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雨宮副総裁記者会見(7月28日)要旨 [PDF 315KB]

SPEAKER記者会見(7月28日)要

PUBLISHED29/07/2022, 00:00:00
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2022年7月29日

日本銀 行

雨宮 副 総 裁記 者 会 見 要旨

―― 2022年7月28日(木)

午後2時30分から約35分

(盛岡市・東京間オンライン開催)

(問) 本日の金融経済懇談会ですが、ご出席された方々からどのような意見

や声があったのか教えて頂きたいと思います。また、岩手県の経済情勢につい

てどのようなご認識をお持ちなのか、先行きの展望と併せてお聞かせください。

(答) 本日の懇談会では、 当地の行政や経済界、 金融界を代表する方々から、

地域経済の現状や直面する課題に関するお話をお伺いするとともに、日本銀行

の金融政策運営に対する貴重なご意見も伺いました。大変有意義な意見交換が

できたことについて懇談会にご出席頂いた皆様方には、この場をお借りして改

めて御礼を申し上げたいと思います。

席上様々なご意見を頂きましたが、私なりに整理して申し上げますと、

まずご質問頂きました岩手県の景気につきましては、新型コロナウイルス感染

症の影響が和らぐ中で持ち直しているというようなお話がありました。もっと

も、供給制約の長期化から生産が足踏み状態にあるとか、国際商品市況の上昇

に伴い調達コストが上昇しているとか、業種によってはサケやサンマの水揚げ

量が低下しているとか、あるいは建設工事にかかる復興需要の減少などから業

況が悪化しているといった意見も聞かれました。全体としては、先ほど申し上

げた通り、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で持ち直しの動きもあ

るけれども、なお厳しさが残っているということだと思いますし、更に足元で

は感染者数が増加していますので、その影響も懸念されるといった声もありま

した。こうした中、企業の皆様の懸命な努力に加え、行政や金融機関による各

種サポートの効果もあって景気 全体の悪化は食い止められているという指摘

も聞かれましたが、不透明感の高い状況は続いているということだと思います。

先ほど、感染症の動向に注視する必要があるというご意見があったということ

を申し上げましたが、同時に来週予定されている「盛岡さんさ踊り」は3年ぶ

りの開催と聞きました。これを契機に感染症対策を十分に行いながらサービス

消費が持ち直していくということを期待しているというお話も伺いました。金

融界の皆様からは、地元企業に寄り添った経営支援に努めているとか、資金繰

り面を全力でサポートしているといった声が聞かれました。こうした資金繰り

面のサポートだけではなくて、事業再構築の支援ですとか、M&Aの仲介、人

材紹介、それからDXの支援、そうしたことも含めて多様な支援を行いたいと

いうお話を伺い、大変心強く感じたところです。日本銀行としましても、現在

の金融政策の枠組みのもとで、緩和的な金融環境を維持し、わが国全体のマク

ロの経済活動のサポートを通じて、岩手県経済の発展に貢献してまいりたいと

考えています。

(問) 先ほど午前中に行われた懇談会の席上で、副総裁の挨拶における岩手

経済の現状と展望の中で、岩手について着目していることの一点目、県内地域

への製造業の集積に関して、サプライチェーンの国内回帰につながる動きのよ

うに思われる、という発言がございました。このことについて 、特に自動車、

半導体産業ですが、こうした国内回帰への動きを岩手でのトピックとしてとら

えられたと思うので、その点もう少し詳しくどのようにご覧になっているかと

いう点と、全国的な流れの中で、特に岩手のというところで何かありましたら

お話し頂ければと思います。

(答) 今日お話を伺っていて、あるいは事前に私どもの盛岡事務所や仙台支

店から聞いた話も踏まえ、岩手県経済が先行き、いわばポストコロナの世界を

見据えて一段と発展するためにどのようなことが必要かといった観点から、私

の意見も申し上げました。例えば、岩手の場合には、温泉、健康、自然といっ

