインフレの要因によって金融政策の対応が変わり 得るのかどう

か、お考えをお伺いできれば幸いです。

(答)

まず、一つ目の債券市場の動向についてですけれども、金利の具体的な動きについ

てコメントは差し控えたいと思います。金融政策の動向についての見方を反映して

る面についてご言及があったと思いますけれども、金融政策だけではなくて、日本

の経済や物価についての見通しですとか、海外金融市場の動向ですとか、あるいは

今後の国債発行についての見通しですとか、金融政策以外の要素も含めて様々な要

因を反映して動いているというふうに思いますので、動きが私の金融政策について

考えていることと整合的かどうかというのは金融政策だけで決まるものではないこ

とから、ちょっとコメントを差し控えさせて頂ければと思います。

供給ショックの場合と需要ショックの場合で金融政策の対応にどう違いがあるかと

いう点で、私は植田総裁のようにエコノミストで はありませんので、あまり明快に

講義できる自信はないのですけれども、これは需要ショックか供給ショックかとい

うことだけで機械的に決まるものではなくて、例えば、その要因が一時的なものか

持続的なものか、更に、起きた環境において、例えば中長期のインフレ予想がある

程度アンカーされているのかそうでないのか、更には中長期の予想が 2%からどの

程度ずれていると考えるのかとか、更にそこを総合して考えたときに、そうしたシ

ョックが物価安定にとって一時的なものに とどまるのか、持続的な影響があるのか

といったところを評価して、対応するということになると思います。ただ、金融政

策が直接効くのは、需要に対してまず効果が表れるわけですので、どちらかという

と需要ショックのときの方が金融政策どうしたらいいかというのは判断しやすいと

いうのはおっしゃる通りだというふうに思います。供給ショックのときは、結局は、

需要ショックのときより更に悩んで、だから何もしないということにはならん わけ

ですけれども、様々な政策変更の影響も考えて、悩んで判断していくということに

なるだろうというふうに思います。

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以 上

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