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2025年3月6日
日本銀行
内田副総裁記者会見
――2025年3月5日(水)午後2時から約30分
於 静岡市
(問)
今日の懇談会でどのような話題が出たか、もう一点は、静岡の 金融経済情勢に対し
てどのようなご見解をお持ちかどうか、この二点をお伺いしたいです。
(答)
その二問は関連するところもありますので、多少 ダブるところもあるかもしれませ
んけれども、お許し頂くとしまして、本日の懇談会では静岡県の行政、金融 ・経済
界を代表する皆さまから当地の金融経済情勢、それから地域経済が直面する課題等
につきまして、大変貴重なお話を伺いました。また 、日本銀行の金融政策運営に関
するご意見、ご要望もお伺いしまして、大変有意義な意見交換ができたという ふう
に考えております。ご多忙の中でご出席 頂いた皆さまに改めてこの場をお借りしま
して御礼を申し上げたいと思います。懇談会の話題 、かなり多岐に亘りましたので、
全てを網羅することはできません。その意味でちょっと失礼かもしれませんけれど
も、席上で頂いたお話を私なりに整理したうえで申し上げたいと思います。まず県
内の景気でございますけれども、個人消費が堅調な中で全体としては緩やかな回復
傾向にあるというお話を伺いました。 この間、原材料、あるいはエネルギー価格の
上昇、それから深刻化する人手不足を背景にしまして、企業 を取り巻く環境は依然
として不透明であり、特に中小企業については厳しい状況にあるといったお話も伺
ったところです。人手不足、これは全国的にそうなんですけれども 、今日の挨拶で
申し上げましたけれども、ミクロレベルの工夫が大事だという ふうに思います。こ
の点、当地では観光業、それから自動車整備業ともおっしゃって いましたが、幅広
い業種で外国人材の積極的な活用が図られているという ふうに聞きました。またこ
れは講演で申しましたが、運転手不足等への対応として、自動運転トラック ・バス
の公道走行実験、こういったことにも積極的に取り組んでおられます。 更に申し上
げると、各自治体が中小企業におけるAI等のデジタル技術の活用に積極的に取り
組んでおられるもとで、例えば労働者不足が激しい業態、建設現場の 合理化、省力
化を進めるうえでは、業種を超えた連携を深めていく必要があるんじゃないかとい
ったご意見も伺ったところです。企業が人材を確保するうえ では継続的な賃上げが
欠かせませんし、これは重要なことだというふうに思いますけれども、同時に労務
費のコストアップ分を適切に価格転嫁していくための商慣習の定着が必要ではない
かといったご指摘も頂きました。日本銀行の金融政策運営については 、基本的にご
理解頂いたというふうに判断していますが、地域経済、あるいは金融機関への影響
等も踏まえて政策運営を行ってほしい 、といったご意見を頂いたところです。日本
銀行と致しましては、頂いたご意見等も踏まえて、引き続き地域の状況にもきちん
と目を配りながら、適切な政策を進めていきたいというふうに思っています。
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それが一問目で、第二問目、相互に関連しますけれども、静岡県経済につきまして
は、緩やかに回復しているという ふうに認識しています。輸出とか生産ですけれど
も、中国をはじめとする海外需要の減少の影響もありまして、主力の自動車産業を
中心に横ばい圏内の動きとなっています。個人消費につきましては 、物価上昇など
の影響がみられていますけれども、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかに増加し
つつあります。一方で、各種コスト上昇、それから人手不足が県内企業の事業活動
の制約になっているということに加えまして、主として海外ですが 、海外経済の不
確実性などを背景に先行きを慎重に みておられる企業も少なくないといったお話を
伺いました。ただ、そういう中にあっても、前向きの取り組みが進められておりま
して、県外企業の誘致の強化、あるいは県、民間を挙げてスタートアップ支援 に注
力しておられるといったこととか、それから県内の自治体、金融機関、大学等が連
携してカーボンニュートラルにも取り組んでおられるというお話を伺いました。こ
ういった前向きの取り組みを生かして、静岡県経済が 更に発展していくことを心か
ら期待しております。
(問)