たことに関連した観光資源が豊富であるとか、新幹線のほか航空路線や高速道

路網といった交通手段が充実しており、首都圏からのアクセスが相対的に良い

といった強みを併せ持っているので、こうした岩手の持つブランド力をまず生

かすということが非常に重要かと思ったということが一点目です。それともう

一つ申し上げたのが、今ご指摘のありましたように、岩手県では、最近色々な

ご尽力が実る格好で自動車とか半導体関連 産業の集積が進んでいることも強

みであると同時に、岩手県経済の先行きを判断するうえで大事な要素になって

いると思います。現段階でも、この国内外の旺盛な需要の拡大を受けて、関連

企業が生産能力の拡大を図るといった積極的な設備投資 スタンスを続けてい

ますので、こうしたことがプラスに作用するのではないかと思って いますし、

サプライチェーンの見直しという観点からは、やはり色々な動きが起きていま

す。一つは、コロナ禍のもとでサプライチェーンの混乱と申しますか、障害を

経験して、もう一度サプライチェーンを見直そうという動きが出ています。そ

うした動きの中で、もう一度国内の生産拠点の位置付けを見直そうという動き

が出ています。例えば、──これは新型コロナウイルス感染症に関係していま

すが──中国のロックダウンの影響とか、あるいは最近のロシアによるウクラ

イナ侵攻といった地政学的な要因の展開、最近の為替円安といった動きも、あ

る種、製造業の生産拠点の国内回帰を促す一つの要因にもなり得るわけです。

今申し上げたようなコロナ禍での経験とか地政学的な動向、あるいは市場動向

も含めて、全体としてこのサプライチェーンを見直そうという動きと、岩手県

がこの間行われてきた取り組みとが結びつくように思います。ただ、今日もお

話にありましたが、この県のテクノポリス計画のように、成果が出るまで、実

を結ぶまでには、大変時間がかかるということです。そうしたことも踏まえ、

やはりポストコロナの世界では、先ほど申し上げたようなブランド力を強化す

る、個別のサプライチェーンの見直しをうまく活用するという両方のかたちで、

こうした課題に正面から向き合いながら地域の魅力や強みを生かしていくと

いうことが更なる発展を図るうえで重要になると思いました。

(問) 昨日、FRBが 0.75%の利上げに踏み切りました。市場では急ピッチ

な利上げによって先行きの米国経済に減速懸念も広がっています。こうした見

方に対して、雨宮副総裁はどのようなご所見でしょうか。

併せて、米国の利上げによって景気は減速するけれども、肝心の物価

が下がらないリスク、これについてのお考えもお願いします。

(答) まず、昨日のFRBの決定についてですけれども、パウエル議長は以

前よりインフレ抑制に最優先で取り組むという姿勢を明らかにしています。物

価の安定を取り戻すことが、中長期的な経済成長や雇用拡大に資するというこ

とで、長い目でみた経済の安定のためには、やはり物価の安定が必要であると

いう考え方から金融政策運営を行っていると考えています。昨日のFRBの公

表文でも、あるいはパウエル議長の説明でも、最近の消費や生産に関する指標

が弱くなっているとしつつも、労働市場は非常に強く、消費者物価上昇率が引

き続き 2%を大きく上回って推移しているということを挙げていまして、こう

したことが判断の根拠になっているのだろうと思います。こうした金融政策運

営の景気への影響ですけれども、パウエル議長は米国経済について労働市場は

依然として非常に堅調であると評価しており 、現在の米国経済は景気後退に

陥っているとは思わないという見解を示しています。ただ同時に、先ほど申し

上げた通り、足元の経済の減速にも言及し、先行きの動向を注視するという姿

勢を示しているということだと思います。いずれにせよ、やはり米国が、経済

の安定を維持しながらインフレ を抑制するということをうまく両立させると

いうことは、米国経済のみならず世界経済、ひいては日本経済のためにも大変

重要な条件です。適切なかじ取りが行われると期待していますし、米国の金融

政策運営、あるいはそのもとでの経済情勢については引き続き注視していきた

いと思っています。

ご質問にありました、物価が下がらない可能性、十分に下がらない可

能性等につきましては、今の段階では判断することは非常に難しいと思います

が、FRBとしては先ほど申し上げた通り、あくまで中長期的な経済成長や雇

用拡大のためには、まずインフレ抑制に取り組むのであると、長い目でみた経

済の安定にはまずはインフレ抑制を優先するのだという姿勢で臨んで います

ので、そうした方針のもとで対応されると思います。ただ、昨日の記者会見で

も、パウエル議長はこうしたチャレンジというか、経済の安定を確保しながら

インフレを抑制するという課題はなかなか難しく、いわばソフトランディング

を実現するというパスは狭まっているというような表現もされています。非常

に難しい課題であるということを十分認識されたうえで、適切な対応を考えて

いくのだろうと思っています。

(問) 今の質問に関連しまして、基本的に今回のFRBの利上げについて、

日銀の金融政策への影響というのはないと考えてよろしいのでしょうか。

(答) あるかないかという意味でお答えすると、両面ある のですけれども、

直接の影響はないということです。それぞれの中央銀行は、それぞれの国の経

済・物価情勢に即して、適切な政策運営を行っていくということが基本であり

ますので、FRBが何かの金融政策運営を行ったからといって、それが日本銀

行の金融政策運営に直接結びつくということではないということです。ただし、

先ほども申し上げましたが、FRBのこうした金融政策運営のもとで、米国経

済や物価がどういう展開を辿るのかということは、世界経済のみならず日本経

済にとっても色々な影響を及ぼすほか、FRBの金融政策運営自身、例えば、

為替市場とか資産市場を通じて、様々な影響を及ぼしていくので、そうした影

響については、 よく慎重に注意深く点検してまいりたいと思っています。 ただ、

そう申し上げたうえで最後に付け加えますと、短期的には、当然FRBの金融

政策運営は、色々な影響を日本の経済あるいはマーケットに及ぼす可能性があ

るわけですけれども、やや長い目でみると、こうした政策運営が成功して、経

済の安定とインフレの抑制が両立できるということは、日本経済にとって望ま

しい条件ですので、そうしたことが実現することを強く願っております。

(問) 今日の午前中の講演の中で、賃上げの重要性というところに触れられ

ていたかと思うのですけれども、賃上げの今後の見方というか、今後の重要性

について伺いたいです。賃上げというのは進んでいるけれども今年度の物価上

昇には追い付かない、というような見方もあったかと思うのですけれども、今

後の物価の見通しとこの賃上げの重要性というところの考え方を改めてお願

いします。

(答) まず、今の景気情勢ということから申し上げますと、現在は新型コロ

ナウイルス感染症の影響が和らぐにつれて、景気は回復しつつあると判断して

います。その原動力の一つは、感染症のもとでの行動抑制と自粛によって抑え

られていた消費、いわば蓄積した貯蓄が、消費のバッファーになっているとい

うことです。物価の上昇による実質所得の低下という意味では、今は物価の上

昇が消費を抑える要因として働いているわけですけれども、今申し上げたよう

なペントアップ需要、あるいは蓄積された貯蓄が消費のバッファーとして働い

て、消費の回復をサポートしているという状態にあると思います。しばらくこ

うした状態は続くだろうと思いますけれども、来年以降を展望しますと、こう

したペントアップ需要というのは、いずれはだんだん収まっていくものです。

従って、景気回復が続くためには、あるいは消費の回復が続くためには、やは

り基本的には賃金が上昇していくことがどうしても必要な条件になってきま

す。そういう意味で、賃金が上昇するといったことが安定的な経済の拡大の重

要な条件として浮かび上がってきているという問題意識で申し上げました。た

だ、 今年度につきましては、 どうしても足元、 輸入物価の上昇、 資源エネルギー

価格の上昇が強く出ますので、今年度の段階で、賃金も上昇はし始めているの

ですけれども、賃金の上昇率が物価上昇率を上回るような、言い換えれば実質

賃金の伸びがプラスになる状況が実現するには尚早かとみています。ただし、

来年以降になりますと、さすがにこのまま資源価格、エネルギー価格がどんど

ん上昇し続けるという極端な仮定を置かなければ、どこかで前年比という意味

での上昇率の寄与は小さくなっていきますので、物価上昇率が落ち着いてくる

とみられます。賃金についていうと、前年の物価上昇率を参考に交渉が行われ