二点ございまして、最初の講演録の 6 ページにあるところで、想定される程度のペ
ースの利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけるだろうと いうこと
をおっしゃっているのですが、これは市場の想定、例えば図表 12 にあるようなです
ね、およそ半年に一回程度というようなペースを想定されているのか。 そうだとす
ると、この程度の利上げであれば できるということなので、少し緩やかなのかと考
えてらっしゃるのかということが一点。
二つ目ですね、足元の米を中心としたコストプッシュの値上げなんですけれども、
こちらのこの影響はですね、消費を下押しするということなのか 、あるいは基調的
な物価を上振れさせる方に働くのか 、ミックスかとは思うんですけれども、どちら
の方のバランスを重くみてらっしゃって、それに対応する政策運営、利上げのペー
スとか、どの点を注意されているのか教えてください。
(答)
一点目は 6 ページのところ、一番下のところですね。「想定される程度のペースの
利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけるだろうとは思っています 」
ということですが、これは市場のというか、一般的に言われていることも含めて 、
この文脈であれば、多少の違いがあっても同じことが言えると思いますので、市場
の見通しのことを言っているわけでもないし、例えば日本銀行が考えている見通し
のことを言っているわけでもなくて、いずれにしてもその範囲内であれば、毎回利
上げしていくようなペースではないわけですから、経済とか物価の反応を みて、そ
の反応をみながら、もう 1 回やるのかどうかを考えていけばよいという意味です。
従って、特定のペースを念頭に置いたものではな くて、多少の違いがあっても、こ
の書いてあることは言えるだろうという趣旨で書いています。
それから二つ目は米価格の影響ですけれども 、個別の品目について予想を行ってい
るわけではないので、この後どうなるのか というのはありますけれども、食品とか
エネルギーというのは、いろんな要因で振れやすいので、基調とかを考えるときに
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は考えないというか、除いたりすることもたまにありますし、海外では 。考えなき
ゃいけない要因ではあるんですけれども 。同時にですね、一方で、生活しているう
えで、物価とは何かというか、最も接する頻度が大きい品目でもあるわけですね 。
なので、基調を考えるうえで一番重要なのはもちろん賃金ですけれども、そういっ
たよく使う、よく買う品目というものが、消費者の 物価観というか、物価予想です
かね、正確に申し上げれば、物価予想に及ぼし得る影響というものはですね、これ
は十分注視していかなければいけないという ふうに思います。当然ですけれども、
これは講演の中でも書いていますが、今、物価と賃金と両方上がっているわけです
ので、それの相対的な関係、あるいはそれが企業部門・家計部門の中で、二極化と
いう言葉もありますが、その言葉がいいかどうかは別にして、部門の中でも、必ず
しも一様ではないこと、こういったことが個人消費にどういう影響をするのかとい
うことはですね、これも注目して みていくポイントだというふうに思います。これ
一方は物価の話で、一方は経済の話ですので、必ずどっちが大きいとかという話で
はなくて、どちらもきちんとみていったうえで、経済と物価、両方の見通しを作り、
それに従って政策をしていくということになると思います。
(問)
今の質問に関連したものになるのですが、 米価格の上昇などを要因として消費者物
価の高い伸びが続いていると、これが基調的な物価 を上振れさせるリスクとして、
現状どの程度となっていると認識されているのか教えてください。
また、午前の講演の中で基調的な物価上昇率は 2%を下回っていて、この状況で引
き締めると景気を抑制して賃金も上がらなくなるとおっしゃっていますけれども、
今月も会合ありますが、連続で利上げする状況ではないということか 、改めて教え
てください。
(答)
まずですね、米価格について、特にそれ だけをみているわけではないと今申し上げ
た通りですけれども、そのうえでわれわれは見通しを作っていて、その見通しは今、
展望レポートにお示しした通りということになります。程度というのは、基準があ
ると「程度」って説明できますけれども、どの程度と言われても、それは今 われわ
れがみているのは、結果として出てくる CPIの見通し、除く生鮮の見通しですけ
れども、今われわれがお示ししている通りであるということになると思います。
そのうえでですね、基調的な物価上昇率がまだ 2%に至っていない、そういう意味
では、基調的な物価上昇率が幾らなのかっていうのは、何回か前から 三つぐらいい
ろんな指標というか、計測を示していますけれども、これも絶対的なものではない
し、それぞれレベルも違うので、特に今どうっていう数字があるわけではないです。
もともと基調的な物価というのはそういうものではなくて、ある種の幅を持ってし
か言えないものだと思います。明らかに言えることは、この間上がってきているこ
とと、でも 2%は下回っているであろうと、その 二つが言えるということかなとい
うふうに思います。この状況は変わっていません。そのうえ で政策の判断は毎回、
経済と物価の情勢を踏まえて行っていくということに尽きると思います。
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(問)
日銀がですね、今後利上げを進めていくうえでは、米国経済が堅調に推移して いる
ことが前提になると思いますが、講演では副総裁 、バランスの取れた状況にあると
おっしゃいましたが、ただこのところトランプ 政権のですね、高関税政策への警戒、
影響からですね、家計や企業の景況感の悪化を示すような指標が相次いで います。
こうしたですね、米国経済のダウンサイドリスクをどう みているのか、またそれが
日銀の政策の判断にどう影響するのかっていうのをまず伺えないでしょうか。
もう一つはですね、長期金利ですけども 、足元 1.4%を上回る上昇になっています
けれども、この背景にはですね、日銀の 利上げのターミナルレート、このターミナ
ルレート 1%越えを織り込むようなですね、動きがあると思います。市場が織り込
んでいるこのターミナルレートの予想についてですね、日銀の見方との間にですね 、
齟齬があるのか、もしくは目線が合ってきているのかどうか、その辺 を伺えないで
しょうか。
(答)
まず米国経済はかなり詳しく書きましたのであんまり付け加えることもありません
けれども、書いたことはですね、去年の夏懸念されていたような、労働市場が弱く
て、雇用ないし所得が弱いので、個人消費というのはいずれ、今は強いけど当時の
話ですね、今は強いけれどもいずれ落ちていくのではないかという当時の見通し、
ないし懸念というものは、かなりの程度 払拭されているというふうに思います。そ
れからもう一つ、バランスがいいと書いた趣旨は、インフレについてはですね、 確
かにこの数か月というか秋以降、若干下がるのが足踏みしている感じはありますけ
れども、PCEで言うと 2%台ですし、2、3%の間に落ちてきているので、これも
ですね、方向としては、目標に向かっている、2%ですけれども、目標に向かってい
るというふうに思います。そういう意味で、バランスが良いという評価をしたとい
うことです。当然ですが、どんな経済にも先行きにはリスクはあるわけですけれど
も、今で言うとですね、これも書いた通りですが、地政学的な緊張は高いというこ
とでありますし、新政権の政策は、 これは特別何の政策がってことではないですけ
れども、いろんな意味で、経済面それから物価面の両方に影響する可能性があると
思います。関税、移民等々、言われて いるわけですね。減税とか、他のこともあり
ますけれども。ただこれ具体的な対象の範囲とか、あるいは規模、そういったもの
によっても変わりますので、その影響を今ですね、はっきりと言うってことは、こ
れはできないだろうというふうに思いますし、今後の展開をみるしかないであろう
と思います。そのうえでですね、これも書いたことなんですけれども、実際その要
因がどうなるかということだけではなくて、それを巡って様々なニュースとかある
いは予想っていうものが出てくるわけであって、そのことがですね、米国に限らず、
各国の企業、あるいは家計のコンフィデンスに影響する面はありますし、現に影響
している面は出てきているという ふうには思います。また、金融市場は当然そうい
うものを先取りしながら形成されていきますので、そこにも影響し得るという ふう
に思いますので、そういう点を含めて、世界経済に対する不確実性は高い というこ
とで引き続き注視する必要があるというふうに思っています。
それからターミナルレートについてはですね、今回そういう意味で書いたというか