るところもありますので、賃金が上昇していけば、来年にかけては実質賃金の

伸びがプラスになるというような状況も期待できるのではないかと、それが持

続的な成長と、更にいえば、持続的な「物価安定の目標」の実現にも資すると

評価をしているということであります。ただし、こう申し上げたうえで、資源

エネルギー価格の先行きの動向ですとか、賃金交渉の行方といったことについ

ては、まだまだ不確実性が大きい状況ですので、よく展開を見守っていきたい

と考えています。

(問) 二点お伺いしたいのですけれども、一点目は、先日、高田審議委員が

就任会見に臨まれまして、金融緩和からの出口戦略については、常に考えてお

くべき論点だ、ということをおっしゃっていました。これまで黒田総裁が出口

戦略にあたっては、大まかな道筋というのを国会等でもおっしゃっていますけ

れども、日銀としてより具体的な出口戦略をこれから議論して、公表していく

というお考えはありますでしょうか。

二点目は、米国経済について先ほどもご回答がありましたけれども、

先行きについては、いわゆるインフレ圧力を抑制する観点から、やはり景気後

退、リセッションを免れないのではないかという見方と、そうはいっても減速

というのでしょうか、ソフトランディングでとどまるという見方と、二通りあ

りますけれども、現時点では雨宮副総裁はどのように米国経済の先行きをみて

いらっしゃいますでしょうか。

(答) まず、一つ目の出口戦略についてお答えします。 出口戦略については、

我々はもうずっと前から、出口戦略を具体的に議論するのは時期尚早であると

お答えしています。時期尚早ということの意味合いが時々誤解されることがあ

るのですけれども、これについては、日本銀行は全然出口戦略を考えていませ

ん、ということではありません。例えば、本当に 2%の「物価安定の目標」の

実現が視野に入った時に、どういう格好で金融調節手段を組み合わせて出口に

もっていくのかといったこと、金融政策手段の運用の仕方とか、あるいはその

場合のコミュニケーションの仕方等については、これは常に検討しているわけ

です。しかし、具体的にそうした金融政策手段をどうやって組み合わせて使っ

ていくのかというのは、その時の経済や物価情勢によって全く違うわけです。

それは、今我々がやっているいくつかの金融緩和政策として、マイナス金利政

策とか、それも含めたイールドカーブ・コントロールとか、いくつかの手段が

あるわけですが、それをどの順番でどのように使っていくかというのは、その

時の物価の上がり方の強さですとか、あるいは経済との関係で決まってくるの

で、その段階にならないとどのように使っていくのが適切かといったことを具

体的に示すことはできないし、示すことは適切ではないという考え方で時期尚

早という言い方をしているわけです。時期尚早というのはそういう意味ですの

で、高田委員がおっしゃったように、出口のあり方の具体的なものは尚早だけ

れども、そのやり方や方法について常に考えておくということが必要だろうと

思っています。

それから二つ目のリセッションをどう考えるかということですけ れ

ども、これはリセッションという言葉の定義にもよるのですが、相当大幅な経

済のスローダウンがあり得るかどうかということになろうかと思います。この

点については、実は米国の有識者の間でも非常に議論が分かれているところで

す。 一方の議論では、 この40 年ぶりという大きなインフレ率が発生してしまっ

た以上は、相当強度の引締めと、景気後退がなければインフレは収まらないの

ではないかという見方もあります。 一方で、 今起きているインフレ率の上昇は、

ある程度供給要因も入っていますので、いずれ、いわゆる供給制約等々が徐々

に解消してくれば収まる部分もありますし、労働需給の逼迫ということも割と

早期に収まる、あるいは、失業率の上昇をあまり伴わずに求人が収まっていく

という道もあるのではないかという議論もあります。ここのところは、今、米

国においても色々な議論が行われているところだと思います。先ほどちょっと

触れましたけれども、ソフトランディングということが望ましいわけでありま

すけれども、パウエル議長自身も、そのソフトランディングは難しい課題だと

おっしゃっておられますし、私もとても難しいチャレンジだろうと思います。

ただし、これも先ほど申し上げましたけれども、やはり米国経済がインフレ抑