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書かなかったというか、それは分からないわけですね、今の段階では。それは 分か
らないことを分かると言う必要はないし、それが正しいコミュニケーションとは思
いませんので、実際に上げていく中で、結果としてこんなもんだったんだなってい
うのが分かるだろうと思いますし、現実にそういう ふうに政策が進められるだろう
と思いますし、進められるだけの状況が今あるという ふうに思っていますので、そ
れについて特にわれわれの見方というのがあるわけではありません 。ちょっと違う
言い方をすると、長期金利ないしはその市場のパス、そういったものについて、何
かわれわれがこう思ってますということが必ずしも正しいコミュニケーションでは
ないかなと私は思ってます。そういう趣旨を書いているわけですね。つまり、答え
を言っちゃいけないわけであって、 われわれはこういう考え方でこういう見通しの
もとで政策をやっています。その中で市場で形成される指標にはそれなりに市場が
どう思ってるのかっていう情報があるわけですから、その情報は われわれにとって
も貴重だし、何よりも市場機能として重要だという ふうに思いますので、私が今の
市場の考えていることは、おかしいとか、高いとか低いとか、そういったことを言
うというのは、できる限り避けるべきことだろうというふうに思います。
(問)
二点あるんですが、先ほどの、想定される程度のペースの利上げであればというく
だりのご説明のちょっと一応確認なんですけれども、これはやはりこれまでの利上
げの影響をある程度見極められるだけの時間を持ちつつというその範囲内でという
理解でいいのか、ちょっと正確を期するために改めて ちょっとその辺を確認したい
です。
二点目がアメリカのトランプ政権の関税の影響なんですが、まだ不確実とはいえ実
際にカナダやメキシコへの関税の引き上げは執行されましたし、中国の報復関税の
公表もされているということで、これまでは不確実性 、リスクであったものが実際
顕現化して、世界経済、日本経済に下押しの圧力となることはほぼ間違いないと思
うんですが、こうなった場合に今度の日銀の改めて成長率の見通しを作る場合、下
押しになる可能性が高い一方、物価は国内の人手不足等で比較的高い数字を維持さ
れるとなった場合、このときの政策運営の考え方としては 、やはり基調インフレが
しっかり 2[%]に向かっていれば利上げということなのか、場合によっては成長へ
の下押しというのをより意識しなければいけないことになるのか、現時点での考え
方をお願いします。
(答)
前者については、当然利上げの効果というのは累積的なものですので 、過去のもの
を含めてどういう効果があるのかっていう判断になるという ふうに思います。これ
は一般論としてそうだということですし 、この文脈であれば、当然そうだという ふ
うに思います。
それから後者については、これもですね、例えば、一定の関税が導入されてそのま
まずっと続くかどうかは分からないわけですから、常に不確実な部分は残るという
ことだろうと思います。その影響というのは、当然、海外経済を通じて国内の成長
率に影響しますし、そのことは日本の経済、それからひいては物 価にも影響すると
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いうことですけれども、それを全体として評価した うえで、経済と物価の見通しを
もう一回作って、その中で判断していくことなので、当然このことだけを取り上げ
てということは当たり前ですがありませんので、次[の展望レポートの公表]は 4 月
ですから、1月から4月の間に起きたいろんな事象を全部踏まえたうえで、もう一回
見通しをお示しして、われわれの考え方、これは変わってないんですけど、 われわ
れの政策反応[関数]の中で考えていくということになると思います。
(問)
二点お伺いしたいんですが、アメリカ経済について減速懸念が出てきているという
ことと、それから為替もひとときに比べると円高に振れているということで、日銀
にとっては、次の利上げに向けてまだ判断を見極めていく時間的な余裕が今できて
いるのかというのが一点目。
二つ目は午前の挨拶の中で、出口戦略について言及されまして、今後もオペレーシ
ョン、コミュニケーションの両面で工夫とバランスが求められていくだろうという
お話しされましたが、日銀の保有ETFの取り扱いについて、内田副総裁、現時点