制と経済の安定を両立できるかどうかは世界経済のみならず日本経済にとっ

ても、とても重要な安定の条件ですので、そうした方向で適切な政策運営が行

われるということを強く願っています。

(問) 先ほど、当面の個人消費につきまして、行動制限で積み上がった貯蓄

とペントアップ需要がバッファーになる、というふうな見解を示されました。

どちらも一時的なものだと思うのですが、こうしたある種特殊要因といいます

か、そうしたもののですね、今回、具体的には来春の賃上げといったものが不

十分で終われば、物価目標の実現、持続的な物価上昇というか、もうしばらく

は展望できない状況になってしまうのでしょうか、その辺のご見解をお願いし

ます。

(答) まず、先ほども申し上げましたけれども、ご指摘の通り、今のような

ペントアップ需要によって個人消費の回復が支えられているという状況は、

──ペントアップ需要がとても大きい可能性がありますので、こうした状況は

それなりに続くとは思いますけれども、かといって経済運営がそうしたペント

アップ需要の発現に依拠するわけにはいかない ので──どこかでは必ず収

まっていく筋合いのものですので、やはり安定的、持続的に経済が回復してい

くためには、賃金の上昇が伴うということが必須の条件だと思います。更に言

えば、2%の「物価安定の目標」は、我々がいつも申し上げていることですけれ

ども、単に 2%という数字が実現できればいい、というものではないわけでし

て、あくまで経済活動が改善する中で賃金と物価の好循環がもたらされると、

その中で 2%が実現されるということを目標としています。そういう状況が実

現するためには、やはりしかるべき賃金の上昇ということが必須の条件になる

と考えています。

(問) 懇談会の冒頭のご挨拶の中で、東日本大震災の被災地を訪問されたと

いうお話がありました。今回、岩手県に足を運ばれて感じた印象と、それから

震災については、復興、インフラ整備は進みましたけれども、完全復興の完遂

にはまだ道半ばというところであります。そのために完全復興に向けて、どう

いった取り組みが必要とお考えか、ご所感をお聞かせください。

(答) ご質問頂きましたので、ここで改めて東日本大震災で多くの尊い命が

奪われましたことに、 謹んで哀悼の意を捧げるとともに、 被災された皆様には、

遅ればせではありますけれども、お悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思いま

す。そのうえで、今ご質問頂きましたけれども、今回の視察では、昨日、陸前

高田市の東日本大震災の「津波伝承館」に伺いまして、津波被害を伝える映像

や展示物を拝見して勉強させて頂いたほか、被災地の状況や、そこから得られ

た教訓などに関するお話を拝聴いたしました。「奇跡の一本松」もそばまで行っ

て拝見してまいりました。それと同時に、陸前高田市の街の復興の様子や、醸

造技術を生かした商業施設を拝見して勉強してまいりました。その被害の大き

さですとか、自然の猛威を改めて実感しましたし、過去の経験や教訓を踏まえ

て防災減災に取り組むことの重要性を再認識したところであります。それから、

今回仙台から岩手に向かって「復興道路」を実際に走ってみることも、目的の

一つでありました。震災も一つのきっかけということだと思いますけれども 、

三陸の沿岸道路をはじめとする「復興道路」や「復興支援道路」といった運輸

交通網の整備も一つのきっかけとして、企業誘致を起点とした産業集積といっ

た官民一体となった取り組みをしておられることも勉強させて頂きました。こ

うした社会生活インフラの着実な整備の状況をこの目で拝見しまして、その点

では大変心強く思いましたが、一方で、人口の戻り方等々の話も伺い、復興を

実現していく道のりの厳しさについても改めて実感しました。いずれにせよ、

先ほど申し上げた通り、この間、様々な取り組みが着実に行われています。是

非こうした取り組みが結実して、岩手県が東日本大震災という未曽有の大災害

から復興を成し遂げられること、それから、いわば強靭なインフラのもとでの

社会経済活動、安全で頑健な社会経済活動のモデルケースを、日本だけではな

くて、世界に発信してもらえるよう願っています。

以 上

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