でどのようにお考えでしょうか。
(答)
一問目についてはですね、今お答えしたことにほぼ尽きると思いますが、当然です
けれども、ある特定の状況に対応するわけではないので 、米国経済とか為替とかい
ろんなものを含めて、日本経済それから日本の物価というのを考えて、それに応じ
て政策を打っていくということに尽きるというふうに思います。
そのうえで二問目はETFですね、ETFについてはあまり変わっていないという
言い方がいいと思いますが、これまで総裁からも申し上げてきたことですけれども、
保有するETFあるいはJ-REITの処分についてすぐに行うということは考え
ていないということです。今後の扱いについては、ある程度時間をかけて検討する
必要があるというふうに考えています。処分の基本的な考え方は 買入れを始めたと
きに、実施要綱というかたちで示していますので、それに沿ったかたちで売却の仕
方というのを、売却というか処分ですかね、処分の仕方というのを考えていくとい
うことになろうかと思います。
(問)
賃上げでお伺いしたいんですけれども、先ほどの講演でも昨年に続いてしっかりし
た賃上げが実現する可能性が高いという ふうにおっしゃられましたけども、 1 月の
利上げもですね、そうした状況を踏まえて、それも念頭に置いて行われたと思うん
ですけれども、来週にまた集中回答とか、集計とか いろいろ春闘の公表があると思
うんですが、そういった高い中でも、実際レベルとして、より高いだとか思ったほ
どでもなかったとか、そういった状況を踏まえての追加利上げに対する、タイミン
グやペースの判断っていうのは変わるものなのか、そこについてお願いします。
(答)
今回の講演で書いた中身と、前回 1 月の公表あるいはその後の総裁の会見等で話し
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ていることは基本的に同じだと思いますので、特に特定の賃上げ率を念頭に置いて
いるとか言っているわけではなくて、昨年に続いてしっかりと、去年良かったです
からね、昨年に続いてしっかりとした賃上げが実現する可能性が高いという言い方
をしているわけです。ですから、去年より高いとか低いとか言ってるわけではなく
て、そういう数字になり、去年と同じようなしっかりした数字になるであろう とい
うことです。そのうえで、それが強い弱いということは、それは当然影響しますけ
れども、これも何度も言いますが、他の全てのこととの総合判断になるわけ ですか
ら、そのことだけを取り上げれば、それは高ければ高いほど、基調的物価上昇率を
引き上げる可能性が高いし、われわれの見通しが実現する確度は上がっていくとい
うふうに思いますけれども、それは程度と他の要因と、いろんなものをセットにし
たうえで考えていかないといけないということになろうかと思います。
(問)
二点お伺いしたいと思います。一点目が、先日、3 日になると思うんですけれども、
トランプ大統領がですね、中国とともに日本が通貨安を誘導してきたというような
発言がありました。これについての受け止め と、これによって金融政策に何か影響
が及ぼし得るものなのかどうかというところのコメントをお願いしたい ということ
です。
あと一点、これに関連するといえば関連するんですけども、本日の午前中の講演の
中で異次元緩和についてですね、実質金利の低下を通じて金融資本市場を通じてで
すね、物価・経済を刺激したということは言えると思うというようなご発言があっ
たと思います。こちら、取りようによっては、っていうか私の解釈なんですけれど
も、場合によっては大規模緩和によって円高を是正するというような意図がそもそ
もあったのではないかというふうにも読まれてしまうような、そういう可能性があ
ると思って私この発言を読んだんですけれども、その 辺りのその意図を改めて教え
て頂きたいです。
(答)
まずトランプ大統領のご発言について詳細を承知しているわけではありませんので 、
直接コメントすることは差し控えさせて 頂きたいと思います。わが国の通貨政策に
ついては、昨日ですか、加藤大臣がお答えになっているという ふうに承知していま
す。
それからレビューの説明の部分ですけれども 、これについては、まず大前提として、
日本銀行の金融政策は、物価安定のため、 わが国の経済と物価の情勢を考えたうえ
で最も適切な金融政策を行ってきたということです。それ自体が様々なルートを通
じて金融緩和が効果を得るというのは、これはもともとそういうものですので、特
定の為替なり何なりを意図したものではなくて、2%の物価安定を持続的、安定的に
実現するために必要な政策を行い、その波及ルートとしてそういうものもあったと
いうことを申し上げているだけであって、特に為替について何らかの レートに誘導
するとか、変えていくとか、そういったことを意図したということではなくて、あ
くまで目的は物価安定であるということになります。
(問)
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物価の上振れリスクというところに関連してくるんですけれども、副総裁 、これま
でビハインドザカーブになるリスクはほぼないという話をおっしゃってらっしゃい
ましたけど、今、足元こういった講演の内容を踏まえてですね、先ほど毎回利上げ
するとはみられていない、一般的にですね、という発言からすると、今何か利上げ
を急いでやるような状況に追い込まれるリスクについてはそんなに高く見てらっし
ゃらないという理解でいいのかどうかっていうところがまず一点。
あと、この講演の中で大きな山を二つ越えたっていうことをおっしゃっていますけ
ど、今後のこの山、何かやはり出口を的確にやっていくということになるのか、何
か特定の具体的な山というのを意識されているのであれば教えて頂けますと幸いで
す。
(答)
利上げのペースについてはですね、いつも言っている通りですけれども、 今後の、
先行きの経済・物価・金融情勢次第ということですし、考え方は何度も説明してい
る通りですので、その中で判断していくということに尽きるという ふうに思います。
二問目って何でしたっけ。
(問)山です。
(答)
これはですね、過ぎたことについてどこが山だったっていうのは割と言いやすいと
思うんですけど、この後何があるのかは正直よく分からないですね、それは。 いろ
んなことがあり得ると思うし、大規模緩和をやる時から当然意識していたことでは
ありますけれども、当然、やったことに伴って、後でそれを手仕舞うことは必要に
なるわけです。これはやる前から分かっている話だから 、規模が大きいだけにその
後時間もかかるし、いろんな意味で工夫をしないといけないと、それからバランス
も取っていかなきゃいけないということだと思っていますので、この後何 が起きる
のかは、予断を持たずにというか、緊張感を持ち続けながらやっていきたいという
ふうに思います。
(問)
ちょっと金融政策とかと全く違うお話で恐縮なんですけれども、講演の中で最後の
方で、静岡の「やらまいか」っていう言葉を引用されていますけれども、この「や
らまいか」を副総裁が知られたときにですね、その印象と、この精神についてどの
ようなお気持ちを持たれたかっていうところを教えて頂けると幸いです。
(答)
すみません、私もあんまり知らなかったと言えば知らなかったのですが、支店と話
してる中で出てきた言葉です。ただ、講演全体の流れを読んで頂ければ分かるよう
に、いわゆるデフレの時代というのは 、それが選択だというのはちょっと言い過ぎ
かもしれないんですけれども、基本的に 「やらない」っていう選択っていうのが無
いわけではなかった時代だったと思うんですけれども 。おそらく普通の経済、普通
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の競争がある経済ですが、2%の物価安定とそれを上回る賃金上昇ということになり
ますけれども、そういう世界になってくると、それこそ先ほどの人手不足の問題に
しても、自分たちはこういう収益を上げられる会社だから、 是非うちの会社に来て
ください、っていうことが必要になってくるわけですね。ですからそういう意味で
は、今までに比べると、ある種、早い者勝ちというか、やってみないといけないっ
ていう面が今までよりも強くなってくると思うんです。これは、特に強い競争経済
っていうことでもないんですけど、デフレの時代があまりにもそうではなかったの
で、これからそういう時代になっていく中では、おそらくその「やらまいか」って
いう精神がですね、非常に重要になっていくと思います 。これは県内だけではなく
て、是非日本中の企業の方、それから若い人、そうじゃない人も含めて、そういう
精神で動いてほしいと思うし、そういう精神で動いていくような経済に変わりつつ
あるというのが今の日本経済ではないかと思います。 そういう意味で、そういう言
葉があると知ったので、これを最後に使わせてもらおうかなと思ったということで
す。
以 上